ワールド・ビジョン・ジャパンはシリア・アラブ共和国内外で、シリア難民の人々を主な対象にした支援活動を実施しています。
通称シリア・アラブ共和国は、中東・西アジアの共和制国家。北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、西にレバノン、南西にイスラエルと国境を接し、北西は東地中海に面する。首都はダマスカス。 「シリア」という言葉は、国境を持つ国家ではなく、周辺のレバノンやパレスチナを含めた地域(歴史的シリア、大シリア、ローマ帝国のシリア属州)を指すこともある。言語は、アラビア語。
2011年にシリアの政府軍と反政府軍による武力衝突が本格化してから、シリア紛争はさらに深刻化。多くの住民が国内外での避難生活を強いられ、危機的な状況下で暮らしています。
社会経済状況の悪化により、シリアで人道支援を必要とする人は過去最大の1530万人にのぼります。シリアでは、3人に1人の子どもが学校に通えていません。人々は、先のみえない避難生活を大きな不安を抱えながら過ごしています。
食料や燃料価格の高騰、コレラの大流行など、混乱が続くシリアを2023年2月大地震が襲いました。すでに多くの不安を抱えていた子どもたちは、より一層過酷な環境に追い込まれています。
シリア難民支援のワールド・ビジョン活動マップ(クリックすると拡大表示できます)
国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンは、65万人以上のシリア難民を受け入れているヨルダンで、2014年から教育支援事業を実施しています。長期間学校に通えなかった子どもたちが、ヨルダンの学校の授業に追いつけるよう補習授業を実施するとともに、レクリエーション活動を通して、紛争のトラウマや避難生活によるストレスを和らげる活動も行っています。また、保護者が経済的困窮を理由に子どもに労働や早婚を強いることがないよう、教育の重要性を呼びかけています。
支援の背景:増える難民児童に対して、教室の不足が続く
公立学校では児童数の増加に対応するため、朝・昼の二部制を導入し授業時間を短縮していましたが、学習環境の悪化により多くの子どもたちが勉強についていけない状況にあります。また、紛争の経験や厳しい避難生活により、不安やストレスを抱えて過ごす子どもも多くいます。
支援の成果:学習の遅れと心の平安を取り戻しています
アレッポから逃れた10万人の人々に、ワールド・ビジョンは、教育支援事業のほかにも以下のような支援を続けています。
*第一次医療:風邪や腹痛など日常的な疾病を対象とする医療
故郷を離れて暮らす難民の子どもたちに「学校が楽しい」と感じてもらえるよう、ヨルダン人の同僚と一緒に工夫しながら活動しています。
ストレス等の影響で引っ込み思案になったり乱暴になったりする子どもたちもいますが、先生の励ましを得て友達と協力しながら創作活動やゲームをするうちに、徐々に落ち着きと自信を取り戻しています。異国の地で健気に暮らす子どもたちがいることを、どうか忘れないで欲しいと願っています。
「怯えていた子どもたちが、補習授業とレクリエーション活動のおかげで自信を取り戻していく過程を見て、私たちも希望が持てるようになりました」保護者のこのような声を聞き、子どもたちが教育を受け、健やかに成長することが、シリア難民の人々の希望をつないでいると感じています。
これからも人々の希望を支える支援を続けていきます。
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