シリアの子どもたちが、世界に向けたメッセージを発信

2014.03.14

シリアが内戦状態に陥ってから、3月15日で丸3年。世界の子どもたちのために働く国際NGOワールド・ビジョンは、故郷を追われ難民として暮らすシリアの子どもたち140人が、自らの手でまとめたレポート「STAND WITH ME  私たちの不確かな未来」を発表しました。

不安と恐怖に翻弄される子どもたち


難民になって生きる現実について語るシリアの子どもたち(英語字幕)

このレポートでは、子どもたちを取り巻くあらゆる問題が明らかにされています。日常的な暴力、避難先コミュニティでのいじめ、経済的な不安、女の子が強いられる結婚・・・。参加した140人の子どものうち、86%が何らかの暴力にさらされていると回答しています。

「私たちは戦火からは逃げ出せたけど、その先には危険や爆発や誘拐や盗みしかありませんでした。私たちは、平和に生きることは出来ません。私たちの人生を変え、私たちを傷つける絶え間ない恐怖の中に生きています
と子どもたちは言います。

子どもたちの声に耳を傾けてください

ヨルダンの難民キャンプ
ヨルダンの難民キャンプ

「私たちシリアの子どもは、世界に私たちの声を届け、紛争のために生じている恐怖や苦悩を知ってもらいたいと思い、このレポートを作成しました。このレポートは、私たちの現実を変える力を持つ国や組織、そして世界に暮らす一人ひとりに向けてのメッセージです」と訴えます。

「私たちは大きな痛みの中に生きています。
世界の人に、私たちの声を聴いてほしい。
なぜなら、私たちはもう耐えられないからです。

避難先の学校で物が壊れると、
私たちシリア人のせいにされ、悪口を言われます。
家賃もとても高く、テントも十分ではありません。

私たちは互いに支えあって生きていますが、
もっと大きな存在が
私たちを助けるために動いてくれることを望んでいます


インタビューを受けた少女は、このように語りました。
(「 」内は動画で少女が語っている内容の日本語訳)

少女のインタビュー動画


長引く内戦のなかで必死に生きる子どもたちの心の声に、今こそ耳を傾けてください。


※ シリア難民人道支援募金

政府に共同書簡を提出しました

「内戦が始まり、父と母はどこかに連れ去られたんだ。死んだ人や火だるまになった人、爆弾も見たよ」祖母と弟と一緒にレバノンの難民キャンプに暮らす男の子(手前)
「内戦が始まり、父と母はどこかに連れ去られたんだ。死んだ人や火だるまになった人、爆弾も見たよ」祖母と弟と一緒にレバノンの難民キャンプに暮らす男の子(手前)

ワールド・ビジョン・ジャパンは、シリア危機が早期にかつ平和的に解決することを目指し、3月7日、他NGOとともに共同書簡を外務大臣に提出しました。この中で、シリアの人々が紛争による苦しみに包まれることのないよう、あらゆる努力を惜しまないことを宣言することを政府に求めています。
WVJはこれからも、現地に支援を届けるとともに、子どもたちの未来にために国際社会に対するアクションを求めていきます。

ワールド・ビジョンは、シリア難民と受け入れコミュニティのための支援活動を行っています。
シリア難民人道支援募金も受け付けています。


★ワールド・ビジョン・ジャパンとは?
ワールド・ビジョンは、国連経済社会理事会に公認・登録されたキリスト教精神に基づく国際NGOで、日本の事務所である特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンは1987年設立。 

★この件に関するお問合せは
【担当】 市山 志保、浅野 恵子
【電話】 03-5334-5356【FAX】 03-5334-5359 【携帯】090-5762-8886 / 090-6567-9711 
【Eメール】shiho_ichiyama@worldvision.or.jp / keiko_asano@worldvision.or.jp