2016.02.16
「シリア難民の子どもたちと接していて感じることは、
多くの子どもたちが補習授業やレクリエーション活動に続けて参加したいと願っているということです。
子どもたちがこれから生きていくうえで、これ以上紛争の影響を受ける ことなく、また悲しい思いを抱え続けることなく、安心して自分を自由に表現できる場所が必要であることを強く感じさせられています。
1人でも多くの子どもたちが、安心して必要な教育を受け、明日を生きていくことができるよう、これからも補習授業などを通して支援していきたいと思います」
シリア難民支援のためヨルダンに駐在している渡邉スタッフ
ヨルダンには、正式に登録されているだけでも62万人以上のシリア難民がいます。これは、ヨルダンの全人口のおよそ9% にあたり、日本の人口比で例えると、神奈川県の人口よりも多くの人々が難民ということなります。
そのようななか、ヨルダン政府は、シリア難民の人口が急増した地域で、難民の子どもたちを受け入れるために公立学校を二部制にしました。
しかし、難民の子どもたちは、入学できても通学期間にブランクがあったり、紛争を体験して心に傷を負っていたり、二部制が導入されたことで勉強が遅れるヨルダン人の子どもたちも多くおり、補習授業や、子どもたちが心の安定を取り戻すためのレクリエーション活動による支援が重要になっています。
補習授業を受ける男の子(ヨルダン)
「厳しい環境で生活しているにも関わらず、支援地では、勉強や学ぶことに対して強い気持ちを持つ子どもたちが多いことに驚かされます。
できるだけ多くの子どもたちが、彼ら自身の生活のみならず、将来彼ら自身の国づくりに必要な知識とスキル、強い心を、今の成長期に身につけることができるよう、難民キャンプでの校舎の建設とともにそこで教える教師を育成することを通して支援していきたいと思います」
2011年に独立を果たした南スーダンでは、2013年12月、再び内戦状態となり、約76万人が難民となって国外に逃れており、多くの子どもたちが教育を受ける機会を奪われています。
紛争を間近で経験したことや、いまだに母国の南スーダンの状況が不安定な中で送る避難生活が、子どもたちに及ぼす心理的な影響も大きく、教科の知識を習得するだけにとどまらない、大人になる過程で困難に対処する能力など、多面的な教育が重要になっています。