世界の最も脆弱な子どもたちのために、世界のリーダーができること

(2016.03.18)

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、今年5月に伊勢志摩サミットが開催されるにあたり、「保健」「栄養と食料」「シリア危機」「責任あるサプライチェーン」の4分野において、G7が以下の行動をとるよう求めます。

伊勢志摩サミットへの提言

1. 保健
日本政府が「保健」を本サミットの主要優先事項に位置づけていることを、歓迎します。その上で、日本政府が進めるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)によって女性や子ども、若者の健康状態が改善されるよう明確な合意に達すること、そして、保健関連のSDGsの実行プランと進捗状況の公開がされるようサポートすること、等をG7各国に求めます。

2. 栄養と食料
エルマウサミットでは、栄養と飢餓について、歓迎すべき野心的な合意がなされました。「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」達成に向けて動き出す今年、飢餓や栄養不良に苦しむ子どもたちをなくすため、G7は合意の実現に向けた具体的なプランについて説明することを求めます。

3. シリア危機
シリア紛争開始から5年、昨今の休戦に向けた動きには希望の光も見えますが、引き続きリスクと挑戦を伴います。ワールド・ビジョンは、この紛争に関係するすべての団体が和平に向けた努力を続けることを求めます。また、紛争によって荒廃した地域の再生に向けた投資や、難民としてヨーロッパをさまよう子どもたちの保護についても、G7が国連や市民社会、各国政府と協働することを強く望みます。

4. 責任あるサプライチェーン
ワールド・ビジョンは、子ども支援の団体として、約1億6,800万人(世界の子どもの約11%)が児童労働に従事しているという事実について深く憂慮するとともに、G7には、国連のガイドラインに則った各国の行動計画を発表することを求めます。また、サプライチェーンの透明化等を実現するため、実践的な政策を実行することを求めます。

※提言書本文はこちら(英語)

栄養満点のおかゆを食べる女の子(ベトナム)
栄養満点のおかゆを食べる女の子(ベトナム)

また、3月22~23日にかけて京都で開催される「Civil G7 Dialog(G7市民社会対話)※」では、「保健」「シリア危機」「責任あるサプライチェーン」の分野について、他のNGOと協働して日本政府に働きかけます。多くの政府・企業・市民社会は、世界のリーダーたちによる新しい合意が、世界の最も脆弱で弱い立場にある子どもたちや人々を中心に据え、これまでの世界のやり方を変えるという明確な意思表示をすることを期待します。

※Civil G7 Dialog(G7市民社会対話)とは; サミットのアジェンダに関して、NGO等の市民社会と、首脳に代わりサミットを準備する「シェルパ」が行う対話。市民社会の課題を整理・共有することが目的。詳しくは外部リンクこちら

シリア人道支援募金

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■ワールド・ビジョン・ジャパンとは
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。詳しくはwww.worldvision.jpへ。

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