シリアの子どもたちからの手紙

(2016.03.16)

12人の難民の子どもたちから世界に宛てて

日本の子どもたちと同じように、難民の子どもたちにも将来の夢があります。

シリア難民の子どもたち12人が、世界に宛てて一通の手紙を書きました。

シリアから隣国レバノンへ逃れるという苦しい経験を経て、今生きている厳しい現実を記しています。
そして同時に、世界に支えてもらえば実現するかもしれない夢と希望も語っています。どうぞ、子どもたちの声を聴いてください。

「私たちはシリアの子どもたち。
何人かは2年前に、残りは3~4年前にレバノンへ逃げて来ました。
たくさんの問題があります。一つは叩かれること。
たとえば、学校ではレバノンの生徒に叩かれます。
道行く人に叩かれることもあるし、馬鹿にされることもあります。
友だちと弟は、住んでいる家の家主に、時々叩かれる、と言っていました」

レバノンの難民キャンプにクラスシリア難民の子どもたち
シリアから逃れ、レバノンの難民キャンプに暮らす子どもたち

シリアの家に帰りたい

「お金のことも大問題です。友だちの兄弟は家計を助けるために、道でティッシュを売っていました。でも時々、レバノンの子どもたちがティッシュや、ティッシュを売って貯めているお金を盗みます。
学費が払えなかったり、入学に必要な法的な書類を準備できないために学校に登録できない子どももいます。

問題はたくさんあるけれど、まだ夢はあります。
私たちの夢はきっと他の子どもたちと同じです。

道や家の近所、学校、家のどこでも、誰にも、叩かれたくありません。シリア人にもレバノン人にも、ひどいことを言われるのは嫌だし、よく接してもらいたいです。

シリアでは家に住んでいましたが、今はテントに住んでいます。シリアの家に帰りたいです。早く紛争が終わって、両親が仕事を見つけられるようになってほしいです」

レバノンの難民キャンプで遊ぶ子どもたち
難民キャンプで遊ぶシリア難民の子どもたち

このメッセージが届いてほしい

「シリアに帰るために、真実が明らかになってほしいし、全部の問題が終わってほしいです。もしシリアに戻れたら、天国に再入場できるみたいだと思います。

私たちには夢があります。

-サッカー選手になって、スポーツを通じて人のためになりたい(アハマッド)
-将来はお医者さんになりたいです(ハイトハム)
-教授になりたいです(ムハンナド)
-私は先生になりたいな(ファティマ)
-警察官になって人を助けたいです(ワエル)
-大統領になってすべての人を助けたい(マディハ)

最後に、私たちのことを気にかけ、できることに力を尽くしてくださっていること、感謝します。助けてくださり、ありがとうございます。
もしあなたが、私たちの夢を全部かなえてくれたらな、と思います。

私たちはこのメッセージが世界で物事を決めているすべての人に届いて、私たちの夢がかなうように助けてほしいです」

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シリアでの暮らしを思い出して絵を描いた少女
シリア難民の少女。1番上の段にはシリアで暮らしていた美しい家と家族、1番下の段にはにシリアで先生になる夢を描いた