SDGsの目標達成に向けて個人でできることとは? | 国際NGOからの提案

2015年9月に開かれた国連サミットでは、150を超える加盟国により全会一致で「参加持続可能な開発目標:SDGs (Sustainable Development Goals)」が採択されました。SDGsとは、より良い社会を目指して作られた2030年までの国際目標です。

日本でも国をあげてSDGsの目標達成に取り組んでいます。そのため、最近になってSDGsという言葉を耳にする機会が増えたと感じる人は多いのではないでしょうか。また、当事者意識を持ち、自分に何かできることはないかと考える人もいるでしょう。

そこで、本記事では国際NGOであるワールド・ビジョンが、SDGsの目標達成に向けて個人でできることを紹介します。ぜひ本記事を読んで、私たちと一緒により良い社会を実現していきましょう。

SDGsの目標


ケニアで暮らす子ども
ケニアで暮らす子ども

SDGsには、以下のとおり17の目標が掲げられています。

ターゲット内容
目標1 貧困をなくそう あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
目標2 飢餓 飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標3 健康・福祉 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標4 教育 すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
目標5 ジェンダー平等 ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う
目標6 水・衛生 すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標7 エネルギー すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標8 雇用 包摂的かつ持続可能な経済成長およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標9 インフラ・産業 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る
目標10 不平等 各国内および各国間の不平等を是正する
目標11 コミュニティ 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する
目標12 消費・生産 持続可能な生産消費形態を確保する
目標13 気候変動 気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14 海洋・沿岸生態系 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15 森林 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復および生物多様性の損失を阻止する
目標16 社会制度 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標17 社会的連携 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

(注1)


貧困から社会制度まで、その内容はさまざまです。こうした大きな目標のなかに、具体的な目標がいくつも設定されています。

SDGsの目標達成に向けて個人でできること【日常生活編】


レバノンで暮らす子どもたち
レバノンで暮らす子どもたち

では、SDGsの目標達成に向けて個人でできることを見ていきましょう。まずは日常生活のなかで簡単にできるものから紹介します。

エシカル消費を意識する

食べ物や生活用品を消費する際、エシカル消費を意識するだけでもSDGsの目標達成に貢献できます。エシカル消費とは、地域の活性化や雇用なども含む人・社会・環境に配慮した消費行動のことです(注2)。

例えば、以下のとおり物を買うにしても、どういった課題に注目するかで消費行動は変わります。

課題 買うもの(例)
社会 ・フェアトレード商品
・寄付の付いている商品
環境 ・エコ商品
・リサイクル製品
・資源保護に関する認証がある商品
障害のある人 ・障害者支援につながる商品
地域活性化 ・その土地で獲れた農作物
・被災地産品

ただ漫然と物を買うのではなく、課題や目的意識を持って購買することで、よりSDGsの目標達成に貢献できます。また、購買シーンだけではなく、食品ロスをできるだけ出さないといったこともエシカル消費のひとつです。

環境に配慮する

環境に配慮して生活することで、SDGsの目標達成に大きく貢献できます。具体的には、以下のポイントを心がけましょう。

  • 水道の蛇口をこまめに止める
  • 油を排水溝に流さないで拭き取る
  • 風呂水を散水や洗濯に再利用する
  • アイドリングストップをする(車の駐停車中はエンジンを切る)
  • 節電する
  • カーボンオフセット旅行を選んで申し込む
  • レジ袋やプラスチック製品を使わない

すでに世界では、環境汚染や環境破壊に伴う地球温暖化の影響を受けている人が多くいます。きれいな水が手に入らない人や、水そのものが不足して日々苦しんでいる人も少なくありません。

環境省によれば、地球温暖化によって上昇する気温を2℃から1.5℃に抑えるだけでも、水問題に苦しむ世界の人口割合を最大50%まで抑えられる可能性があるとされています(注3 p.5)。ささいな取り組みに思えても、私たちの日々の行動で救える命があるのです。

人々の平等や権利を意識する

SDGsではあらゆる人々の格差をなくすことも目標とされています。具体的には、経済的な格差(貧困)や、ジェンダーの格差、人種や障害の格差などが挙げられます。日本では格差を実感する機会が少ないと思われがちですが、完全に格差解消が実現できているとはいえない状況です。

一人ひとりの行動が周囲の考え方を変え、SDGsの目標達成につながるのです。例えば、以下のような人々の平等や権利を意識して行動してみましょう。

  • 家事を平等に分担する
  • 役員や係を決める際、男女バランスを考えて選ぶ
  • いじめや差別をしない、させない
  • 配慮の必要な方を見かけたら援助する


SDGsに関する情報を発信する

直接的な取り組み以外にも、SDGsの目標達成に向けてできることはあります。そのひとつが情報を発信することです。SDGsは現在、国際目標として掲げられています。しかしその内容を世界中の人が理解しているかというと、決してそうではありません。

2022年4月に公表されたアンケート調査によれば、日本におけるSDGsの認知度は約86%。しかし、内容まで理解していると回答した人の割合は、34.2%という結果になりました(注4)。

前回の調査(2021年1月)と比較して割合は伸びているものの、いまだに7割近くの人がSDGsの内容を理解していないのが現状です。そのため、SDGsに関する正しい情報を取得し、周囲に広めることは非常に有意義といえます。

SDGsの目標達成に向けて個人でできること【参加編】


南スーダンで暮らす子どもたち

南スーダンで暮らす子どもたち

続いては、少し応用編になります。より積極的にSDGsの目標達成に貢献したい人や、日常生活の工夫以外にも何かできることがないか考えている人は、ぜひこれから紹介することも実践してみてください。

ボランティア活動への参加

直接的にボランティア活動へ参加することも、SDGsの目標達成に向けてできることのひとつです。ボランティア活動はさまざまな種類があるため、自分が特に重視する社会的課題から活動を選ぶと良いでしょう。

例えば、子どもの健やかな成長や保護に関心がある場合は、以下のようなボーイスカウトや登下校の見守りといったボランティア活動があります。

課題 ボランティア(例)
子ども ・ボーイスカウト
・登下校の見守り
・児童館スタッフ
・読み聞かせボランティア
環境 ・地域のゴミ拾い
・植樹
・地域の緑化計画への参加
・森林保護活動
地域活性化 ・農業や漁業のサポート

単発で参加できるものから、定期的に参加できるものもあるので、自分の予定に合わせて選びましょう。また、国際NGOや国際NPOのもと、海外でボランティア活動するのもひとつの手段です。

物資の寄付

物を寄付することも個人でできることのひとつです。寄付ができる物は、以下のとおりとなります。

  • 古本
  • 古着
  • おもちゃ
  • 食料・飲料

例えば、海外には貧しく明日の食料も十分に確保できていない子どもたちが多くいます。こうした子どもたちのために、食料や飲料を寄付することが可能です。海外だけではなく、日本国内で支援を必要とする世帯のために、古本や古着、おもちゃなどを寄付できるシステムもあります。

お金の寄付

物資ではなく、お金を寄付する方法もあります。金銭的な寄付のほうが、物資よりも寄付先が多数存在しています。自分が重視する課題に合った寄付先を見つけられるでしょう。例えば、ワールド・ビジョンでは貧困などの理由から厳しい環境で生きる子どもたちが暮らす地域の状況改善を目指す、チャイルド・スポンサーシップという長期的な支援プログラムを実施しています。

単発の寄付とは違い、1日150円、月々4,500円から支援可能で、支援地域に暮らす子どもの成長や地域の変化を実感いただけるのが特長です。定期的な報告レポートや、子ども本人からの手紙も届きます。

こうした支援の成果を実感できる寄付先を選べば、SDGsの目標達成に向けて貢献している実感や、やりがいも感じられるでしょう。

復興後の土地へ訪問し消費する

災害などで被害をうけた地域の復興に関心がある場合は、復興後の土地へ訪問し、そこで消費活動をするだけでも支援につながるでしょう。日本でいえば、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県や宮城県、岩手県の沿岸地域などです。また世界では、紛争で多くを失った状態から復興しようとしている国も多くあります。

こうした土地へ足を運び、宿泊し、その土地の食品を食べたり、購入したりすることが、地域復興につながるのです。ただし、復興が進んでいないうちに訪れると、かえって迷惑になってしまうこともあります。復興途中の地域へは、外部からの受け入れ体制ができてから訪れるようにしましょう。

講演会やイベントへの参加

SDGsに関連する講演会やイベントへ参加することも、個人でできることのひとつです。こうしたイベントに参加すれば、自分が正しい知識を取得し、情報を発信するきっかけにもなるでしょう。

例えば、ワールド・ビジョンでは、皆さまのご支援により世界各地で進められている支援活動の様子を報告したり、団体について説明などを行っています。チャイルド・スポンサーシップの支援地域を訪問したような体験が味わえるバーチャルツアーや、緊急人道支援を担当するスタッフの日頃の仕事内容を紹介するオンライン報告会も開催しています。

ほかにも、世界の子どもたちについて理解を深めることができる中高生向けユースプログラム、小学生向けサマースクールなどのイベントを開催。より身近に私たちの活動を知っていただくため、スタッフのインスタライブなども随時開催しています。学校や教育機関からの依頼による講師派遣や、事務所訪問の受け入れも実施しています。

SGDs目標達成に向けたワールド・ビジョンの取り組み


ハイチで暮らす子どもたち

ハイチで暮らす子どもたち

ワールド・ビジョンでは、世界中の子どもたちが平等で健やかに暮らせる社会を実現するため、さまざまな活動を実施しています。例えば、緊急度が高い地域の子どもたちには、緊急人道支援として物資や食料、衛生用品などを届け、より多くの命を守る活動をしています。

地域開発支援では、10年から15年かけて地域に根差した活動を実施します。貧困や水不足、衛生教育問題など、地域ごとの課題に沿って支援を行い、子どもたちを取り巻く環境が少しずつ改善するように取り組んでいます。その活動のなかに、皆さまからご支援いただいた寄付金を活用して子どもたちの未来を切り拓くチャイルド・スポンサーシップがあるのです。

また、ワールド・ビジョンは国際NGOとして、アドボカシー活動(市民社会や政府への働きかけ )にも力を入れています。政府・国際機関と市民社会の両方に働きかけ、支援地域での啓発活動から国際レベルでの政策提言など、さまざまな方法で行っています。

個人でもSDGsの目標達成に貢献できることは数多くある


チャイルド・スポンサーからの手紙に喜ぶベトナムの子どもたち

チャイルド・スポンサーからの手紙に喜ぶベトナムの子どもたち

SDGsの目標達成は、一朝一夕で達成できるものではありません。一人ひとりの意識が変わり、世界中で人々が協力し合うことで、はじめて達成できる目標です。そのためには、個人が当事者意識を持つことが大切です。自分ひとりでも、できることはたくさんあるのです。

ワールド・ビジョンはチャイルド・スポンサーシップを通して、過酷な環境で暮らしている子どもたちが健やかに成長し、未来を拓く力をつけることを目指して活動しています。子どもたちの未来を守るため、ぜひワールド・ビジョンの活動にご協力ください。私たちと一緒に、より多くの人が健やかに暮らせる世界を作っていきましょう。

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