(2024.12.24)
WVJは子ども支援の方針のもと、被災された皆さまのお声をうかがい、連携する他団体と調整をしながら、その時々に必要とされる支援活動を実施しました。計32名のスタッフが実日数117日/のべ322日間、現地で活動しました。
災害時の混乱の中にあっても「子どもの権利」を守る、という一貫した目的のもと、フェーズ毎に活動内容を変えながら実施してきました。
<緊急期:2024年1月>
多くの子どもたちが、余震が続く中で、様々な我慢やストレスを強いられて、避難所や自宅で避難生活を送っていました。避難所内で子どもたちが安心して過ごせる場所を整え、また、子どもたちがのびのび遊べる機会となることを願いイベント「わくわくデー」を七尾市ならびに輪島市の小学校や避難所等4カ所で1月20日~22日にわたり開催しました。
<緊急~復興期:2024年2月~>
放課後や週末・休日に、子どもたちが安心して安全に過ごせる居場所「チャイルド・フレンドリー・スペース」(CFS)を実施しています。輪島市内の小学校のCFS「みんなで遊ぼう!」は、2月下旬に初回を開催したところ、多くの参加者があり、継続実施を希望する声をいただいたことを受け、10月末までに計21回を実施し、のべ381名に自由に過ごせる遊び場を届けてきました。参加児童の皆さんからは、毎回「楽しい」「また遊びたい」といった声が聞かれ、また、状況や季節が移り変わる9カ月あまりの期間で、スタッフに新たな顔を見せてくれました。10月には、9月の豪雨で深刻な被害のあった町野町でも「みんなで遊ぼう!」を開催しました。
<半年を過ぎて:8月~>
日頃の環境から少し離れ、心身ともにリフレッシュすることを目的に、夏、秋、冬に計3回バス遠足を実施しました。
8月10日に実施した「みんなで遊ぼう!~夏休みのおでかけ~」には、計17名の小学生が参加。当日は天候にも恵まれ、アスレチック、バーベキュー、プラネタリウムに水族館と、朝から夕方まで大満足の1日となりました。企画・実施にあたっては、北陸学院大学、北陸地区キリスト者学生会(KGK)の大学生ボランティアにご協力いただきました。
詳しくはこちら
https://www.worldvision.jp/news/works/japan/20240822.html
令和6年能登半島地震緊急支援・第15報「輪島市の子どもたちに、笑顔いっぱい、夏のひとときを届けました」(2024.8.22)
11月24日、町野町の子どもたちと一緒に「みんなで遊ぼう~inのとじま水族館~」を実施し、10名の小学生が参加。当日は、朝から寒い1日でしたが、10月から水族館に仲間入りしたジンベエザメの泳ぐ姿など、グループ行動で思い思いに楽しみました。お昼はお休み中のイルカショーの観客席で海を眺めながら皆でお弁当を食べ、スタッフや北陸学院大学の学生ボランティアさんとのおしゃべりにも花が咲きました。
<参加者の声>
12月8日、門前町の子どもたちと一緒に「みんなで遊ぼう!~inかほっくる~」を実施、13名の小学生が参加。当日は、室内遊び場の「あそびの森かほっくる」で、アスレチックなどを使って思いきり体を動かして遊びました。雨が少しやんだときに、外の大型遊具でも遊びたい!と出て行った子どもたち。服が濡れるのも気にせずすべり台を楽しむなど、元気いっぱいに過ごしました。
<参加者の声>
<未来に向けて:10月~>
11月、奥能登地方の二市二町(珠洲市、輪島市、穴水町、能登町)の県立高校5校の1~3年生の生徒865名を対象に、高校生学習支援金として、1人あたり1万5千円の図書カードを支援しました。図書カードはWVJオリジナルデザインで作成し、生徒の皆さんへの応援のメッセージをこめました。
<「図書カードをどんなことに使いたいですか?」WVJスタッフの質問への生徒の皆さんの声>
西川株式会社(代表取締役:菅野達志、以下「nishikawa」)と連携し、6月末までに、輪島市内に建設された12カ所の仮設住宅503戸に入居された方を含む合計1,060名の皆さまに寝具セットを支援しました。また、ご入居世帯のお子さま向けに文房具などのプレゼントを準備して仮設住宅にお納めしました。
9月の豪雨では仮設住宅にも床上浸水の被害が発生し、寝具や家電などが水浸しになった世帯が多くありました。行政の要望を受け、WVJでは追加で寝具セットの支援を決定し、ご希望のあった皆さまを対象に、12月23日に輪島市内の仮設住宅に191セットをお届けしました。今後も、寝具の必要のあるご入居世帯の皆さまにお届けする予定です。
2024年1月7日に石川県入りした初動チームリーダーとしての派遣に始まり計15回現地に足を運び、子ども支援に従事してきたWVJ国内支援・アドボカシー課長髙橋布美子スタッフは、以下のように述べました。
「発災直後から能登に通い、私自身、またWVJにできることを模索しながら、地元の皆さまのご理解とご協力に支えられて活動を進めて参りました。緊急物資支援を中心に行った1~2月、道路や物流の復旧が待たれる中、保育園や小学校などの子ども関連施設に必要な物資を少しでも届けようと必死でした。2月下旬から小学校の体育館でCFS「みんなで遊ぼう!」を開催できることになったときは、子どもたちへの地元の方々の思いを強く感じ、それを支えたいと思いました。日常の回復へと歩んでいた最中、9月に発生した豪雨災害により、念願の学校行事が中止や延期になったり、子どもの遊べる場所が以前よりも更に減ってしまったりしました。子どもたちや保護者の方々、先生方などの心情を思うと言葉になりません。遊びの機会保障として行っている「みんなで遊ぼう!」も、おでかけ遊びの形で続けていますが、本来ならば地域の中で気軽に遊べる場所がもっと必要です。毎回、限られた時間の中で汗だくになって目いっぱい遊ぶ子どもたちの姿に、遊びを「ぜいたく品」にしてはいけないと強く思います。遊びは子どもたちにとって、食事するのと同じように必要であたりまえに大切なものです。これから能登の子どもたちのために何ができるのか、発災直後とはまた違う意味で模索を続ける日々です。 」