【令和6年能登半島地震緊急支援・第15報】輪島市の子どもたちに、笑顔いっぱい、夏のひとときを届けました

(2024.08.22)

7月17日、18日に実施した「ヨーヨーすくい」の様子
ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は能登半島地震緊急支援の一環で、放課後や週末に子どもたちが自由に過ごせる遊び場として、チャイルド・フレンドリー・スペース「みんなで遊ぼう!」を輪島市内の小学校で開催しています。

7月17日、18日には、「マイうちわ作り」と「ヨーヨーすくい」、8月10日には、「みんなで遊ぼう!~夏休みのおでかけ~」と題して石川県内での遠足を実施しました。小学校低学年から高学年まで、3日間で計78名の子どもたちが元気いっぱい、夏を満喫しました。
8月10日に実施した遠足で、アスレチックを楽しむ子どもたち

子どもたちが自由に遊べる機会を

子どもたちにはどんな時にも「遊び」が大切ですが、震災発生後、思いっきり声を出したり運動したりできない状況が続いています。そんな中、のびのびと自由に遊べる機会を提供する遊び場として、輪島市内の小学校にて、チャイルド・フレンドリー・スペース「みんなで遊ぼう!」を始めました。

「みんなで遊ぼう!」は、2月下旬の初開催以降、計20回実施。のべ386名の子どもたちに自由に過ごせる遊び場を届けてきました。(8月20日時点)

8月10日に実施した遠足で水族館を訪れ、水の生き物と触れ合う子どもたち

みんなで汗をかいて笑顔に ~マイうちわ作り、ヨーヨーすくい

7月17日、18日には、小学校の体育館で「みんなで遊ぼう!」を開催し、「マイうちわ作り」と「ヨーヨーすくい」に取り組みました。それぞれ33名、28名の子どもたちが参加し、たくさん汗をかいて思いっきり遊びました。

「マイうちわ作り」では、創意工夫をしながら遊び、上級生が下級生を手伝う姿も見られました。「ヨーヨーすくい」では、欲しいヨーヨーが手に入らず、悔しい思いをした子どももいましたが、友達が自分のものと交換してくれるなど、一人の思いを無視せずみんなで遊びを楽しみました。

迎えに来た保護者の方からは、「毎回、本当に楽しみにしているんです」という声を複数いただきました。

「マイうちわ作り」の様子

少し足を伸ばしてリフレッシュ!~アスレチック、バーベキュー、プラネタリウム、水族館

8月10日には、夏休み中に子どもたちが日頃の環境から少し離れ、心身ともにリフレッシュすることを目的に、「みんなで遊ぼう!~夏休みのおでかけ~」を開催しました。企画・実施にあたっては、北陸学院大学、北陸地区キリスト者学生会(KGK)の大学生ボランティアにご協力いただきました。

「みんなで遊ぼう!~夏休みのおでかけ~」には、計17名の小学生が参加。当日は天候にも恵まれ、アスレチック、バーベキュー、プラネタリウムに水族館と、朝から夕方まで大満足の1日となりました。

アスレチックを楽しむ子どもたち
まずは、アスレチック。ハーネスとヘルメットをつけて、丸太の上を歩いたりジップラインを滑ったり。おとなにとっても「こわい」と感じるようなアクティビティでも、子どもたちは「できるよ!」「がんばろう!」と励まし合う姿が見られました。

次は、バーベキュー。お肉、ソーセージ、ハム、とうもろこし、マシュマロ・・・子どもたちはもちろん、準備から片付けまで担ってくださった大学生ボランティアの皆さんも、汗びっしょりになりながら、みんなで一緒に美味しいバーベキューを楽しみました。

さらに、プラネタリウム。広がる星空に、子どもたちは歓声を上げたり、目をキラキラさせたり。星や光についても学びました。

最後は、水族館。水槽の中の魚や水の生き物を触ることもでき、子どもたちは興味津々な様子で楽しんでいました。

水の生き物と触れ合う子どもたち

参加者の声

参加した子どもたちの声

  • 「一番楽しかったのはアスレチック。怖かったけど楽しかった」
  • 「バーベキューのお肉がおいしかったです」
  • 「プラネタリウムが綺麗でした」
  • 「友達とたっぷり遊べたのがよかった」
  • 「地震は嫌だけど、行ったことのないところへ連れて行ってもらったりして嬉しいです」


参加した子どもの保護者の声

  • 「こんなふうにお友達と遠くまで遊びに行けたのは去年の遠足以来で、本当にありがたいです」
  • 「すご~く楽しかったと大喜びしていました。子どもたちにとって、とても良い思い出ができたことに大変感謝しております」
  • 「子どもと一緒に遊んでやりたいと思いながらも、まだまだ地震の片付けや後始末に追われる日々で、一緒に遊ぶよりも、ついつい手伝ってもらったり、『今、忙しいから』と相手にできないことがあります。そんな中、たっぷり1日安心して預けることができ、私たちも子どもの心配することなく過ごせることで、気持ちもリラックスできます」


大学生ボランティアの声

  • 「今日1日、子どもたちと楽しく過ごしたいと思って参加しました。バーベキューを美味しそうに食べてくれ、水族館でも一緒に遊んで楽しくお話もでき、嬉しかったです。明日からも楽しく過ごしてくれたらと思います」
  • 「普段あまり行かない場所での体験に興奮している子どもたちの姿が印象的でした。バーベキューでは、美味しそうに食事を楽しむ子どもたちを見て心温まるひとときを過ごしました。実際に交流することで、より彼らのために祈りたいと思わされ、とても貴重な経験となりました」
バーベキューを楽しむ子どもたちと大学生ボランティアの皆さん

WVJ 高橋布美子スタッフのコメント

日頃の「みんなで遊ぼう!」で体育館で遊ぶ時も元気いっぱいの子どもたちですが、「夏休みのおでかけ」では、いつもと違う場所で、未経験のことも子ども同士で助け合ったり声を掛け合ったりしながら挑戦し、楽しむ姿が印象的でした。

バスの移動時間が長かったのですが、友達とのおしゃべりに花が咲き、あっという間でした。1日がかりの大冒険が終わり、お迎えに来た保護者の方々のもとに笑顔で駆け寄る様子に、良い時間を過ごしてもらえたことを感じてスタッフ一同ほっとしました。

生活インフラの復旧、学校を含め地域が日常の回復へ歩みを進めるなか、子どもたちを取り巻く環境も変化していますが、遊びの環境はまだ十分とは言えない状況です。今後も、子どもたちの遊びを支える活動を継続していきたいと考えています。

また、これから二学期を迎え、学校でも遠足や修学旅行など子どもたちにとって大切な行事が予定されています。ワールド・ビジョン・ジャパンは、これらが円滑に実施でき、子どもたちの体験機会が保障されるよう、側面支援を行っていく予定です。

バスに乗って遠足に出かけました