【令和6年能登半島地震緊急支援・第14報】地震発生から半年。1,621名の子どもを含む3,813名の皆さまに日常を取り戻す支援を届けました

(2024.06.28)

令和6年能登半島地震の発生から、2024年7月1日で半年を迎えます。
ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、被災された皆さまが一日も早く安心・安全な日常を取り戻すことができるよう祈りつつ、1月7日より石川県にスタッフを派遣し、関係諸機関・諸団体と連携しながら、金沢市、七尾市、輪島市を中心に、子ども支援を中心とした活動を行ってきました。皆さまからお寄せいただいた寄付により、6月26日までに、子ども1,621名を含む3,813名の皆さまに日常を取り戻すための支援をお届けしました。

能登半島地震緊急援助をきっかけにWVJを知り、支援くださった方もいらっしゃいます。その一方で、以前から、チャイルド・スポンサーとして、また、募金へのご協力を通して世界の子どもたちをご支援くださっている皆さまに、ご支援やお力添えいただき、また、励ましやお祈りをいただいた半年でもありました。6カ月の活動を報告します。
輪島市内小学校で実施した子どもたちが自由に過ごせる遊び場「みんなで遊ぼう!」の様子(6月26日)

半年間で子ども1,621名を含む3,813名の皆さまに日常を取り戻すための支援を届けました

【初期支援】170名の子どもを含む360名の皆さまに支援

  • 輪島市門前地区の避難所への支援:日用品(70名)、食料(120名)
  • 輪島市教育委員会を通しての支援:子どもの衣類(120名)、文房具(50名)


【教育再開支援】1,039名の子どもを含む1,139名の皆さまに支援:

  • 七尾市内の放課後児童クラブ:6カ所(138名)
  • 七尾市内の幼稚園・保育園・こども園:9カ所(396名)
  • 輪島市内の小中学校:500名
  • 輪島市内の保育園:2カ所(80名)
  • 輪島市内の子どもの居場所、医療施設:2か所(25名)


【仮設住宅への物資支援】68名の子どもを含む1,060名の皆さまに寝具セットを支援:

  • 輪島市内に建設された仮設住宅:12カ所(503戸 1,060名。うち68名の子どもに文房具などをプレゼント)


【居場所支援】

  • 金沢市内の避難所1カ所で子どもの居場所の立ち上げをサポート(40名)
  • 七尾市と輪島市の学校や避難所など4カ所で、子ども向けイベント「わくわくデー」を開催(1,109名) 
  • 七尾市、河北郡内灘町の2カ所で、PFA研修の間に子どもの預かり支援を実施(16名)
  • 輪島市内の小学校1カ所で、子どもたちが自由に過ごせる遊び場を運営:(17回のべ52名)


【支援者の支援】日ごろ子どもたちと多く接する方に向けてPFA(心理的応急処置)研修を実施:

  • 七尾市、河北郡内灘町:2カ所(15名)

ご支援者の皆さまに支えていただいた活動

能登半島地震の緊急支援活動を実施するにあたり、日頃は世界の子どもたちをご支援くださっているWVJのご支援者の皆さまから様々な形で応援をいただきました。WVJに寄付したことを「自分が信頼している団体を支援するのが間違いない」とのコメント付きで SNSで紹介くださった方もいれば、石川県で活動するスタッフに「チャイルド・スポンサーです」「寄付したことがあります」と笑顔でお声がけくださった方も複数いらっしゃいました。一方、能登半島地震緊急援助活動を通して初めてWVJを知り、ご支援くださった方もたくさんいらっしゃいます。皆さまのご支援を感謝いたします。

金沢市在住のチャイルド・スポンサーのご紹介で七尾市長の茶谷義隆さまに面会した初動調査チーム(1月9日)


石川県入りしたスタッフの発案により、「こんな時だからこそ、皆さまと一緒にほっと一息ついて自由におしゃべりできる機会を持ちたい」と考え、2月25日に対面イベント「ワールド・ビジョンカフェ」を金沢市で開催しました。開催直前のご案内だったにもかかわらず、17名の方にご参加いただきました。「金沢にいながらも、なかなか現地に行くことはできず、もどかしく感じています。専門家の方がお子さんたちに向き合ってくださっていることを知り、多くの方がさまざまな形で復興を助けてくださっていることに勇気づけられます」といった感想もいただきました。

WVカフェin石川に参加くださった皆さま


5月、輪島市内の仮設住宅に寝具セットをお届けした際には、たくさんのボランティアの皆さまに搬入作業のご協力をいただきました。お昼休憩に入った時、「一緒に写真を撮ってもらえませんか」とスタッフに声をかけてくださったボランティアの方がいらっしゃいました。話をうかがったところ、ご支援者の方でいらっしゃいました。

ボランティアの方と撮影した写真

6カ月間の活動を振り返って
「少しでもお力になりたい、その一心でした」WVJスタッフ高橋布美子

「1月7日以降、支援活動のため、他のスタッフと交替しながら何度も石川県を訪問し、私自身は6月末までにのべ50日間を石川県で過ごしました。当初は金沢から能登方面へ向かう主要道路である「のと里山海道」は不通区間も多く、輪島市へ行くのに片道6時間を要しました。道路状況は日を追うごとに改善していきましたが、能登地域では3月の時点でも断水解消の目途が立たない地域があり、今なお、上下水道が復旧していない世帯が少なくありません。そのような状況の中、被災された皆さまが、日々忍耐強く生活の復旧に向けた歩みを進めておられる様子を拝見し、少しでもお力になりたい、その一心でここまでの6カ月を過ごしてきました。

WVJは、災害時にも子どもの権利を守ることを目指し、子どもの支援を中心とした活動を行っています。私たちのような外部団体が子どもの支援をさせていただくためには、当然、ご家族をはじめ、地域社会の皆さまのご理解とご協力が不可欠です。ワールド・ビジョン・ジャパンの名前を初めて耳にした方も多かったと思いますが、子どもの安全と安心を守るための外部からの協力者として、私たちを信頼し受け入れてくださったことに、心より感謝申し上げます。

この6カ月間で、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化してきました。衣食住や学びの面で日常が回復しつつありますが、町の復旧・復興は簡単な道のりではなく、体育館や公園など子どもたちが思いきり遊べる環境にもまだ制限があります。引き続き子どもたちや地域社会の様子を見守りながら、必要とされる支援を提供してまいります」

門前東小学校に防災頭巾や文房具をお届けした高橋スタッフ(左から2人目)

ワールド・ビジョンとは

キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳しくはこちら



本件に関する報道関係者からのお問合せ先

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
広報担当:德永美能里 【電話】090-6567-9711 【Email】minori_tokunaga@worldvision.or.jp