レイテADPは、首都のマニラから南東へ約580Km、レイテ島の北部に位置するタクロバン市から車で約40分の所にあります。地域の人々は主に農業と漁業に従事していますが、日々の食料にも事欠く貧困世帯が少なくありません。貧困が原因で地域の小学生の約33%、中学生の約51%が学校に通っていない状況です。ワールド・ビジョンでは、幼稚園や学校の校舎の改修や、学用品・教材の支給、教師を対象とした研修を実施するなどの支援を行っています。2016年度には集会所を改修し、約2,400人の子どもたちが利用しています。集会所には新しい備品や音響機材も整備され、機材を使いながら、子どもたちが新しい技術を学んでいます。
トアンザオADPは、首都のハノイから北西へ約570キロの山岳地帯にあります。地域には、モン族 、ターイ族などの少数民族も多く暮らしています。少数民族は各民族の言語を使用しているため、子どもたちが学校でベトナム語の授業についていけず、落第・退学してしまうケースが少なくありません。子どもたちにベトナム語の読解力がつくよう、地域では「読書クラブ」などの活動を実施し、標準的な読解力を持つ子どもの割合が2014年の49%から2015年には56%に上がりました。このように、ワールド・ビジョンは、少数民族の子どもたちも質の高い教育を受け自立していくことができるよう支援を行っています。
トモ・プオADPは、首都のプノンペンから北西へ約350kmのところにあります。住民の多くは農業に従事していますが、乾期には農作物がほとんど収穫できず、日々の食料にも事欠く世帯が少なくありません。貧困家庭では子どもも働かなくては生活できないため、12%の子どもが小学校から中学校へ進学できない状況です。ワールド・ビジョンは、小学校での教育効果を高め退学率を下げるため、就学前教育を普及させ、教師を対象に教授法の研修を行う支援をしています。子どもたちには、良い人間関係を築き、衛生や子どもの権利に対する意識を高めていけるよう、「子どもクラブ」の活動を通して支援を行っています。
リディマリヤッダADPは、スリランカでも最も貧しい地域の一つです。約半数の人々がスリランカ政府の定める貧困ライン以下の生活をしています。地域の人々の多くは農業で生計を立てていますが、ほとんどの家庭は収入が不安定で、日々の必要を満たすことも難しい状況です。貧困や教育に対する親の理解不足、就学前/初等教育の質が低いことなどが原因で、識字率は国の平均を下回っています。ワールド・ビジョンは、保護者を対象に教育の重要性や子どもの保護についての啓発活動を行ったり、幼稚園や小学校へは教材の提供や、教員を対象とした研修を行うなどして、子どもたちが継続的に質の高い教育を受けられるよう支援しています。
タプラヤ地域は、内陸部に位置するため雨量が少なく、農業の生産性が低いため、住民の多くが都市に出稼ぎに出ています。祖父母や親戚に預けられている子どもたちも多く、教育がおろそかになりがちです。ワールド・ビジョンは、こうした子どもたちが学力をつけ、健全な自尊心を持って成長できるよう、さまざまな支援を行っています。「成長報告」は、チャイルド自身の成長についてと、地域の支援活動の成果もあわせてご報告しております。
キラユ地域の住民は約8割が農民ですが、十分な収入・食料が得られず、子どもや女性を中心に栄養不良が深刻です。農繁期は多くの子どもが学校へ行くよりも家計を支えることを優先させられるなど、住民の間で教育の重要性に対する認識が不足しています。ワールド・ビジョンは、教育の重要性に関する住民対象の啓発活動を行ったり、子どもたちが、価値観の大切さや争い事の解決法、子どもの権利と自分自身を守ることを学べるよう、講習会を行うなどの支援をしています。
バヤン・ウルギーADPでは、2016年度は保健衛生の分野で大きな成果がありました。保健衛生に関するトレーニングがたくさん行われ、子どもたちは、衛生的な環境が病気の予防につながることを学びました。ある学校の先生は、「以前は、手洗いの習慣がなかったため、すぐに感染症が流行していた」、「今では手洗いの習慣がつき、病気も減って集中して勉強に取り組むことができるようになった」と語っています。このように、ワールド・ビジョンでは、地域の人たちが衛生的な環境で健康な毎日が送れるよう、さまざまな取り組みを行っています。
ビルゴンジADPは、バングラデシュの首都ダッカ車で8.5時間ほどのところにあり、多くの少数民族が住んでいる地域です。少女の早婚、児童労働、家庭内暴力なども地域社会の問題となっています。子ども議会は、子どもたちが自分の住む地域の課題やその対策を考え、意見を発表しあう機会となっています。
ムオンチャADPには、モン族 、ターイ族などの少数民族が多く暮らしています。地域の人たちはそれぞれの民族の言葉を話しているため、学校でのベトナム語の授業についていけず学校を中退する子が多いことが問題となっています。このクラブでは、子どもたちが勉強をする時や、みんなの前でベトナム語を話したりする時に自信が持てるよう、みんなで一緒にベトナム語の練習をしています。クラブ活動の最後に行われる歌やダンス、ゲームもベトナム語の上達に役立っています。
ここに集まっているのは、地域の支援活動で行われている「チャイルド・フォーラム」に参加している子どもたちです。「チャイルド・フォーラム」は、生きていくために必要な力や知識、リーダーシップや友だちとの関係づくりなどを学ぶことを目的としています。子どもたちが一緒に学び、心身ともに健康に成長できるよう、毎月一度集まって、様々な活動を行っています。
トモ・プオADPは、首都のプノンペンから北西へ約350kmのところにあります。住民の多くは農業に従事していますが、11月~4月の乾期は農作物がほとんど収穫できません。貧困家庭では子どもも働かなくては生活できないことなどから、小学校を卒業できずにやめてしまう率が18%と高い状況です。ワールド・ビジョンでは、小学校での退学率を下げるための、就学前教育の普及・教師を対象とした教授法や学校運営についての研修などを行い、子どもたちが継続的に質の高い教育を受けられるよう支援しています。
タプラヤADPは、首都のバンコクから東へ約300キロ、カンボジアと国境を接する町アランヤプラテートから車で1時間のところにあります。内陸で雨量が少ないため、農業の生産性が低く、農業以外の生計手段が必要です。ワールド・ビジョンは、このような環境にある子どもたちへの支援として、動画にあるような養鶏のプロジェクトを行っています。これにより子どもたちの栄養状態は改善され、生活に必要な知識・技術の習得もできるようになりました。このプロジェクトは、この小学校のほかの地域にある2つの村で行われています。
首都のプノンペンから南に40km、車で約2 時間の所にボレイ・チュルサール地域はあります。雨期になるとメコン川の増水によって地域の多くが冠水してしまうことが課題となっています。道路も冠水してしまうために学校へのアクセスが限られ、子どもたちの多くが学校を欠席します。教師も休みがちになるため、教育の質の低さが課題になっています。ワールド・ビジョンは、地域開発プログラムを通して、少しずつこうした課題を改善し、子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づくりを目指しています。
バンエン地域は、首都のハノイから北西へ200 キロ、車で約5 時間のところにあります。ベトナム国内でも最も貧しい北部山岳地帯で、住民の多くを占める少数民族が1 日あたり1 米ドル以下の収入で暮らしています。道路が未整備で市街地から遠いため、教材・備品の不足や教師の指導能力の改善など、質の高い教育に向けた改善が困難な状況にあります。ワールド・ビジョンは、地域開発プログラムを通し、こうした課題を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づくりを目指していきます。
この地域は、安定した職業に就けず日雇い労働で暮らす人々が狭い居住区に密集して暮らしています。上下水道などの公共サービスが整備されておらず、衛生環境は劣悪です。住民の間で保健・衛生に関する知識も不足していることから、様々な感染症が発生し、多くの人々が健康を害しています。ワールド・ビジョンでは、地域の人々が衛生習慣を身に付けられるよう、トイレの利用や手洗いなど衛生習慣についての啓発活動を行っています。
フィリピン国内でも貧困度が高いこの地域で、ワールド・ビジョンは2009年から支援を開始しました。2013年11月8日にフィリピン中部を襲った台風30号(ハイヤン)は、サマールADPにも大きな被害をもたらしました。支援地域内の学校は11月に再開されましたが、校舎が損壊/倒壊し、トタンで作った急ごしらえの小屋で授業を再開している学校もあります。ADPでは、学用品や教材、学校備品などを支給しました。支援地域からは、「支援のおかげで、台風の後も子どもたちが勉強を続けることができて感謝しています」といった声が届いています。
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モンゴルの首都ウランバートル北部に位置するハイラアスト地域には、地方から移住してきた貧しい世帯が多く住んでいます。都市部のためモノや情報へのアクセスが容易な反面、それらが原因の犯罪も絶えません。貧困や教育環境の未整備が子どもの学力にも影響しており、支援地域の子どもたちの読解力は国の平均に比べて低く、教育の質の改善も課題です。
ワールド・ビジョンは、教員を対象とした教授法の研修や保護者を対象とした教育の重要性についての啓発活動を行っています。幼稚園や学校に通えない子どもたちへは、この誕生日会のような教育機会の提供を行って支援をしています。
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「ライフ・スキル・トレーニング」は、チャイルドとその地域に住む12~18歳の子どもたちが集まってきて、週一回行われています。これは、子どもたちが自分で正しい判断ができるようになり、意思決定ができるようになることなどを目的としています。また、この劇のテーマともなっていた早婚の問題や、健康、子どもの権利、HIV/エイズなど、地域にある問題をさまざまなアクティビティを通して学ぶ機会ともなっています。
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インドシナ半島中央部に位置し、ミャンマー、マレーシア、カンボジア、ラオスと国境を接するタイ。
タプラヤADPの支援地域で祖母と暮らすサオワレーちゃん(13歳)は、日本に住むチャイルド・スポンサーのTさんのことを父親のように思っています。
両親はサオワレーちゃんが幼い時に別れて、出ていってしまいました。それ以来、残されたサオワレーちゃんの面倒をみてきたのが、祖母のトンさんでした。トンさんは、農業と焼き鳥販売で生計を立てていますが、一人で孫を育てるのは決して楽ではありませんでした。
自分の幸せな将来を願ってくれるおばあちゃんに感謝しつつも、サオワレーちゃんは両親がいないことを寂しく思っていました。
3年前にワールド・ビジョンの「チャイルド」として登録されたサオワレーちゃんは、チャイルド・スポンサーのTさんと出会うことができました。Tさんからの温かい手紙と支援に励まされ、サオワレーちゃんは学校で一生懸命勉強し、教師になるという夢を叶えたいと思っています。
Tさんは、はるばる日本からタイのタプラヤ地域までサオワレーちゃんに会いにきてくれました(※)。その時の写真と、これまでTさんが自分宛てに送ってくれた手紙を、サオワレーちゃんは宝物のように大切にしています。
※チャイルドに会いに行く場合は、現地と調整をするため、訪問希望日の2カ月前までにご連絡をいただくようお願いしています。詳しくはこちら
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1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」は、すべての子どもが持つ「生きる」「育つ」「守られる」「参加する」権利を保障しています。こうした権利があることを学ぶことは、子どもたちが自分の考えを相手に伝えるコミュニケーション力を身に付け、人身取引や児童労働等のトラブルに巻き込まれるのを回避する重要な意味があります。
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インドシナ半島に位置し、中国、ラオス、カンボジアと国境を接するベトナム。
ムオンチャADPの支援地域で暮らすタオちゃん(11歳)は、少数民族であるモン族の農家の次女として生まれました。タオちゃんの両親は山間の耕作地で農業を営み、何とか生計を立てていました。
以前この地域では、貧しい家庭の子どもや女の子は学校に行かず、家事や畑仕事を手伝って成長することが一般的でした。 タオちゃんの家でも、父親は読み書きができますが、母親はできません。
6年前にチャイルド・スポンサーシップによる支援が始まり、タオちゃんの両親は畜産訓練を受けて養豚を始めることができました。現在は雌ブタ3頭を飼育し、生まれる子豚を売って年に500万ドン(234米ドル)を得ることができています。豚を売ったお金で35羽のアヒルを購入し、飼育を始めました。タオちゃんも野菜の収穫や水洗い、家畜のえさやりなどを手伝っています。
「以前は将来の暮らしや子どもの教育のことが常に不安でした。娘たちが毎日学校に行く姿を見るととても嬉しいです。二人のために収入が役立っていると思うと、働き甲斐があります」
「男の子も女の子も、みな可能性を持っています。子どもたちが教育を受け、夢を実現し、人の役に立つ人間になることを願っています。子どもたちの未来のために支援の手を差し伸べてくださっている皆さまに、心から感謝しています」
タオちゃんの両親は、笑顔でこう話してくれました。
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2013年11月にフィリピン中部を襲った台風30号(ハイヤン)では、日本の皆さまにご支援いただいているレイテADPでも大きな被害が出ました。チャイルド・スポンサーシップを通して2009年から活動を行っていたレイテ地域では、2014~2015年を台風からの復旧期間と位置づけ長期支援活動を展開、子どもたちを対象にした防災トレーニングも実施しました。
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インド洋の真珠とも言われる緑豊かな熱帯の島、スリランカ。
リディマリヤッダADPの支援地域で暮らすミランタ君(10歳)。以前は天候不順が続くと作物が取れず、十分に食べることもままならない状態でした。
2年前、ミランタ君の両親がワールド・ビジョンが実施する農業技術研修に参加するようになってから、生活に変化が生まれました。牛やひよこ、種や苗木の支援を受け、研修で学んだ知識を実践することによって、牛乳や収穫した作物を売って収入が得られるようになったのです。
今では作物の販売で毎月約38米ドル、牛乳の販売で毎月約60米ドルの収入を得ることができるようになりました。
「お金を貯める事もできるようになりました。建設中の家ももうすぐ完成です」
と、父親のコインマニケさんは嬉しそうに話してくれました。
ミランタ君の両親は、支援活動で実施された研修によって子どもの健康に関する知識も得ました。ミランタ君の母親は、こう語ります。
「子どもたちは以前よく病気になり、頻繁に医者へ連れて行かなければなりませんでした。栄養不足だったのだと思います。今は家庭菜園で農薬を使っていない新鮮な野菜が採れます。子どもたちは以前より元気になりました」
「作物に水をあげるのが好きなんだ。牛にえさをやったり、鶏が産んだ卵をとりにいくのもぼくの仕事」と、ミランダ君も誇らしげな笑顔を見せてくれました。
ミランタ君の家族の生活は目に見えて改善し、家族の夢と希望は広がっています。
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動画に出てくる縄跳びは、支援によって子どもたちに配布されました。このほかにも、子どもたちは通学バックを支援によって受け取っています。学校に通い、友だちと遊ぶ。日本では当たり前に思えることかもしれませんが、栄養不良や親の理解不足で学校に通うことができない子どもが多かったこの地域に、支援が少しずつ変化を起こしています。
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南アジアに位置し、インド、ミャンマーと国境を接するバングラデシュ。
ビルゴンジADPの支援地域で暮らすアフサナちゃん(8歳)。小学校3年生です。
2年生のときに学年で2番の成績を修めたほど優秀なアフサナちゃんですが、実は彼女の父親は以前「女の子を学校に行かせるのは無駄だ」と考えていました。
アフサナちゃんには3人の兄弟がいます。母親は息子だけでなく娘にも教育を受けさせたいと考えていましたが、父親はアフサナちゃんを幼稚園にさえ通わせませんでした。不安定な日雇い労働で家族を養い、日々の食事にさえ苦労していたからです。
そんな父親の意識が変わり始めたのは、2012年にワールド・ビジョンの活動に興味を持ち始めてからでした。ワールド・ビジョンに子どもが「チャイルド」として登録されると、その家族も色々な支援が受けられるらしいと知ったのです。
アフサナちゃんが「チャイルド」として登録されてから、アフサナちゃんと家族は保健・教育・生計向上などの支援を受けられるようになりました。ワールド・ビジョンが主催する保護者向けのプログラムに参加を重ねた結果、アフサナちゃんの父親も子どもが教育を受ける重要性を理解し、娘を幼稚園に入れる決断をしました。
「私は学校が大好きです。勉強は楽しいです」と笑顔で話すアフサナちゃん。
将来は学校の先生になりたいという夢を持っています。
両親はそんなアフサナちゃんの夢を叶えることができるように、以前よりも注意深く家計を管理し、子どもたちの教育費を貯蓄するようになりました。
バングラデシュでの支援活動について、詳しくはこちら
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就学前教育センターは、数のかぞえかたを学ぶ歌をうたったり、お昼寝のまくらを自分たちで準備したり・・・と、子どもたちが小学校に入る前の段階で「学ぶ基礎」をつくる場となっています。
チャイルド・スポンサーシップの支援では、「教育プロジェクト」の一貫として就学前教育センターの設置を推進しています。地域に住む3歳から5歳までの子どもたちが就学前教育センターに通う割合は、2013年度の32%から2014年度は42.7%まで増加しました。これは全国平均の22.9%や、ワールド・ビジョン・ミャンマーが目標と掲げる30%を大きく上回る値です。
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「子どもクラブ」には、学校や年齢の異なる子どもたちが支援地域のあちこちから集まっています。食事の前に手を洗うことの大切さを学んだり、読み書きを練習したりすることもあれば、この動画のように「みんなで一緒に遊ぶ」ことを通して、相手を思いやることなど、コミュニケーション力を高める機会にもなっています。
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東南アジアに位置する内陸国ラオス。
パランサイADPの支援地域で暮らすラムトンちゃん(10歳)の両親は、伝統的な農法で農業を営んできましたが、3人の子どもたちに年間を通じて十分な食料を与えるのが難しいほどの貧しい暮らしをしていました。
「収穫した野菜を市場で売るなど、考えたこともなかった」と父親のコンカムさん。
支援活動を通して栽培条件を整えて生産効率を上げる方法を学び、乾期にも育つ作物の種子の提供を受け、年間を通じて食料を得られるようになりました。また、温室用資材、給排水ポンプ、配管、水タンクの支援も受け、中華野菜やブロッコリー、タマネギ、ナスなど、市場で売れる作物も栽培できるようになりました。
栽培を始めて3カ月で、コンカムさんは野菜を売って約200万キープ(約245ドル)を得ることができました。有機野菜は特に人気があり、時間がなくて市場に売りに行かれない時も、お客さんの方から畑まで買いに来てくれると言います。
野菜を売ったお金で、コンカムさんはラムトンちゃんたち3人の子どもに、通学用の自転車や学用品を買うことができ、また万一の医療費への備えとして貯金も始めました。
毎日畑で水やりを手伝っているラムトンちゃん。笑顔でこう話してくれました。
「将来は高校を卒業して学校の先生になりたい」
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内陸ユーラシアと呼ばれる地域に位置し、ロシア、中国と国境を接するモンゴル。
ハイラアストADPの支援地域で暮らすイヘロド君とイジロド君は、発明家を目指す9年生(14歳)の双子です。
技術者だった父親から設計や溶接の技術を教わり、身の回りの材料で様々な機械を作っています。今は除雪と石炭運び、そして水汲みができミニ・トラクターを制作中です。住まいのゲルは、冬には-30℃以下まで室温が下がることもあるため、石炭を運んでストーブで部屋を温めるのは大切な仕事です。
父親のオルギルさんは高血糖と高血圧の持病に加え、心臓発作に襲われました。今はワールド・ビジョンから血圧測定器の提供を受け、自宅で療養しています。
イヘドロ君とイジロド君は、学校に通うかたわら、病気で寝たきりの父親の世話をしています。オルギルさんは、息子たちに良い教育を受けさせ、発明家になる夢を叶えてほしいと願っています。その期待に応えようと、2人はワールド・ビジョンの支援でできたインターネット・センターや図書館に通い、積極的に勉強しています。
オルギルさんは、いつか2人の息子と一緒に小型飛行機を作りたいという夢を持っています。遠隔操作をして羊の放牧に使うための飛行機です。
「お父さんが元気になったら、一緒に飛行機を作りたい!」
と、イヘロド君とイジロド君も語ってくれました。未来の発明家は、夢をふくらませています。
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約18,000の島々からなる世界最大の島嶼(とうしょ)国家、インドネシア。
トウナADPの支援地域の支援地域で暮らすファジャルディン君(16歳)。高校に通いながら両親のトウモロコシ畑を手伝う、ごく普通の若者ですが、ADPの「子どもクラブ」が実施したリーダーシップ・トレーニングに参加し、活動を始めてから大きく変わったと言います。
ファジャルディン君は仲間と話し合い、村を良くしていくための若者対象の集会を開くことにしました。計画を実現するためには、役所から許可を得、必要な費用を寄付してくれるパートナーを探さなければなりません。ワールド・ビジョンの スタッフは、アドバイスはしてくれましたが、実際の活動はファジャルディン君たちに任されました。
ファジャルディン君はうまく話せるか不安ではあったものの、仲間とともに役所へ行って計画の説明をし、企業を回って寄付集めをしました。
「ある外資系企業に寄付のお願いに行ったときのことは忘れられません。英語しか話せない財務担当者のところに通され、とても困りました。幸い社員の方が通訳してくれ、20万ルピー(約18米ドル)の寄付をいただけました。これからは英語をもっと頑張ろうと心の中で誓いました」と語るファジャルディン君。
「活動を始めたばかりの頃は、ワールド・ビジョンのスタッフがなぜ僕たちに様々な提案や計画作りを促し、役所との交渉や寄付集めを僕たちだけでするよう言うのか分かりませんでした。 でも、次第に僕たちをリーダーとして育てようとしているのだと気づきました」と彼は言います。
今では、年長者にも耳を傾けてもらえるような存在となり、村を大きく変えていきたいと考えています。
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約12億人(世界第2位)の人口をもつ南アジア最大の国インド。
プドゥコッタイADPの支援地域で暮らすマリアンマさんは、「女性は父親の許可なく外出してはいけない、質問をしてはいけない、問題に対して行動をとってはいけない」といった戒めを受けて育ったため、「以前はただ外が怖くて、自信がありませんでした」と言います。そんなマリアンマさんは、2年前からADPの活動に参加するようになりました。最初は活動に参加する女性はいませんでしたが、ADPのスタッフが村の人々とゆっくりと関係を構築し、女性たちに家を出て村での活動に参加するよう促していきました。
マリアンマさんの2番目の子ども、マヘシュワリちゃん(7歳)は低体重でしたが、ADPのチャイルドとして登録され、栄養プロジェクトで90日間栄養価の高い食事の提供を受けました。同時に、マリアンマさんも安価で手に入りやすい材料で栄養価の高い食事を作る方法を学びました。また、低体重児のいる10家庭には乳牛が提供されました。
「毎日7リットルの牛乳が手に入るようになりました。1リットルを子どもたちのためにとっておき、残りは売って家計の足しにしています」とマリアンマさんは喜んでいます。 マリマンマさんは、ADPの自助グループの一員でもあります。自助グループは10 ~15人の女性の集まりで、共同で貯金し、2カ月に一度、必要とする女性がお金を借りることができるシステムです。マリマンマさんは、自助グループからお金を借りて、泥作りからレンガ造りの家へと建て替えることができました。
マリマンマさんは、ADPの活動に参加してから、自信を持って自ら行動するようになりました。村に井戸が必要であることを訴えるため、自助グループの女性の署名を集め、嘆願書を作って村の政治家やメディアに働きかけ、努力の末に村に井戸ができました。また、子どもを学校に通わせていない両親のところに行って理由を聞くなど、ほかの家族の変化を促す働きもしています。自信がなく家にこもっていた一人の女性の変化が、村にさらなる変化をもたらしつつあります。
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チャイルド・スポンサーの皆さまに年に1度お届けしているチャイルドの写真つき「成長報告」を楽しみに待ってくださっている方も多いと思います。チャイルドにとっても、「成長報告」を準備することによって1年の成長を振り返り、自分のことを応援くださっているチャイルド・スポンサーに感謝を伝えることができる特別な機会となっています。
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東南アジアに位置する内陸国ラオス。
パクサンADPの支援地域で暮らすポウイ君(11歳)は小学校に通っていますが、以前は村から小学校までの道路が整備されていなかったため、雨期には通学がとても大変でした。
通学路には、泥やぬかるみによって歩くのが大変な場所や、渡るのが難しい材木の橋があり、激しい雨の日には川の流れが強く、学校に行けなかったと言います。
「学校に行くには、川を歩いて渡らなければなりませんでした。水に濡れて泥で汚れてしまって、時にはヒルにかまれることもありました」
このような通学路を改善するため、ワールド・ビジョンの支援によって、村から学校までの道路と小さなダムが建設されました。道路が整備されたことで、ポウイ君は自転車で通学できるようになり、村の人々はダムからの水で家庭菜園を始めることができました。
ポウイ君は元気に学校に通い、休み時間には友だちとサッカーをして楽しんでいます。
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東南アジアに位置する島国で、約7,100 の島からなるフィリピン。
サマールADPの支援地域で暮らすイウォちゃん(15歳)。以前は雨漏りのする隙間だらけの家に住み、お腹が空いて勉強に集中できないこともあったと言います。貧しく困難な生活の中で、希望を持って生きるのは難しい状況でした。
3年前にワールド・ビジョン(WV)のチャイルドとなったイウォちゃんは、子ども議会、子どもの権利について学ぶ集会、衛生改善運動など様々な活動に参加し、リーダーとして活動の運営にも関わるようになりました。
自分に自信が持てるようになり、学校の成績も良くなったと言います。支援を受ける前の苦しい生活を思い出すと今でも思わず涙が出ますが、どんな困難があっても前を向いて努力することができるようになりました。
イウォちゃんの家族は、2013年11月にフィリピンを襲った台風30号(ハイヤン)の被害(※)により、さらなる困難に見舞われました。家は壊れて瓦礫と化し、ありあわせの資材で父親が建てた小屋に住んでいます。しかし、内側から強くなったイウォちゃんは、このような状況でも希望を持っています。
台風30号の被害に対する緊急・復興支援活動について、詳しくはこちら
台風30号から2年 160万人以上に支援を届けました。動画はこちら
「WVは地域の人々の家屋の再建を支援してくれています。私たちは必ず再び立ち上がれると信じています」と語るイウォちゃん。
すべての子どもが質の高い教育を受けられるような地域にしていくために、自分もできることをしたい、と夢をふくらませています。
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カルマカンダADPの「子どもフォーラム」でリーダーをしているトンモイ君(15歳)は、集まった子どもたちに成長報告がいかにチャイルド・スポンサーの方にとって大切かを説明しています。このように準備をした成長報告が、チャイルド・スポンサーの皆さまのお手元に届いています。後半に登場するショボ君(13歳)による詩の朗読、ルンパちゃん(14歳)が迫真の演技でみんなを大笑いさせている様子にもご注目ください!
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