(2015.11.20) ※2017.11.16更新
「子どもの日」といえば、日本では5月5日。しかし世界に目を向けると、11月20日にも「世界子どもの日」という記念日があります。この二つはどう違うのでしょうか?
1954年12月14日、国連総会は、「子どもたちの世界的な友愛と相互理解の日、また世界の子どもたちの福祉を増進させる活動の日」として、すべての加盟国に「世界子どもの日」を制定するよう勧告し、具体的な日付は各国の決定に委ねました。
日本では、男の子の成長を祝う「端午の節句」として古くから親しまれ、また1948年に「こどもの日」として祝日に定められていた5月5日の「子どもの日」をこれに当てました。
一方、国際社会では、「児童権利宣言」と「子どもの権利条約」が国連で採択された11月20日が「世界子どもの日」として記念されています。「児童権利宣言」は子どもが差別されないことや教育を受ける権利を持つこと等をうたい、1959年11月20日に国連で採択されました。
この内容より踏み込んで、「宣言という意思表明にとどまらず実際に効力のある形に」との機運が高まって1989年11月20日に採択されたのが「子どもの権利条約」で、締約国は順守の義務を負っています。
1989年の誕生以降、「子どもの権利条約」は、国際的に子どもを大切な存在と位置付けることに成功し、たくさんの子どもたちの命と成長を守ることに大きく貢献してきました。2015年10月現在、196の国と地域が「子どもの権利条約」を締結しており、人権条約としては歴史上最も多くの参加を得ています。
すべての子どもたちは、大人と同じように権利を持っています。「子どもの権利条約」は、「生きる権利(病気や怪我の際には治療を受けられる等)」「育つ権利(教育を受けたり遊んだりできる等)」「守られる(虐待や搾取をされない等)」「参加する(自由に意見を表明する等)」の4つの権利を定めています。
これらの権利を守ることは大人の責任と義務でもあり、世界各国は、子どもの権利を守るため自らの行動について目標を掲げともに進んできました。たとえば、次のような点で子どもたちの状況が改善されています。
しかし一方で、物理的、社会的に手をさしのべることが難しい環境にある子どもたちが、相変わらず取り残されていることが指摘されています。
今もなお、
ワールド・ビジョンは、チャイルド・スポンサーシップや政府・国際機関からの助成金を通じた開発援助、紛争や災害時の緊急人道支援、政府や市民社会に働きかけるアドボカシーの三つの柱を軸に、もっとも弱い立場にある子どもたちの権利が守られるように活動しています。今後も、「'何もかも'はできなくとも、誰かに'何か'はきっとできる」の精神のもと、多くの方々と協力しながら活動を進めます。