2011年3月のシリア危機勃発以降、紛争が続くシリア。度重なる空爆で街は荒廃し、約1,300万人が国内で、または近隣国への避難民となりました。
「世界最大の人道危機」ともいわれるこの事態は、特に子どもたちに深刻な影響を与えています。街や学校が破壊され、避難先からは通える教育施設がない、収入が乏しく教育に回す余裕がない等の理由で、シリア国内では推計245万人の子どもが学校に通えていません(2020年時点)。
支援地域であるシリア北部には、国内で家を追われた避難民約290万人を含む約460万人が暮らしています。これまでの空爆で多くの教育施設が破壊されたため、比較的損傷の少ない学校に生徒が集中しています。近隣に学校がないため、安全上のリスクを負い、家計に負担をかけながら遠距離の学校に通っている子どもも少なくありません。
紛争によって破壊された5校の校舎の修復・増設、トイレの整備を行い、学習に不可欠な机・椅子等の家具、学校備品を提供することで、劣悪で危険な環境で学んでいる子どもたちの教育環境を大幅に改善しました。あわせて、衛生用品も提供し、学校内における新型コロナウイルス感染症等の拡大の予防対策も実施しました。
ディナちゃん(仮名、11歳)
ディナちゃんは家族とともにシリアの農村部に暮らしていましたが、2020年、武装グループに追い立てられ、食糧と安全な場所を求めてさまよい、一年後、やっとの思いでシリア北西部の避難民キャンプにたどり着きました。
避難前、通っていた学校が爆撃され、多くの子どもが犠牲となり、ディナちゃん自身も負傷しました。この記憶がトラウマとなり、彼女にとって学校に通うことは恐怖となっていました。しかし北西部に避難後、お父さんに励まされ、再び学校に通えるようになりました。
「学校に通うことは、より良い未来への入り口」と語るディナちゃん。将来エンジニアになることを夢見ながら、プロジェクトで修復した校舎で勉強を続けています。
「完了報告書を読んで、校舎が新しくなって子どもたちやご両親や先生たちが喜んでおられる様子を知り、とても嬉しいです。今回の支援を通して、丁寧に何度も報告してくださったからこそ、シリア北西部で生活されている方々のことを身近に感じることができています」
「シリアの美しい青空のもと、子どもたちが健やかに過ごせますようにと願います」
「私にも"何か"ができることは、よろこびです。世界が一日でも早く平和になりますように」
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