アジアは、経済的、社会的に大きく成長している中、7億人以上の人々が貧困下に暮らしていると言われています。アジア全体で、急激な人口増加や経済発展にともなうスラムの拡大や、都市部と農村部の経済格差が問題となっており、スラムの過密で不衛生な環境は子どもの健康に大きく影響しています。一方で14歳未満人口の割合は減少しており、教育や保健分野の支援は「量」より「質」の向上が重要であると指摘されています。またアジアは洪水、台風、地震などの自然災害の多発地域であることから、防災が大きな課題の一つとなっています。
特に少数民族や移民が社会的に弱い立場に置かれており、一例として、ベンガル系ムスリム人のロヒンギャ族約40万人が、難民としてミャンマーからバングラデシュに流入しています。近年増加している難民や移民の子どもたちは、人身取引、児童労働、搾取、権利侵害などの暴力の危険にさらされています。ワールド・ビジョンは、アジアの最も貧しく弱い立場にいる人々が直面する問題と向き合い、60 年以上に渡りこの地域で地域開発プログラムを実施しています。