アフリカでは、約40%の人々が1日1.9ドル未満の収入で暮らしており、そのような貧困層の人口は1990年から2013年にかけて約1億人も増加しました(出典:世界銀行 2017)。また、特に若年層(15-24才)の高い失業率が問題視されています。
サハラ砂漠より南の地域では、妊産婦死亡率や5歳未満児の死亡率がいまだに高いことが課題となっています。妊産婦死亡率を例にあげると、出生10万のうち500を超えており、これはSDGs(持続可能な開発目標)の目標数値となっている出生10万のうち70に対して大きなへだたりがあり、住民、政府、国際社会によるさらなる取り組みが求められています(日本では、出生10万のうち3.1)(出典:WHO 2015/厚生労働省 2017)。また、医療施設の整備、出産や子どもの保健・栄養に関する研修実施の必要性が指摘されています。
教育の分野では、各国政府やSDGsを通じた国際社会の取り組みにより、就学率が短い期間のうちに劇的に改善したことが近年の成果として挙げられます。しかし一方では、急激な児童生徒数の増加によって一つの教室や教員一人あたりの児童・生徒数が増え、教育の質に深刻な影響が出ています。
資源をめぐる紛争や、政治勢力間の対立などによって、多くの人が生まれ育った土地を追われ、見知らぬ土地で新たな生活を始めることを余儀なくされています。現在、世界には2,250万人の難民が存在すると推定され、そのうちアフリカでは、560万人の難民と難民申請者がいると言われています。アフリカにおける難民の主な出身国は、南スーダン(143万人)、ソマリア(101万人)、スーダン(65万人)、コンゴ民主共和国(53万人)、中央アフリカ共和国(49万人)などで、教育や保健サービスの提供をはじめ、難民や国内避難民にどのように対応するかが、現地社会にとっての大きな課題となっています(出典:UNHCR 2016/2017)。
気候変動の影響による農業への影響も主要な課題の1つです。アフリカでは、半数以上の家庭が農業に従事して生計を立てていますが、近年長引くことが多くなった乾期や、しばしば発生する干ばつが、農業の生産性に深刻な影響を与え、家計の収入が脅かされています。このような状況によって、子どもたちの教育や保健・栄養のために使うことができる財的資源は制限されやすく、さらに子どもたちが児童労働にさらされる可能性も高くなっています。