(2018.09.28)
地域では、建て替えや修理の必要な古い校舎の小学校が多く、授業に必要な教材、備品、机、イスが整備されていない学校が多くありました。また暗記学習中心のため、学習能力や就学率などに影響を与えていました。
支援期間を通じて合計8校の幼稚園が新しく建設され、幼稚園の日中保育に通う子どもの割合は63%(2005年)から95.9%(2014年)に向上しました。
支援地域の学校の教職員に対し研修を行い、生徒自らが積極的に物事を考え、話し合う参加型学習は、地域内全ての学校で導入され、子どもの読み書き計算能力が向上しました。
5歳未満の子どもの42.6%が栄養不良で、保護者の栄養や衛生に関する知識が不足していました。これらの課題に対し、村落保健員の能力強化を行い、知識を得た村落保健員が、各村の小グループで保健衛生や栄養に関する啓発活動を行いました。
グループでは、乳幼児の母親が身近な食材を使って栄養ある食事を作る方法を学び、子どもの体重測定や栄養状態を確認します。そのほかにも妊娠中・産前産後のケア母乳育児の促進など子どもの健康に関する研修を行い、対象地域内の栄養不良の子どもの割合が大きく改善しました。
バンエン地域で生まれ育ったクックさんは子どもの頃、受けた支援で忘れられない出来事があります。
「小学校の通学路は、でこぼこで、雨が降ると泥だらけでぬかるみになり、学校に通えない日もありました。支援により道が舗装された時、子どもも村の人たちもとても喜びました。雨でも学校を休まなくてよくなり、通学の困難さを理由に退学する子もいなくなりました」
また、今の自分があるのは、スポンサーの方との交流で励まされたからと話します。
「スポンサーの方は、将来の希望や夢を持つよう励ましてくれました。私はとても心を動かされ、自分の夢を追い求めることを心がけるようになりました。おかげで、今では教師になるため大学で勉強ができています。
教師になったら、以前の私のような貧しい子どもたちが、夢を持ち続けることの大切さを教えたいです」
教育大学の英語学科で学ぶクックさん(19歳)
「スポンサーの方は、将来の希望や夢を持つよう励ましてくれました。将来は、貧しい子どもたちが夢を持ち続けることの大切さを教えたいです」