(2017.06.06)
ワールド・ビジョン・ジャパンがチャイルド・スポンサーシップを通して支援を届けている21カ国、46 の地域の中から、今回はベトナムの2カ所の支援地域(ムオンチャ、トアンザオ)をご紹介します。
【課題】多くの女性が、自宅で出産
モン族、ターイ族などの少数民族が多く住むムオンチャ地域では、医療施設や医療従事者の不足や文化的な背景から、60% 以上の女性が助産師の介助なしに自宅で出産します。このため、母子ともに産後のケアを十分に受けられないことや、子どもの健康や栄養に関する親の知識不足などが課題となっています。
【支援】大事な知識を楽しく伝える「保健クラブ」
少数民族の言葉を話す村落保健員や村落出産介助者が、同じ少数民族の若い女性や母親向けに「保健クラブ」を実施しています。村落出産介助者は、ワールド・ビジョンの支援により助産の研修を受けて出産介助者として働くかたわら、同じ地域出身の女性たちに妊娠、出産、子育て、栄養、病気についてなど、子どもたちが元気に育つために不可欠な知識を伝えています。歌やゲームなどを活用し、初めての人でも参加しやすいような、楽しい雰囲気作りをしています。また、絵を使って説明することで、教育を受けていない親も参加できるよう工夫がされています。
【課題】言語の壁により、中退する子どもが後絶たず
支援地域のあるムオンチャ郡とトアンザオ郡は、中国、ラオスと国境を接する山岳地帯に位置しています。ここには、モン族やターイ族などの少数民族が多く暮らし、独自の言葉、衣装、習慣を持っています。
チャイルド・スポンサーを歓迎してくれたチャイルドと地域の子どもたち。特に女の子は、民族衣装を着ていました。赤やピンク、黄色、黒、紫など、鮮やかな色の生地に施された美しい刺繍と、動くと衣装の飾りが揺れるデザインが特徴です。これらの民族衣装は、お祝いなど特別な時に着ます。日本の着物のようですね。
地域の女性たちは、黒く長い髪を頭の高い位置で束ね、お団子型に結っていました。カラフルな衣装にとても似合い、髪飾りをつけておしゃれを楽しんでいる人もいました。結婚をしている女性は、このように高い位置にお団子を結うのが習慣だそうです!
2017 年3 月11 日(土)~ 3 月18 日(土)に実施された、チャイルド・スポンサーの「地球あちこちベトナムを知る旅」(支援地訪問ツアー)で、19 人のチャイルド・スポンサーがムオンチャ・トアンザオ地域開発支援(ADP)を訪問した際には、皆さまから以下のような感想が寄せられました!
支援地域ではベトナム語が通じなかったため、日本語(私)→ 英語(WVJ スタッフ)→ ベトナム語(WVベトナムスタッフ)→ 現地語(ADPスタッフ)への通訳が必要でした。大変!
トイレ建設と啓発の支援を見て、トイレの中に適度な大きさの窓があることは、月の光を入れるために大事だと知りました。
地域の女の子の結婚年齢が平均14 歳と聞いてびっくり!若年結婚/出産については知っていましたが、目の前の生々しい事実に強い衝撃を受けました。
教育支援の読書クラブで、幼い子どもたちが本の内容を丸暗記したり、絵を描いたりする方法は良い事です。ベトナム語を楽しく勉強するために続けてほしいです。