(2015.05.09)
首都カトマンズをはじめネパール各地に甚大な被害をもたらした大地震の発生から、5月9日で2週間が経過します。全壊した建物が約28万戸、半壊が約24万戸と報告されており、被災者の多くは今も屋外で不自由な生活を強いられています。特に、山がちな地形に点在する村には支援の手が届きにくく、遠隔地への支援が急務となっています。
ヒマラヤ山脈に囲まれた標高1,700メートルの高地にあるゴーダ村も、支援が届きにくい村の一つ。
美しかった村は地震で瓦礫の山と化し、村人たちは間に合わせのテントで夜を明かしています。
「物音がするたび、子どもたちは、私のところに駆け寄ってしがみつくのです」と話すのは、2人の子どもを持つクマリさん(25歳)。ワールド・ビジョンは、ぬかるんだ道にタイヤを取られながら数時間かけてゴーダ村に物資を輸送。30kgの米、5kgの豆、塩や油等をセットにし、クマリさん一家を含む100世帯に1セットずつ届けました。
「おじさんはどこに行ったの?学校が始まったら、誰が宿題を助けてくれるの?」
毎日一緒にいたおじさんを亡くしたサリマちゃん(7歳)は、お母さんにこう尋ね続けたといいます。「私はサリマにかける言葉がありませんでした。でも今、娘は状況を理解していると思います。チャイルド・フレンドリー・スペースで他の子どもたちと遊ぶと、悲しい気持ちが紛れるようです」とお母さんは話します。
サリマちゃんのように、地震で心に傷を負った子どもたちは大勢います。ワールド・ビジョンは、これまでに、子どもたちが安全で自由に遊べる場所「チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)」を各地の避難所に10カ所設置。子どもたちのストレスや精神的負担をやわらげる活動を実施しています。
また、ネパール教育省によると、被災地にある668の学校が全壊、819の学校が半壊しており、いまだ学校は閉鎖されたままです。現地では一時的な学習センターの設置が求められている中、ワールド・ビジョンは現在の活動地域に学習センターを設置する準備を進めています。
ワールド・ビジョンは、CFSの他にも、2,019枚のビニールシート、641枚のトタン(屋根材)、600枚の毛布、411世帯に食料を届ける等の活動を実施。これまでに、17,360人に支援を届けています。
今後も、より多くの人に支援を届けられるよう、緊急人道支援募金へのご協力をお願いいたします。ワールド・ビジョン・ジャパン親善大使 ジュディ・オングさんからのメッセージをぜひご覧ください。