2008.11.21
ワールド・ビジョンは、11月25日から28日にブラジルのリオデジャネイロで開催される「第3回子どもと青少年の性的搾取に反対する世界会議」(WCIII)に参加します。この会議は、子どもの性的搾取の根絶に向けて開催されるもので、およそ130カ国から3,000人以上の各国政府、NGO、若者、子どもたち、企業代表者が参加します。
アジア、アフリカ、ラテンアメリカを代表するワールド・ビジョンスタッフ6名は、各地域の子どもたち合計18名とともに会議に参加し、子どもたちを商業目的の性的搾取や人身売買から守るために意見表明を行います。
この国際会議は、子どもたちの性的搾取に対する国際的取組みとして、もっとも重要なものの一つです。「性的搾取への対策は、子どもたちを中心に行われる必要があります。性的搾取の予防と訴追を目指し、子どもたちを保護し、さらなる対策が求められる新しい形の性的搾取の形を見つける上で、子どもたちと若者が、そうした取組みの中心にいなければなりません」と、ワールド・ビジョンの政策スタッフ、ルティ・ホフマン・ハンチェットは述べています。
1996年に「第1回の子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」が開催されて以降、子どもの性的虐待と搾取に対する国際的関心は高まり、様々な対策が行われてきました。しかし今日もなお、性的虐待と搾取は、世界中の数百万の子どもたちにとって痛ましい現実であり続けています。さらに、新しい技術の登場や社会・人間関係のあり方の変容が、むしろ状況の悪化を招いていることを、多くの証拠が物語っています。
このような状況において、この度開催される「第3回子どもと若者の性的搾取に反対する世界会議」は、今日の世界を生きる子どもたちを守るために、私たちが取組みを強化し、また、新しくしていくために、非常な重要な機会なのです。
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左写真:タイの子どもたちは、彼らの地域で子どもたちが直面している性的搾取被害の様子を絵に描きました。絵の中には、ホテルの側にいる3人の人物が描かれており、それぞれの言葉がタイ語で書かれています。外国人旅行者が、「ふぅむ、おいしそう。」、母親が「やったわ!これでお金を稼げるわ。」、子どもは、「いやだ。誰か助けて。」と言っています
"Kids understand how other kids hurt"
「子どもにこそ、子どもの痛みがわかるのです」
2007年から2008年にかけて、ワールド・ビジョンは世界中で、子どもと若者の性的虐待と性的搾取に取り組むプロジェクトに関わった、400人を超す子ども・若者から話を聴きました。10歳から21歳のアフリカ、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカの子ども・若者が、自分たちの地域社会において、性的虐待の問題にどう向き合ってきたのか、また、このような虐待をなくすための取組みにどのように関わってきたのかを、話してくれました。住む地域も年齢も様々な彼らが共有していたのは、性的虐待と性的搾取から子どもと若者―自分たち自身―を守りたい、という強い思いでした。
Kids understand how other kids hurt" (英文)を読む
「子どもにこそ、子どもの痛みがわかるのです」(日本語訳)を読む
ワールド・ビジョンは世界の全ての地域において、子どもたちの性的搾取と闘うため、様々な事業を実施するとともに、政策的働きかけを行っています。ワールド・ビジョンの活動は、子どもたちを性的搾取から守ることから、犠牲となった子どもたちの回復を助けることにまで及びます。
この政策提言書「子どもたちこそ、取組みの中心」は、ワールド・ビジョンの現場での経験や、最近の調査、世界中の子どもたちが参加したグループ討議で得られた意見をもとに、まとめられています。提言書では、子どもの性的虐待や性的搾取に対する取組みを、子ども中心に進めるにあたっての課題を整理し、その課題を克服するために5つの提言をあげています。
1.子どもたちの健やかな成長が取組みの原点に子どもの権利の確立に貢献するものであること
2.子どもたちが、家族や子どもたちの住む地域社会に、一員として位置づけられていること
3.子どもたちが、社会を構成する一員であり、変革の担い手として位置づけられていること
4.子どもたちが、全人格的な存在としてとらえられていること
5.子どもたち、家族、地域社会がエンパワー(強化)されていること
6.国際連合「子どもの権利条約」に準拠するものであること
今回ワールド・ビジョンが発表した政策提言書は、ワールド・ビジョンが子どもの性的搾取の問題に関して発表した最近の調査報告書の内容も参照しています。
その中から2点をご紹介します。
●「まるで私の体を見ているみたい」(2006年5月)
ポルノグラフィーが農村に住む子どもたちに与える影響を調査したWVカンボジアのレポートです。
●「セックスと太陽と文化遺産」(2006年6月)
東南アジアおける観光業と人身売買・子どもの性的搾取の問題と、その対策の"ベスト・プラクティス"を報告しているワールド・ビジョンと国連の共同レポートです。
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"何もかも"はできなくとも、"何か"はきっとできる
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