【報告】2016年世界栄養報告セミナー

(2017.05.16)

"「約束」から「インパクトをもたらす行動へ」"


2017年4月17日、"2016年世界栄養報告(2016 Global Nutrition Report)「約束」から「インパクトをもたらす行動へ」" の日本語版出版を記念して、ワールド・ビジョン・ジャパン、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、日本リザルツ、栄養不良対策行動ネットワーク、国際母子栄養改善議員連盟の5団体共催により、セミナーを開催しました。

国際母子栄養改善議員連盟、会長の山東昭子参議院議員からの開会挨拶に続いて、世界栄養報告 独立専門家委員会 共同議長 エモン・ウドンケスマリー氏より、2016年報告の概要説明がありました。

その中で、栄養SDGs(持続可能な開発目標)の17目標中、飢餓、貧困教育ジェンダー、健康的な生活等、12の目標に関連していることが再確認されました。

また、目標達成にあたっては、各国の栄養計画におけるSMART(具体的、計測可能、達成可能、適切、期限が明確な)目標設定やコミットメントが重要であることが強調され、企業の力を得ていく必要性も示されました。


衆議院議員会館内のセミナー会場の様子。国会議員、NGO関係者をはじめ、外務省や国際機関、企業担当者や学識者など、総勢220名が集まりました

続いて、セーブ・ザ・チルドレンUK 栄養政策アドボカシー・アドバイザー シルビア・ザボー氏からSDGsの目標2:「飢餓をゼロに」の達成に向けた課題、セネガル首相府国家栄養不良対策コーディネーター/SUNムーブメント 執行委員会 共同議長 アブドラエ・カー氏からはセネガルの栄養状況についての共有がありました。
さらに、株式会社タニタヘルスリンク ヒューマンサービス企画部 部長 瀧口知子氏より日本企業としての取り組みが紹介されました。

国際母子栄養改善議員連盟会長の山東昭子参議院議員

栄養改善に対する日本政府の意欲


パネルディスカッションに参加した 森 美樹夫 外務省 国際協力局審議官は、次のように述べ、栄養改善に対する日本政府としての意欲を表明しました。

「人間の安全保障を重視する日本にとって、栄養はその達成のためにきわめて重要であり、これまで、学校給食や栄養教育等を通じて世界に誇れる取り組みの実績を築いてきたと自負しています。

イノベーションや技術の力がある民間企業、市民/コミュニティと近いNGO、さらに、栄養支援に力を入れている国際機関といった各パートナーの強みを活かしながら、マルチセクトラルな形で支援をスピード感を持って実施していけるよう、日本政府としてコミットしていく方向です。

また、すでに立ち上げられたJICAの「食と栄養のアフリカイニシアティブ(IFNA)」を通じて、今後モデル国10カ国を中心に栄養改善に取り組んでまいります。」

最後に、ワールド・ビジョン・ジャパン常務執行役員の片山より「本日のセミナーのように多様な関係者が一堂に会する機会こそ、栄養問題解決への一歩として非常に意義深いものです」と閉会の挨拶を述べました。

国会議員、外務省、援助機関、企業、学識者、NGO関係者等、合計約220人の参加があり、マルチセクターでの高い関心を感じさせるセミナーとなりました。









ワールド・ビジョン・ジャパン常務執行役員の片山による閉会挨拶。栄養問題の解決のため、多様なアクターによる協働を呼びかけました