(2025.03.21)
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、国内支援活動の一環として、多文化共生について学ぶ勉強会を企画・実施しています。事務所が立地する中野区近隣で子ども支援に取り組む方々と共に多文化共生のあり方について考え、すべての子どもが豊かに育つ地域社会づくりを目指しています。
2025年2月18日に実施した第3回勉強会では、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)の村松清玄さんと、ネパール出身のメハタ カル シンさんを講師に迎えました。
村松清玄さんは、2021年から豊島区で実施している外国人への包括支援事業「としまる」について報告くださいました。「としまる」ではフードパントリーや相談会を通じて、支援を必要とする外国人との接点を持ち、困りごと相談に対応しています。そこではSVAがいわば触媒となり、外国にルーツをもつコーディネーター/法律事務所/社会福祉協議会/行政/地域の支援団体等が連携し、それぞれの専門性をつなげ、補い合う形で活動しています。こうした連携によって生活支援や法的支援など包括的なサポートが可能になり、地域の支援力が最大化されていることがよくわかりました。
連携において重要な役割を果たしているのが、外国にルーツをもつコーディネーターの方々です。「としまる」では外国にルーツを持つ3名のコーディネーターが活躍しています。そのお一人であるメハタ カル シンさんは、当初は主に通訳として活動に加わりましたが、今では豊島区に多く住むネパール出身の住民コミュニティのネットワークを構築するなど、コーディネーターとして幅広く活躍するとともに、当事者の視点から活動にインプットし、支援の効果を高めることに貢献しています。
メハタ カル シンさんは、コーディネーターとして活動する中で「同じ国籍同士でも知らなかった厳しい状況が多くあることに気づかされた」と話されました。また、ご自身がネパール人の子どもの言語発達について研究しておられることから、日本に住むネパール出身の子どもたちの多くが、母語も日本語も十分に習得できていない現状を共有してくださいました。様々なルーツを持つ子どもたちへの教え方や接し方について、教員対象の研修が必要ではないかとの指摘には、会場の多くの参加者が頷いていました。
当日のアンケートより、参加者の感想の一部を紹介します。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、多様な背景をもつすべての子どもが、豊かに育つことのできる地域社会を目指し、今後も取り組みを進めてまいります。
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
支援事業第2部国内支援・アドボカシー課 高橋・志澤
E-mail: kodomo@worldvision.or.jp
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