WVJ国内子ども支援事業:DV・虐待被害者等の宿泊型支援等(民間シェルター等)への支援事業を実施しています

(2024.11.14)

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(以下WVJ)は、子ども支援の国際NGOとして、世界の子どもの豊かな成長に向けて日々活動しています。2021年より、長引くコロナ禍で急増したDV・虐待等被害の状況を憂慮し、特に脆弱な環境にある子どもに支援を届ける観点から、DV・虐待被害者等の宿泊型支援等(民間シェルター等)に対する活動資金の助成を開始しました。その後、「WVJ国内子ども支援事業」として、日本社会における恒常的な子どもの権利の実現のため、引き続き、DV・虐待被害者等の宿泊型支援など(民間シェルター等)に対する活動資金の助成を実施しています。

なお、2022年度までの本助成金の募集は、東京・神奈川・千葉・埼玉で行われる活動に限定していましたが、2023年度募集からは対象を全国(日本国内)に拡大し、現在は全国から申請を受けた団体のうち11団体への助成を実施しています。

助成先のご紹介(団体名五十音順)

l 認定NPO法人いくの学園(大阪府大阪市)https://ikunogakuen.org/

l 特定非営利活動法人 オカヤマビューティサミット (岡山県岡山市)  http://okayamabs.org 

l 特定非営利活動法人 オフィス・マハロ (愛知県小牧市)  https://npo-office-mahalo.com/
l 特定非営利活動法人 女のスペース・おん (北海道札幌市)  http://www.onnano-space-on.or.jp

l 認定特定非営利活動法人 こどもの里 (大阪府大阪市)  https://www.eonet.ne.jp/~kodomonosato/

l 認定NPO法人 CPAO (大阪府大阪市)  https://cpao0524.org

l 認定NPO法人 女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ (兵庫県)  https://wn-kobe.or.jp  

l 一般社団法人 女性と子どものエンパワメント研究所 (福岡県久留米市)

l 特定非営利活動法人 女性ネットSaya-Saya (東京都)  http://saya-saya.net/

l 特定非営利活動法人 DV対策センター (神奈川県横浜市)  http://dvtaisaku.jp

l 一般社団法人 白鳥の森 (徳島県徳島市)  https://swanforest.or.jp

助成対象事業と助成金使途について


現地訪問/オンラインでのモニタリングを通して、現在助成している上記11団体に、助成対象事業の運営状況や助成金をどのように役立てていただいているかを聞きました。

本助成の対象事業は、DV・虐待被害者等の宿泊型支援、または宿泊型支援実施団体による関連活動(例:食や学習や居住等の生活を支える活動、啓発、相談、同行支援、情報提供、自立支援、回復支援、外国籍女性や若年女性に対する支援、子どもや親子の心のケア、ステップハウス、支援者養成の研修会、これらのための人件費、施設の固定費等)です。

本助成の使途の割合(11団体のまとめ)は、以下のとおりです。

全体の約5割を占める「その他管理費」は主にシェルター物件の賃借料/修繕費、水道光熱費で構成されていて、続く約3割を占める「直接支援費」にはシェルターの家具、家電、機材などの備品の購入費用が多く含まれています。これらに約2割を占める「人件費」を追加すると全体の98%を超える割合となっています。

上記の予算はDV・虐待被害者等の宿泊型支援を提供する場とそれを運営するスタッフの確保に必要不可欠な予算となっており、本助成金を直接的に支援に役立てていただけたことを示す一方で、支援対象者が必要とする時に速やかに支援を提供することが求められているDV・虐待被害者等の宿泊型支援事業のまさに要となる部分の予算が十分に確保されていない実態を示すものでもあります。

支援の現場から

シェルターのー室(イメージ)


実際に各団体を運営されているご担当者の方々からお聞かせいただいた声の一部を紹介します。

  • 他の助成金は家賃に使うことができないので、本助成金で家賃を賄うことで、他の助成金を消耗品の購入など直接支援費に回すことができている
  • 家賃や水道光熱費に充てられる助成金は少ないのでとてもありがたい。
  • 2024年4月~本助成金を活用し新たにシェルターを借り、運用開始した直後に、多子世帯の受け入れにつながった。この物件がなければお断りするしかなかった。
  • (深夜・早朝の送迎支援について)これまではボランティアで行っていたが、本助成金で交通費を出せるようになり、スタッフの負担を軽減し安定的に実施することができるようになった。
  • 本助成金があったおかげで会計専門知識のある人材を雇うことができた。
  • 他にも、お金があれば遊びに連れて行くなど、利用者一人ひとりにしてあげたいことは数多い。
  • 自団体を含め、NPOスタッフや支援者の高齢化で身動きが取れなくなっている団体も少なくないと感じている。
  • 次世代のスタッフを育成したいが、慢性的な人手不足と財政難を抱えており、生活できるだけの給料を支払うことができず、常にどこの助成金に応募しようか、どこか応募できるところはないかと探している。
  • 様々な支援や活動に対する理解を求めるために活動や課題について広報を強化する必要性を感じてはいるが、事業内容上特に配慮が必要なプライバシー保護の観点とのジレンマが常にある。
  • DV被害者の就労支援を早く充実させるべきと考え、地域に自立支援センターを設立するための取り組みも進めている。
  • DVや虐待の被害者は本来助けてあげる・守ってあげるなどという対象ではなく、その人らしく生きるための制度を速やかに利用するべき権利の主体であるということが社会全体に認識されるよう活動していきたい。


今回の取り組みを踏まえ、今後もWVJ国内子ども支援事業:DV・虐待被害者等の宿泊型支援等(民間シェルター等)への支援事業を実施する予定です。詳細が決まりましたら、WVJのホームページでご案内します。

引き続き皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

お問い合わせ

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
支援事業第2部国内支援・アドボカシー課 高橋・山下・眞田
E-mail: kodomo@worldvision.or.jp
TEL: 03-5334-5357

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