学校に通えるようになったバングラデシュのロニ君

2012.05.17

以前は、いつもおなかが空いていました

「ぼくの宝物です」と、チャイルド・スポンサーからもらった誕生日カードを嬉しそうに見せるロニ君

チャイルド・スポンサーシップによる支援を受けるまで、バングラデシュのフルバリア地域に住むロニ君(7歳)の母親は、物乞いをしてロニ君とラジブ君の2人の子どもを育てていました。

母親は近所の人々に食料をくれるよう頼んでまわりましたが、いつもおなかが空いていました。ワールド・ビジョンのスタッフがロニ君の家にやってきてから、すべてが変わりました。
母親は、チャイルド・スポンサーシップの支援により職業訓練を受け、お金を稼げるようになりました。ご飯もきちんと食べられます。病気の時は病院にも行けます。

そしてロニ君も通学用のカバンや教材などをもらい小学校に行きはじめました。子どもたちの集まりでは、教育や衛生が重要であることを学びます。
母親は前向きに生きるようになりました。ヤギを飼い、貯金もしています。ロニ君と母親の夢は、ロニ君が一生懸命勉強を続け、社会に出て、立派な職業につくことです。

「チャイルド・スポンサーがぼくたちの生活を変えてくれました。
ぼくは遠くから応援してくれるスポンサーのためにも、本当にがんばります」
と、ロニ君は話してくれました。


バングラデシュの活動報告はこちら

最も貧しい人々に向けた支援活動を進めています

フルバリア地域のチャイルドと今西スタッフ
フルバリア地域のチャイルドと今西スタッフ

フルバリア地域では、最も貧しい人々を対象に、たとえば、洪水防止のための堤防を作る土盛りをする日雇い労働に日当を支払い、同時にそのお金をグループや個人で少しずつ貯金することを勧めてきました。たまった貯金で畑を借り、共同で育てた作物を売って収入を得られるようになったグループが出始めています。

フルバリア地域を4月に訪問した今西スタッフは、「ウルトラ・プアー」と呼ばれる貧しい人の中でも、最も貧しい人々を対象にした支援活動について次のように語ります。

「最も貧しい人々に向けてさまざまな支援活動が進められています。まだ十分とはいえませんが、少しずつ支援の成果が現れてきています。引き続き、まだ厳しい生活に追いやられている人をより多く支援していきたいと思います」

この地域では、まだ多くの課題を抱えています。

・乏しい教育環境と機会
プログラム地域の識字率は約39%と低く、小学生の未就学率は女子では約16%、男子では約33%にもなります。
教育に関する意識が低く、6歳から10歳までに約18%が学校を辞めてしまいます。

収入向上のため、よい品種のパインナップルの栽培するようす
収入向上のため、よい品種のパインナップルの栽培するようす

・劣悪な保健・衛生状態
安全な飲み水を確保できる手押し式井戸の普及率は約16%しかありません。また、衛生的なトイレの普及も約40%にとどまっています。子どもたちの栄養不良も深刻です。

・低い所得と食料確保
プログラム実施前の調査では、70%以上の家庭が貧困に苦しんでいました。半数以上の人が自分の土地を持っておらず、小作農や日雇い労働で暮らしています。必要な食料を確保できない家庭も少なくありません。

・種々の社会問題と住民組織育成
女性差別、少女の早期婚姻、児童労働、家庭内暴力なども、プログラムを通して取り組む必要のある大きな社会問題です。こうした問題に取り組むために、地域・村の住民組織の強化が必要です。

地域には、その他さまざまな課題が山積しています。
チャイルド・スポンサーシップによる地域開発プログラムを通し、こうした課題を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づくりを目指していきます。

あなたも子どもたちに希望を届けてくださいませんか


ワールド・ビジョン・ジャパンでは、チャイルド・スポンサーを募集しています。
世界の子どもたちの夢を支える活動に、ぜひ、ご協力をお願いします!

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