株式会社サンブロスご支援によるバングラデシュでの職業訓練が修了し、修了式を開催しました!

(2024.06.06)

訓練を修了し電動ミシンの提供を受けた22人の修了生
訓練を修了し電動ミシンの提供を受けた22人の修了生

2024年5月16日(木)、バングラデシュ南ダッカ市にある小学校にて、株式会社サンブロス(アパレルメーカー、本社:名古屋市)のご支援により実施した、縫製の職業訓練の修了式を開催しました。

バングラデシュの首都ダッカ南部に位置する支援地域では、スラムに暮らし、家計を支えるために働いている子どもたちがいます。子どもたちを危険な労働から身を守り、安全な環境で成長することができるように、ワールド・ビジョンでは、株式会社サンブロスの支援を通し、子どもの保護と経済的自立を目的としたプロジェクトを実施しています。

縫製の職業訓練の修了式には、修了生、教師、保護者、コミュニティ関係者、株式会社サンブロス関係者、ワールド・ビジョン・ジャパンとワールド・ビジョン・バングラデシュからスタッフが参加しました。行政区から来賓をお迎えし、修了生含め約200名が修了のお祝いをしました。

式典会場の小学校で歓迎の踊り
式典会場の小学校で歓迎の踊り
花冠とスカーフを受け取る修了生
花冠とスカーフを受け取る修了生
修了証書を受け取る修了生
修了証書を受け取る修了生

夢をあきらめずに前進してください

式典に出席した株式会社サンブロスの代表小林久敏様は「私は日本で洋服に関連するSunbrosという会社を経営しています。"Sun"は太陽を象徴し、世界を照らすような会社を目指しています。本事業のスローガンである『Spin the Thread of Dream(糸で紡ぐ夢)』は、夢を紡ぐことから始まる成功への第一歩を表しています。皆さんが作り上げた洋服がいつか、日本でも愛される日を楽しみにしています。どうか夢をあきらめずに前進してください。皆さんの夢は私たちの夢でもあります。1本の糸から夢を紡ぎ、ともに素晴らしい未来を築いていきましょう」と述べました。

「夢をあきらめないでほしい」とスピーチする小林様
「夢をあきらめないでほしい」とスピーチする小林様

子どもたちに起きた前向きな変化

修了にあたり、区議会議員のチョードリー氏は「この行政区には、より良い生活を送ることができない弱い立場の子どもたちがたくさんいます。以前は工場で働いて生活していましたが、労働よりもはるかに安い賃金で働いていた子どもたちもいます。プロジェクトを通して縫製訓練を受けた後、子どもたちは自立する方法を学び、家族に寄り添うことを学びました。自分たちで生活費を稼ぐことができるようになり、子どもたちにこのような変化が見られることをとてもうれしく思います。地域の子どもたちの幸福のためにご支援くださり心より感謝を申し上げます」と謝辞を述べました。

プロジェクトは、都市部コミュニティの中で子どもたちが安全に働くことのできるように、行政やコミュニティ団体等と協力して実施しています。

縫製の職業訓練を実施することで新たな知識とスキルを身につけ、より安全な仕事に就職することができます。ライフスキル教育では、人間関係や問題解決、共感など、テーマごとに生徒同士で学びを深めます(ピアエデュケーション)。学校に復学したり、人前で自信をもって話すことができるようになったなどの前向きな変化につながっています。

縫製訓練中にベビー服の練習をする様子
縫製訓練中にベビー服の練習をする様子

裁縫訓練に参加したサビハちゃん

式典のあと、以前縫製訓練に参加した修了生の現在の様子を視察することができました。

現在16歳のサビハちゃんは、2022年に本プロジェクトが提供する3カ月の縫製訓練に参加しました。ベビー服、パンツ、ブラウス、ワンピースなどの作り方を学び、修了後にミシンを受け取りました。

父親は日雇い労働で、もともと生活が苦しかったところ、コロナ禍でさらに状況が厳しくなったため、サビハちゃんは学校をやめなければなりませんでした。そのような中で習得した縫製のスキルを活かし、現在は近所から注文を受け、自宅で仕事をしています。父親がドレスの注文を受け、サビハちゃんと2人で洋服作りに専念することで、収入を増やすことができるようになりました。

サビハちゃんは「縫製訓練を受けてから1年で、仕事を軌道にのせ、もとは1部屋だった住まいから、現在は2部屋の広いところに引っ越すことができました。家族が大変な時期を乗り越えることができ、支援に心から感謝しています。将来は、同じように貧困にある子どもたちへ縫製技術を伝える仕事をしたいです」と感謝と変化を語りました。

サビハちゃんから感謝カードを受け取る小林様
サビハちゃんから感謝カードを受け取る小林様

都市部には、家族の生活のため、危険な労働に関わらざるを得ない子どもたちがまだ多くいます。職業訓練やライフスキル教育を得て、より安全で安心できる仕事と生活ができるよう、引き続き事業に取り組んでまいります。