モンゴル、バヤン・ウルギー地域が支援卒業を迎えました

(2022.10.7)

チャイルド・スポンサーシップを通して2006年から16年間ご支援いただいてきたモンゴル、バヤン・ウルギー地域は、当初の計画を達成し、2022年9月末日をもってプログラム終了を迎えました。

皆さまのご支援により、地域が変わり、子どもたちが「豊かないのち」を生きられるようになりました。
心からの感謝とともに、地域での活動をご報告いたします。

教育:学習環境を改善し、学びの質の充実へ

バヤン・ウルギー地域は厳しい寒冷地であるにもかかわらず、学校内の暖房設備が十分に整っていないなど、学習環境に大きな問題がありました。また幼稚園への就園率が低いことも課題でした。こうした状況を改善するため、支援を通じて学校・幼稚園の施設の改修や備品の供与などを行い、教員の能力強化のための研修も実施しました。

その結果、障がいを持つ子どもたちを含む地域の子どもたちの学習環境や学びの質が向上し、幼稚園の就園率は支援開始時から1.8倍に増加しています。また、遊牧民の子どもたちが学期中に生活する寮の修繕、子どもクラブの活動の支援などの取り組みを通じて、子どもたちが安全な環境のもとでさまざまな活動に参加し、幅広い学びと、成長の機会を得ることができるようになりました。

学校の設備が整えられ、学びの環境が改善しました
学校の設備が整えられ、学びの環境が改善しました

生計向上:災害への備えと、安定した収入を得るための基盤づくりを支援しました

地域住民の多くは牧畜業や農業、小規模ビジネスなどで生計をたてていますが、「ゾド」と呼ばれるモンゴル特有の寒雪害(豪雪や氷点下40 度以下の極寒が続く現象)や、洪水など自然災害の影響もあり、失業率や貧困率が高い状態でした。

そこで、さまざまな職業訓練とその運営・会計管理に関する研修を行い、収入向上の手段を得られるよう支援しました。また貯蓄グループを通じて計画的な家計管理を実践することで、多くの住民が子どもの将来のために貯金ができるようになりました。また、行政と連携して災害リスクを低減するための研修を実施し、収入や生活基盤を脅かす災害への対策と備えを多くの住民が学びました。

支援地域から感謝の動画メッセージが届いています!

支援を受けたチャイルドの声

幼いころは内気で、田舎に住んでいる自分は、都会に住んでいる子どもたちよりも劣っている、と感じていたチンギスさん。2009 年にワールド・ビジョンのチャイルド・スポンサーシップに出会い、支援を受けながらさまざまな研修に参加すると、どんどん自信が持てるようになりました。「小学生のときに伝統的な楽器を習ったことがきっかけで、学校のあらゆる芸術活動に参加するようになりました。高校では、子ども向けの研修に参加しましたし、カザフスタンの大学に留学もできました。大学生の科学会議に参加して1位を獲得したこともあるんですよ」

現在チンギスさんは、首都ウランバートルにある学校のオンライン授業を受けながら、食料品や日用品を扱う小さなお店を営んでいます。さらに地域の子どもたちのために役に立ちたいと、青少年クラブに所属し、地元の行政組織と協力して清掃を行ったり、スポーツ大会を開催したりするなど、さまざまな活動に意欲的に取り組んでいます。

「私には将来のビジョンと目標があり、それらを達成することができると確信しています。こうして希望を持てるようになったのは、スポンサーの皆さまの温かいご支援があったからです。心から感謝しています。本当にありがとうございました」

チンギスさん(23 歳)「音楽をきっかけに、たくさんの研修に参加。自分に自信を持つことができるようになりました」

チンギスさん(23 歳)「音楽をきっかけに、たくさんの研修に参加。自分に自信を持つことができるようになりました」