(2018.4.11)
ワールド・ビジョン・ジャパンは、チャイルド・スポンサーを対象に、チャイルドを訪問し支援地を視察する支援地訪問ツアーを、年に2~3回ご案内しています。 2018年3月に、カンボジアの3カ所の支援地域を訪問しました。
日程①:トモ・プオ地域開発プログラム
3 月11 日(日)~3月15 日(木) 7名のチャイルド・スポンサーが参加
日程②:ボレイ・チュルサール/ポニャー・ルウ地域開発プログラム
3月15 日(木)~3月21日(水) 18名のチャイルド・スポンサーが参加
それぞれの支援地域の訪問の様子をご報告します。
チャイルドとの対面に加えて、水衛生、教育などの課題に対する取組みを視察しました。チャイルド・スポンサーシップの支援が、地域の人々の生活に変化をもたらしていること実感できました。
現地事務所に到着すると、チャイルドと家族が出迎えてくれました。一緒にお昼ご飯を食べ、写真を撮ったり、縄跳びやサッカーボール、シャボン玉などで遊んだり、楽しいひと時を過ごしました。
チャイルド・スポンサーの皆さまが工夫して選んでくださったプレゼントを受け取ったチャイルドは、はにかみながらも嬉しそうでした。初めは緊張の面持ちのチャイルドでしたが、一緒に過ごすうちに少しずつ打ち解けて笑顔になりました。
校舎や先生不足などの課題がある小学校では、授業を午前と午後の2部制に分けて行っています。そのため、子どもたちは学校に行っていない時間に子どもクラブに集まり、英語や生活スキルなどを学んでいます。
子どもクラブでの勉強が楽しく、自信につながり、今はクラブのリーダーになっている女の子の話を聞くことができました。また、子どもたちが踊りで歓迎してくれました。最後に、子どもたちと一緒に伝統的なゲームで遊びました。
「英語の勉強が楽しい!学校の成績も良くなり、勇気をもてるようになり、人前で話せるようになりました」と話してくれた女の子(中央)
子どもたちによる歓迎の踊り。曲の間にはお色直しもありました
リーダーとメンバーのほとんどが女性という農協では、各家庭にきれいな水が届けられるよう、水管理事業を運営しています。支援により浄水設備が建てられ、溜池の雨水を直接使っていた以前と比べ、下痢になる子どもの人数が減りました。また、収益の3%は学用品など地域の子どもたちの教育のために使っています。
女性リーダーが、「私たちの農協同組合の目的は、各家庭と地域の発展、農業ビジネスの安定などです。その結果、地域の子どもが健全に育つと考えています」と話してくれました。
2013年の台風で校舎が大きくダメージを受け、ワールド・ビジョンの支援により再建された小学校を訪問しました。
ワールド・ビジョンは校舎の再建のほか、貯水タンクの設置や教員の研修も支援しました。校長先生が、「教員の質が向上し、子どもたちも幸せそうに通学しています」と話してくれました。
活動体験として、木造校舎の壁のペンキ塗りを行い、学校のスタッフとともに汗を流しました。
● チャイルドの両親や弟(2歳)ともお会いできて良かったです。「"ゆめ"をかなえたいなら勉強して欲しい」とチャイルドに話したら伝わったので、嬉しかったです。言葉が通じないかわりに折紙をして、 駒を作ったときには弟さんもニコッとしてくれて、嬉しかったです。(中略)チャイルドに会えたことで、心が温かくなれたように思いました。
● 実際に自分の目で見て、基本的な状況がよくわかりました。水や学校についてもどういう問題があるのかを知り、とても勉強になりました。また、現地のスタッフの顔を見ることができ大変苦労されていることを知りました。(中略)とても良かったのでまた行きたいと思います。
今回は10歳~80歳まで幅広い年代の方がご参加くださり、チャイルドとの対面、支援を受けた学校や住民組織などの視察を通じて、支援活動に対する理解を深めることができました。
まだ雪の降る地域もある3月の日本を離れ、飛行機で約7時間かけ到着したカンボジアは連日35度以上の猛暑日!過酷な気候、もうもうと土埃の舞うガタガタ道を乗り越え支援地に辿り着くと、チャイルドとご家族が温かく迎えてくれました。
一緒にご飯を食べたり、皆でゲームをしたり、楽しい時間を過ごしました。折り紙やけん玉など、日本の遊びをチャイルドと一緒に楽しむスポンサーの方もいました。
歌と踊りで歓迎してくれたチャイルド
(ボレイ・チュルサール)けん玉で一緒に遊びました
(ポニャー・ルウ)
ボレイ・チュルサール地域では、農家のマオーさん一家を訪ねました。ワールド・ビジョンの支援を受ける前は地域でも特に貧しい家庭でしたが、農業技術の支援を受け収入が2倍以上に増えたとのこと。貯蓄をする余裕ができ、子どもたちの学費を払えるまでになったと嬉しそうに話してくれました。貧しさのため以前学校を中退してしまったマオーさんの子どもも、ワールド・ビジョンの職業訓練を受け、ある有名な日本の企業に就職が決まったとのこと!「農業技術の支援を受け、自分は野菜作りのエキスパートだという自信が持てるようになりました。これから更に収穫を増やし、家族の生活を良くしていきたいと思っています」そう力強く語るマオーさんの言葉が印象的でした。
ワールド・ビジョンが支援する「女性と子どものための委員会」を視察しました。この委員会は、学校の先生、警察官、保健センターの職員、地域の代表らが集まり女性と子どもを守るための情報共有・活動を行っています。
各家庭が抱える問題にいち早く気付くため、1人で100~200世帯をまわる参加者もいました。地域のため熱心に活動する委員会のメンバーの話を聞いたチャイルド・スポンサーからは「日本も地域のために働く方々がいて豊かになった。きっとこの地域の未来は明るいですね」という感想をいただきました。
ワールド・ビジョンは、支援が終了する日に備え、将来支援活動の担い手となる人材・住民組織の育成にも力を入れています。
温かく迎えてくれた委員会のメンバー、多くの女性が活躍しています
最後に、若者が地域のために活動する力をつけられるよう支援する「ユースクラブ」を視察しました。
動画の撮影・編集技術を学び、子どもたちへの啓発活動から、行政機関への訴えかけまで幅広く活動していました。子どもたちが製作した、笑いあり涙ありの啓発動画をみんなで視聴し、クオリティーの高さに拍手をおくりました。
「子どもたちのお手本になりたい」「地元の力になりたい」と活動する若者の熱気に心動かされる時間となりました。
ユースクラブにはチャイルドや元チャイルドも多く参加しており、「自分のチャイルドも将来こんなふうに活躍するのかなと実感できた」と目を細める参加者もいらっしゃいました。