ベトナムは、インドシナ半島に位置し、中国、
ラオス、
カンボジアと国境を接し、宗教は大乗仏教が主流。公用語はベトナム語です。市場経済化が進められる一方、 貧富の差の拡大や環境破壊などの
課題も出てきています。
地域開発プログラム(ADP)を実施しているトアンザオ地域は、首都のハノイから北西へ約570キロの山岳地帯にあり、モン族やターイ族などの少数民族も多く暮らしています。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、チャイルド・スポンサーシップによる支援を通し、若者を対象とした収入向上支援やライフ・スキルプログラムを実施しました。13歳から18歳までの若者25人がヤギ飼育の研修を受け、その結果、
地域の人々が経済力をつけ、生活が大きく改善されてきています。
3人の子どもの父親であるスーさんは、次のように振り返ります。
「3年前から私と妻はヤギを飼いたいと考え始めましたが、買う余裕がありませんでした」
スーさんは続けます。「村の貯蓄グループのメンバーとして、3匹のヤギを買うための貸付を受けることができました。10カ月後、貸付金を返済するため1匹のヤギを売りました。ほかの2匹は子どもを産みました。
子どものために本を買ったり学費を払うなど、お金が必要な時に、今はヤギを売ることができるので助かります。経済力が向上し、現在は教育や医療のために貯金することができています」
トアンザオADPのマネージャー、グエン・ティ・フォン・ジアンからは、次のようなメッセージが届いています。
「今年も継続的な温かいご支援をありがとうございます。ご支援による最大の成果は、栄養不良の子どもの割合が減少したことです。
一方、最大の課題はこの地域の住民の多くがベトナム語を上手に話せないことです。このため、地域住民との意思疎通はモン語を通す必要があり容易ではありませんが、今後も子どもたちにより良い将来をもたらすため、地域の人々とともに活動していきたいと思います」