コンゴで広がる人道危機 子どもたちへの深刻な影響

2012.11.29

心配される子どもたちへの影響

ゴマから10kmのところにあるムグンガ避難民キャンプに身を寄せる子どもたち
ゴマから10kmのところにあるムグンガ避難民キャンプに身を寄せる子どもたち

コンゴ民主共和国では、反政府武装勢力が主要都市ゴマを制圧したことに伴い、人道危機が拡大しています。今回のゴマ制圧により、10万人以上の人々が避難を余儀なくされましたが、ゴマがあるコンゴ東部キヴ地方では、過去の争乱により家を追われた人も含め、約200万人もの人々が国内避難民になっているとみられています。

特に懸念されるのは、子どもたちへの影響です。ワールド・ビジョンはゴマ周辺にいる18歳未満の子どもたち約20万人が大きなリスクにさらされているとみています。ゴマ近郊には危険を避けるために逃れてきた避難民たちが身を寄せ合うキャンプが形成されていますが、混乱の中、保護者からはぐれてしまった子どもたちのことが報告されています。

「このような状況で保護者がついていない子どもたちは、武装勢力によって子ども兵士にされてしまう危険があります」とワールド・ビジョンのドミニク・カイザーは語ります。

元子ども兵士が、再び兵士に戻る危険

避難民キャンプへ安全を求めて逃れてきた人々から話を聞くワールド・ビジョンスタッフ
避難民キャンプへ安全を求めて逃れてきた人々から話を聞くワールド・ビジョンスタッフ

「ワールド・ビジョンはかつて子ども兵士だった子どもたちに対する支援活動を行ってきましたが、今日、その時に一緒だった元子ども兵士が伝えてくれました。"何人かの友達が、戦闘に行くために武器を取れと言われ、受け取っているところを見たよ"と。他の関係者からも、武装した人々が、16~18歳ぐらいの子どもたちを含む一般の人々に武器を配っている姿を目撃した、という報告が入っています。

平和と子どもたちの保護が何よりも最優先されるべきです。現在危機にある子どもたちは、すでに死亡率、教育、危機から立ち直る力、といった点ですでに大きな重荷を背負っています。今回の危機は、それに加えて想像に絶する暴力とトラウマをもたらすことになってしまいます。

コンゴ民主共和国の子どもたちは、もう20年もの間、暴力に満ち、安心できない状況の中で育っています。彼らは、それに対応する力も学んでいます。しかし、安住が許されず、たえず避難に追われている状況は、彼らをさらなる危険に追いやり、本来可能だったはずの健やかな成長の機会を奪っているのです」

子どもたちを救うため、国際社会の力必要です

大きな荷物を背負って避難する女性
大きな荷物を背負って避難する女性

ワールド・ビジョンは、避難民キャンプで食糧支援を行うのと同時に、コンゴ民主共和国政府と地域のリーダー、そして世界の指導者に国際法上の責務を順守するよう訴えています。国連とアフリカ連合による大湖地域特使のはたらきが、状況を改善するために重要なステップになると考えられます。

なお、ワールド・ビジョン・ジャパンがチャイルド・スポンサーシップによって支援を実施しているコンゴ民主共和国のトヨタ、カンボブ両地域のプログラムについての影響は報告されていません。ご支援者の皆さまに紹介させていただいているチャイルドに影響があった場合は、個別に連絡させていただきます。


 トヨタ地域開発プログラム:ZAR-183280
 
 ・支援地域の情報を詳しく見るpdfアイコン
 ・2016年度プログラム近況報告を見るpdfアイコン

 カンボブ地域開発プログラム:ZAR-185919
 
 ・支援地域の情報を詳しく見るpdfアイコン
 ・2016年度プログラム近況報告を見るpdfアイコン