(2024.10.08)
チャイルド・スポンサーシップを通して長きにわたりご支援をいただいてきた以下の5つの地域開発プログラムは、2024年9月末日をもってプログラム終了を迎えました。
● ミャンマー、タバウン地域
● エルサルバドル、ティエラ・ヌエバ地域
● エスワティニ、シェウラ地域
● エチオピア、デラ地域
● ウガンダ、キルヤンガ地域
皆さまのご支援により、地域が変わり、子どもたちが「豊かないのち」を生きられるようになりました。心からの感謝とともに、地域の活動の成果をご報告いたします。
地域の学校は老朽化が進み、子どもたちが安心して学習できる環境ではありませんでした。また、教育に対する関心の低さから、農業の収穫期に学校を休ませたり、経済事情により学校を退学させたりする家庭も多くありました。
ワールド・ビジョンは就学前教育センターや小学校の校舎を建設し、学習環境を整備したほか、学校の長期休みを利用して、家庭の事情で休みがちだった子どもの学習の遅れをサポートしました。また保護者への啓発活動を通じて教育の大切さを継続的に訴えかけた結果、今では保護者の意識が変わり、学校を休んだり退学したりする子どもは減少しています。さらに、保護者や地域の代表者がメンバーを務める教育委員会を結成し、より良い教育のために協力する体制が整いました。
この地域では、治安上の懸念から経済活動が制限され、就業する機会が極めて限られていました。家計を支えるための十分な収入を得られないことから、多くの住民がやむを得ず米国に出稼ぎに行ったり、移住を目指したりするなど、若い世代が将来に希望の持てない状況が続いていました。
チャイルド・スポンサーシップを通じて、若者や青年を対象とした多様な職種に渡る職業訓練(パン作り、養鶏、調理、コーヒー販売、装飾品の製作など)を行い、人々は収入を得るための具体的な能力や技術を身に付けました。治安状況の改善もあって、地域経済の活性化が進むなか、地元で職を得て未来を切り開こうとする若者が増加しています。
教育の重要性や子どもの権利に対する保護者の意識が低く、多くの子どもが学校に通わずに家事や仕事を手伝ったりして過ごしていました。また、家族や親戚からの虐待・暴力を受けるケースも少なくありませんでした。
このような状況を改善するため、住民や保護者、また子どもたち自身にも学校に通うことの必要性を訴え、放課後や週末には、子どもが安心して学習したり、遊んだりすることのできる「子どもクラブ」を定期的に開催しました。警察官を学校に招いて犯罪や薬物、家庭内暴力から身を守るための研修を実施するなど、地域住民が主体的に子どもたちの健やかな成長を促す環境作りが進められるようになりました。
地域には安全な水を得られる水源がなかったため、多くの女性や子どもたちが長い時間をかけて遠くまで水くみに行ったり、川や池から糞尿に汚染された水をくんで使ったりしていました。またトイレや手洗い場の不足、手洗い習慣が十分ではなかったことから、感染症や下痢になる子どもも多くいました。
ワールド・ビジョンは多くの人が家の近くできれいな水を得られるよう、手堀り井戸や浅井戸の建設や修復、水道管の延伸を進めると同時に、水管理委員会を設置して、給水施設を適切に維持管理する体制を整えました。また学校でのトイレの建設、屋外排泄根絶に向けた継続的な啓発活動などの取り組みを行った結果、人々の衛生に対する意識が向上し、行動変容につながっています。
ジェスカさんは、母親と5人のきょうだいとともに暮らしています。「母は私たちを大切に育ててくれましたが、とても貧しく、食事は日に一度、夜におかゆとキャッサバ芋を一切れだけ、ということも珍しくありませんでした」
ジェスカさんは、4歳のときにチャイルド・スポンサーシップの支援を受け、学校と週末の読書クラブに通って14歳で小学校を卒業することができました。明るい未来が待っているかと思われましたが、一家の生活は苦しく、ジェスカさんは中学校への進学を断念せざるを得ませんでした。
「絶望して、人生を諦めていた」というジェスカさんを支えたのは、ワールド・ビジョンのスタッフに勧められて参加した縫製の職業訓練でした。「訓練の様子を見て、これだ!と感じたんです。自分もミシンを使いこなして、素敵な服を作りたいと強く思いました」。その後彼女は職業訓練を修了し、ミシンを手に入れて仕立て屋のビジネスをスタートさせました。
「チャイルド・スポンサーの皆さまが私たちに注いでくれた愛情とご支援に、心から感謝しています」と語るジェスカさん。彼女はいま、地域に縫製を学ぶ学校を開校し、自分と同じように学校に通うことのできない少女たちを、縫製の仕事を通して支援するという大きな夢に向かって歩んでいます。
「縫製の仕事を通じて、自分と同じ境遇の女の子たちを支えたい」と話すジェスカさん(19歳)