(2016.3.28)
■利用者増えてます!井戸とトイレ
支援地域には水道がなく、以前はトイレも普及していませんでした。このため、地域の人々は水汲みのために毎日長距離を歩かなければならず、汚水が原因で発生する下痢等の病気も問題になっていました。
2006年にこの両地域で支援を始めて以来、多くの井戸を作るとともに、野外排泄の問題点を人々に説明し、トイレの設置を支援してきました。この結果、安全な飲み水を得られる住民の割合は約76%(デラ地域)、トイレを利用している人の割合は約91%(ゴンダール・ズリア地域)にまで改善してきています。
トイレの大切さを知り、手作りのトイレを設置する人が増えています。入り口の容器に入った水でトイレの後に手を洗う習慣も、支援の結果普及しました。
■教室は大混雑!
地域の小学校は、経済的事情で入学が遅れたり、学年末テストに合格できず進級できなかったりという理由で、様々な年齢の子どもたちが同じ学年で学ぶことも珍しくありません。
午前・午後の入れ替え制で授業を行っていますが、それでも1 教室あたりの生徒数が多すぎるという問題がありました。このため校舎の増設や机、イスの整備などの支援を行っています。また、教育の質向上のため、教師に対する教授法や教材作成についての研修も行ってきました。
この結果、読み書き計算ができる小学校2~5年生の割合は、約92%(2014年)まで向上しています。
■食事 なにを食べているの?
日本が支援している地域では、主食はインジェラとよばれるクレープ状のパンです。インジェラにおかずをのせたり、または何ものせずにインジェラだけで食べたりします。インジェラの原料は、テフという栄養価の高い穀物です。
◎インジェラの作り方
日本では、材料のテフがなかなか手に入りませんが、そば粉を使ってクレープを作るのと同じように、焼く前によく発酵させると味が似ます。材料をよく混ぜて、室温で数日発酵させてから片面だけを焼いてできあがり。とても簡単です!
材料 テフ1.5 カップ、水2 カップ、ドライイースト(適量)、塩と油を少々
コーヒー豆の生産地として知られているエチオピアでは、日本の茶道のように、コーヒーを入れて客をおもてなしする作法があります。英語では「コーヒーセレモニー」と呼ばれています。
■カレンダーの不思議
エチオピアでは、日本を含め多くの国で使われているグレゴリオ暦とは異なる独自の暦が使われています。エチオピア暦はグレゴリオ暦より7、8年遅れており、月日もずれています。チャイルドからの手紙に、7、8年前の日付が書かれていても驚かないでくださいね。時刻の数え方も異なっており、日本の朝6時を0時として数えます。
■チャイルドの名前の不思議
エチオピア人の名前は、「本人の名前+ 父親の名前」で構成されています。ファミリーネームは存在せず、結婚しても名前は変わりません。支援者の皆さまに、チャイルドの名前を
BENTI, Hunde
とお知らせしている場合「, 」の前の「BENTI」がお父さんの名前、「Hunde」が本人の名前です。