インドネシア
インドネシアでは、210万人以上の新型コロナウイルス感染症の感染と、5万8,024人の死亡が確認されています(2021年6月30日現在)。2021年6月21日現在、3,650万回を超えるワクチン接種が行われています。
政府は非常事態を宣言し、地方の対策本部を設置。移動禁止令を発令し、学校やさまざまな事業が閉鎖、集会も禁止されていました。2020年6月に一部制限が緩和され、学校は交代制で再開したものの、集会、移動、公共活動の制限などの規制が再導入されました。公共の場でマスクの着用が義務付けられており、ソーシャルディスタンスを保つことが強制されています。
ワールド・ビジョンは、120万人に支援を届けることを目指しています。
ワールド・ビジョンでは、食料支援、生計向上、栄養、教育、子どもの保護、水と衛生に重点を置いた活動を行い、人々が感染症から身を守り、二次的影響から回復するのに役立つ中長期的な計画に移行しています。感染予防のメッセージを発信し、家族に衛生キットを配布するなど感染拡大をおさえるよう努めています。
また、最もぜい弱な家庭には食料とクーポン券、家庭での活動パックや教材を配布しました。宗教リーダーにはストレスケアに関する研修を行い、子どもたちとその家族をサポートする環境を整えています。また、地域の大学と連携し、オンラインでのリモート学習の機会を準備し、障がいのある子どもたちのためにもオンライン授業を開発しています。
感染者のいる家庭に保護具を提供したり、医療従事者には患者の治療に関する研修を行ったり、感染が疑われる人が検査を受けられるよう支援しています。ほかの組織とも協力し、子どものための支援が優先されるよう、政府に提言も行っています。
継続的なご支援のおかげで、新型コロナウイルス感染症から子どもたちとその家族を守る活動が行われています。
カンボジア
カンボジアでは、4万9,255人の新型コロナウイルス感染症の感染と575人の死亡が確認されています(2021年6月30日現在)。2021年6月18日の時点で590万回以上のワクチン接種が行われています。
当初政府は学校を閉鎖し、50人以上の集会を禁止、公共交通機関を停止し、隣国のタイやベトナムとの国境を封鎖していましたが、制限が緩和され、2020年12月にすべての学校が再開されました。しかし、感染の拡大を受け、政府は2021年3月に全国すべての教育機関を閉鎖すると発表しました。映画館、美術館、博物館なども一時的に閉鎖されています。感染拡大がみられる地域ではマスクの着用が義務付けられ、夜間外出禁止令が出された地域もあります。ロックダウン対象地域は、 「レッドゾーン」 、 「イエローゾーン」 、 「ダークイエローゾーン」 のいずれかに指定され、各ゾーンに感染拡大予防のための様々な制限が適用されています。
ワールド・ビジョンの活動は、緊急時の対応から、復旧プロセスの支援と元々の活動である長期的な開発活動に移行しつつあります。これまで、地域社会や宗教リーダーを通して予防メッセージを伝えたり、石けんなどの衛生用品の家庭への提供、水源の設置・維持、地域の医療従事者の訓練、マスクや手袋などの個人用保護具を医療従事者に配布するなど、感染拡大防止、保健システムの強化に取り組んできました。
現在は、パンデミックの二次的影響から子どもたちを守ることに集中しています。最も弱い立場にある世帯に食料と現金を提供し、家族の収入を増やすために親が新しいスキルを学ぶことを支援することで、食料の確保と生計強化を目指しています。また、家庭学習教材の提供等、子どもたちが継続して教育を受けられるよう支援しています。政府や他のコミュニティ組織と協力して、子どもの保護に関する活動も強化しています。
継続的なご支援のおかげで、新型コロナウイルス感染症から子どもたちとその家族を守る活動が行われています。
スリランカ
スリランカでは、25万7,225人の新型コロナウイルス感染症の感染と、2,973人の死亡が確認されています(2021年6月30日現在)。2021年6月21日現在、330万回以上のワクチン接種が行われています。
政府は2020年3月に全国的な夜間外出禁止令を課し、地区間の移動を禁止し、必須ではないサービスを閉鎖しました。制限は2020年4月にほぼ解除されましたが、移動制限、マスク着用義務は、症例の増加を受けて2020年10月に再導入されました。今後も感染拡大が見られる地域には、夜間外出禁止令や移動制限が導入される予定です。学校、映画館などは閉鎖され、大人数の集まりも禁止されています。
33の支援地域を対象にした調査では、78%の世帯の生活が新型コロナウイルスによって深刻な影響を受けていることが分かりました。
ワールド・ビジョンでは、感染症のまん延防止に向けて、スリランカ政府と協力して地域社会の啓発活動に取り組んでいます。19万人の子どもたちを含む、55万5,000人に直接的な支援を届け、58万7,000人に情報提供することを目指しています。
感染予防情報の共有や、地域社会と予防情報を共有するための宗教リーダーの訓練、家族への衛生キットの配布、手洗い所や水と衛生施設の建設・維持などにより、ウイルスの拡散を防ぐよう取り組んでいます。地域の保健医療従事者を対象とした研修や、医療施設への個人用保護具・消毒キットの提供など、地域保健機能の強化に取り組んでいます。また、感染症の影響を受けている家族に対し、食料や現金、種苗・農機具、家畜などの生計にかわる資源、子どものための家庭学習教材、子どもの保護に関する情報提供などを行っています。また、子どもたちが国の対応において優先され、保護されることを提唱しています。
継続的なご支援のおかげで、新型コロナウイルス感染症から子どもたちとその家族を守る活動が今現在行われています。
ネパール
ネパールでは、63万6,916人の新型コロナウイルス感染症の感染と、9,071人の死亡が確認されています(2021年6月30日現在)。2021年6月17日現在、323万回を超えるワクチン接種が行われています。
政府は、不要不急の業務を停止させ、学校を閉鎖、集会を禁止し、国内線と国際線、長距離公共交通機関をすべて停止、それに応じて中国とインドとの国境を閉鎖しました。2020年7月中旬には多くの制限が解除されましたが、2020年8月中旬にはカトマンズ渓谷で完全な封鎖が実施されました。その後、制限が緩和され、国境が再開されましたが、カトマンズは2021年4月に再び封鎖され、7月まで延長されています。新型コロナウイルス感染症による国全体への影響は大きく、多くの人々が仕事と収入源を失い、季節的な洪水や地滑りが課題を悪化させています。
ワールド・ビジョンは、今後一年間で7万2,000人へ直接的な支援を、また、5万6,000人に間接的な支援を届けることを目指しています。また、感染症対策を継続する一方、子どもたちの栄養、健康、教育、保護に焦点を当てた活動にも取り組んでいます。テレビやソーシャルメディア、ラジオや動画を通じた予防メッセージを開発・発信し、ウイルスの拡散防止に努めています。
家族向けの衛生キットを提供し、学校や検疫センターに手洗い施設を設置しました。個人用保護具や消毒剤や体温計などの備品の提供、保健所への手洗い設備の設置、隔離・検疫センターへの衛生用品の提供など、地域の保健システムを強化しています。
また、ラジオやテレビでのリモート学習プログラムの放送、子どもの保護サービスの強化、専門組織との協働によるコミュニティへの心理社会的支援サービスの提供、ぜい弱な家庭に栄養補助食品の提供、食料支援、現金引換券、農業関連の道具や資源の提供などを通じて、感染症の影響を受けた子どもたちを支援しています。このほか、政府や他の組織と協力して、国の対応を調整しています。
継続的なご支援のおかげで、新型コロナウイルス感染症から子どもたちとその家族を守る活動が行われています。
ベトナム
ベトナムでは、1万6,507人の新型コロナウイルス感染症の感染と、80人の死亡が確認されています(2021年6月30日現在)。2021年6月17日現在、200万回以上のワクチン接種が行われています。
2020年3月、政府はすべての学校と多くの企業を閉鎖し、移動を制限、感染拡大を防止するために大規模な集会を禁止しました。制限は緩和され始め、学校は2020年4月に再開されましたが、2021年2月に学校は再び閉鎖され、ハノイを含むいくつかの地域で封鎖が再開されました。現在、規制は都市や地域によって異なります。政府は、最近新型コロナウイルスの感染が確認された48の地域で、集団感染を防ぐため、いくつかのコミュニティや施設を隔離しました。ハノイでは、2021年6月22日からレストランやヘアサロンの営業再開が許可されましたが、ホーチミンでは6月20日、不要不急のビジネスやテイクアウトを除くレストランの営業中止が発表されています。
2020年10月の台風による広範囲にわたる洪水により、新型コロナウイルス感染症への対応はより困難になりました。
ワールド・ビジョンでは、20万7,000人の子どもたちを含む61万2,000人に直接的な支援を、110万人に間接的な支援を届けることを目指しています。子どもや保護者に手洗いなどの予防情報を配布、マスクや石けん、消毒剤を家庭に提供、保健センターや学校に貯水槽や手洗い場を設置・維持管理することで、ウイルスの拡散を防ぐよう努めています。体温計、ベッド、毛布、マスクや手袋などの個人用保護具を保健センターに提供することで、地域の保健システムを強化しています。
また、ぜい弱な家庭に米、麺、牛乳のほか、農業訓練や種子、家畜などの物資を提供し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた子どもたちを支援しています。また、政府や全国の子どもの権利に関するワーキンググループと協力し、ソーシャルワーカーや子どもの保護に関する委員会を訓練することにより、地域社会における子どもの保護を強化しています。
継続的なご支援のおかげで、新型コロナウイルス感染症から子どもたちとその家族を守る活動が行われています。
モンゴル
モンゴルでは、11万3,232人の新型コロナウイルス感染症の感染と、548人の死亡が確認されています(2021年6月30日現在)。2021年6月17日現在、359万回を超えるワクチン接種が行われています。
政府は2020年1月、空港での入国制限や地方間の移動制限を行い、学校を閉鎖、子どもたちを公共の場所から遠ざけるようにし、2020年9月まで措置を延長しました。学校は9月に再開されましたが、いくつかの地域で感染が確認されたため、2020年11月に再びロックダウン(都市封鎖)となりました。2021年3月に学校が再開することになり、政府の承認を得た地方間の移動は許可されました。5月22日以降、モンゴルから限定された10カ国程度への渡航は許可されましたが、モンゴルに入国する外国人はワクチン接種を完了していることが必須です。
ワールド・ビジョンは、9万3,000人の子どもと3万8,000人の大人に支援が届き、100万人に情報が届くことを目指しています。漫画やアニメ、手洗いビデオなどで予防メッセージを共有し、感染症の拡大防止に努めています。学校・幼稚園・寄宿舎の消毒の支援、国境検査官や政府の医療従事者に個人用保護用具を提供、学校の衛生施設を改修しました。現金、食料、衣料、衛生用品を提供することで、感染症の影響を受けた家族を支援しています。家庭学習教材の作成や配布、そして、子どもたちが教材を使用できるようにタブレットを提供しています。
また、政府と協力して、感染症の予防と子どもの保護に関するテレビやソーシャルメディアでのキャンペーンを開始し、子どもに対する前向きなしつけ、ストレス管理、子どもとの充実した時間について保護者向け情報シートを制作しました。また、ほかの組織と協力して支援を調整しています。
継続的なご支援のおかげで、新型コロナウイルス感染症から子どもたちとその家族を守る活動が行われています。