シリア難民支援活動報告会を開催しました!

(2019.07.05)


6月28日(金)に、ワールド・ビジョン・ジャパン(以下WVJ)事務所にて「シリア難民支援活動報告会」を開催し、75名の皆さまに足を運んでいただきました。報告会ではヨルダン駐在の渡邊スタッフからワールド・ビジョンが実施するシリア難民への教育支援の実施報告を行ったのに加え、当事業の評価を行ってくださった上智大学の小松太郎教授より事業の解説をしていただきました。
事業の評価を行ってくださった上智大学の小松太郎教授

教育支援の思わぬ波及効果

WVJは2014年から、シリア難民が多いヨルダン北部の都市イルビドとザルカで、勉強についていけない子どもたちのための補習授業と、ストレス解消や両国籍の子どもの交流を目指したレクリエーション活動を行っています。
リンクヨルダンにおけるシリア難民支援事業の今

渡邊スタッフは事業の成果として、子どもたちの成績の上昇に加えて「意識面」に現れた変化と、それらが周囲の人に及ぼした影響について話しました。

「補習授業と合わせて行うレクリエーション活動によって、シリア人とヨルダン人の子ども同士が仲良くなりました。それをきっかけに、親同士にも交流が生まれたんです。補習授業に参加した子どものほうが、「ほかの国籍の子どもと友達になりたい」と回答する割合が多く、また実際に遊んでいることもわかりました」

ヨルダンの学校では、シリア人に対する差別やいじめ等が問題の一つになっていますが、ワールド・ビジョンの支援によって実施されていた補習授業が、単なる勉強の場としてだけではなく、こうした問題の解決にも繋がり得る交流の場として機能していたことがわかったのです。

ヨルダン駐在から一時帰国した渡邊スタッフ
ヨルダン駐在から一時帰国した渡邊スタッフ

教育支援事業の重要性

小松教授からは、国際社会がシリア情勢に対して以前よりも楽観的な目線を向けていることについて、「シリア危機がひと段落して、もはや緊急支援期じゃないと思われているのかもしれないけれど、シリア国内は疲弊しているし、シリアにはまだ戻れないという人もたくさんいる。隣国で生き延びるしかない人たちへの支援はまだまだ必要」と、現場とのギャップをお話しいただきました。

また、併せて「この先、子どもたちがシリアに戻れば、彼ら/彼女らが国の復興を担う人材になる。その人たちが教育を受けていないとなれば、復興にネガティブな影響があることは明らか。今、隣国にいるシリアの子どもたちが教育を続けていくことは非常に大事なこと」と教育支援事業の重要性についてもお話頂きました。

上智大学の小松教授に事業の解説をしていただきました
小松教授に事業の解説をしていただきました

参加者の声(アンケートより抜粋)

その後、ご参加いただいた皆さまとワールド・ビジョンのスタッフで交流の時間を持ち、会は盛況のうちに終了しました。

参加者の皆さまからお寄せいただいた声の一部をご紹介します。

「難民支援の多岐に渡る活動を知ることができた」

「緊急下の教育の具体的な事例がきけてよかった」

「教育が果たす役割が理解できました」

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!

交流タイムの様子
交流タイムの様子
スパイシーな紅茶をお楽しみいただきました
どの写真・コピーが印象に残りますか?
テーブルごとにお話する時間を持ちました

難民支援募金にご協力ください

シリアや南スーダン等、紛争の影響で教育の空白期間がある子どもたちが大勢います。学校に通えずにいると、安全に過ごせる場所がなく、児童労働や虐待等のリスクが高まります。WVJ では、子どもたちが安全な環境で学びを取り戻せるよう、校舎建設だけでなく、補習授業の教員育成、教育についての啓発活動など多面的な支援をしています。紛争から避難する子どもたちが、武器ではなく知恵を得るために、募金にご協力ください。
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Take Back Future は、教育を通じて、紛争や貧困により移動を強いられる子どもたちに対する暴力を撤廃し、暴力が繰り返されない未来を築くことを目指してWVJ が展開するキャンペーンです。

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