(2017.11.10)
11月2日(木)の夜、東京都渋谷区にある東京ウィメンズプラザ ホールにて、「ワールド・ビジョン(以下、WV)カフェ・スペシャル in東京」を開催しました。平日の夜にも関わらず、116人の方がご参加くださいました。
スペシャルゲストとして、ワールド・ビジョン・ジャパンの親善大使・女優の酒井美紀さんをお迎えし、今年1月にフィリピンの支援地域を訪問された際に感じられたことや、フィリピンで出会った子どもたちへの思いをお話しいただきました。また、カンボジアのボレイ・チュルサール地域開発プログラム(以下、ADP)のマネージャー、レイ・シネットスタッフより、WVの支援を受けていた子どもの頃の経験や、支援地域の課題や活動についてお話しました。
2005年からチャイルド・スポンサーとして支援を続けてくださっている酒井さん。支援を始められたきっかけは、テレビのロケで訪問したフィリピンのゴミ集積所(通称:スモーキーマウンテン)で、悪臭と危険の中で懸命にゴミを拾う一人の女の子と出会い、厳しい貧困の中に生きる子どもたちのために、「何かしたい」という思いがきっかけだったそうです。
今年1月に、酒井さんは2013年に大型台風ハイヤンにより甚大な被害を受けたサマールADPとレイテADPを訪問されました。台風の直後は、多くの人々が家や家族を失い、子どもたちの顔にも笑顔がありませんでした。しかし、WVによって家の再建や教育の支援を受け、今は学校という"居場所"で夢を持って勉強する子どもたちの姿や、家族で安心して日常を過ごす子どもたちの笑顔を通して、支援の成果を感じることができた、とお話くださいました。
今回初来日したWVカンボジアのレイ・シネットスタッフ(以下、シネット)は、1970年代にポル・ポト派による大虐殺で親せきの多くを亡くした両親とともに、貧しい農村で育った子ども時代の話、その後WVの支援を受けて「大学で勉強してWVのスタッフになりたい」という夢を持つようになった経緯をお話しました。
努力が実り、王立プノンペン大学に進学したものの、父親が事故に遭ったことがきっかけで一度は夢をあきらめて大学を中退し、民間企業で働くことを選択したシネット。その後念願叶ってWVのスタッフになり、現在は洪水が頻発し、子どもたちが十分な教育を受けることも困難な貧しい農村地帯、ボレイ・チュルサール地域で、子どもたちの生活環境を改善するために奮闘しています。
「皆さまのご支援が、子どもたちが夢を実現するための力になっています。いつかすべての子どもたちが夢を実現できる日が来ると、私は信じています」
最後は涙ながらに、支援者の皆さまへの感謝と、WVのスタッフとしての貧しい子どもたちへの熱い思いを語りました。
酒井さんとシネットの報告の後、今年4月に事務局長に就任した木内(きない)真理子をファシリテーターとして、対談形式でさらにお二人にお話を伺いました。
酒井さんは、過去12年のチャイルド・スポンサーとしてのご支援を「あっという間でした」と振り返り、「私たちの想像以上に、スポンサーからの手紙がチャイルドとその家族にとって大きな励ましになっているということを、支援地域に行って改めて感じました」とお話くださいました。
また、シネットは、「チャイルド・スポンサーシップには子どもたちの人生を変える力があります。スポンサーとして子どもたちを助けるという意義深い活動に、将来自分もWVのスタッフとしてだけではなく、"チャイルド・スポンサー"として加わりたいと思っています」と語りました。
酒井美紀さん、シネットスタッフとの対談の様子
11月2日のカフェに続き、3日は東京のWVJ事務所にて、5日は大阪の梅田スカイビルにて、WVカフェ スペシャルを開催しました。3日は63人、5日は68人の方々がご参加くださいました。この2回のカフェでは、シネットの報告とともに、カンボジアの支援地域の写真から現地の課題や支援内容を読み解く「フォト・ランゲージ」ワークショップを実施。参加者の皆さまが、グループごとに写真を見て発見したことや疑問を話し合う時間を持ちました。
ご参加くださった方からは、「シネットスタッフの話を聞いて感動した。現地の様子がよく分かり非常によかった。もっと支援の輪を広げたい」、「チャイルドにとって、チャイルド・スポンサーシップの支援によって人生を変える力があるということが分かった。」また、「ほかのスポンサーの方々とお話しができてよかった」「チャイルドへのプレゼントなどについても意見交換ができてよかった」といった感想をいただきました。
シネットが帰国する前に、今回の3回のカフェに参加した感想を聞きました。
「自分は今まで、チャイルド・スポンサーシップの半分の面(子どもたちへの支援の面)しか見えていませんでした。でも日本に来て、大勢のスポンサーの皆さまと直接会ってお話し、もう一つの面(支援してくださっているスポンサーの温かい思いとご寄付の尊さ)をより深く知ることができました」
帰国後、日本でチャイルド・スポンサーの皆さまから学んだことを生かし、シネットがカンボジアでさらに良い支援活動を続けていくよう期待したいと思います。
3回のカフェにご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
来年2月には千葉で、3月には福岡と熊本でワールド・ビジョン・カフェを開催します。
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