【シリア】政権崩壊にともなう避難民の急増。国際NGOワールド・ビジョン、人道支援ニーズの高まりに警鐘

(2024.12.09)

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、シリアでアサド政権の崩壊によって急増している人道支援ニーズに対応しています。

過去10日間の衝突で数百人の民間人が死亡または負傷したと報告されています。さらに、178,000人が家を追われ、基本的な支援を必要としていますが、治安の悪化により人道支援活動が中断されており、支援が行き届いていません。
今回の苦しみは、14年間にわたる紛争と、膨大なニーズに対処するための資金の慢性的枯渇に続くものです。現在、シリアでは人口2,430万人のうち1,670万人が人道支援を必要としています。中東地域全体では、加えて1,290万人のシリア人とホストコミュニティの人々が人道支援を必要としています。

紛争の激化を受けて、ここ数日で28万人以上がシリア北西部では避難を強いられています。
国連の報告では、過密状態のキャンプに避難している家族は、生活必需品が不足しており、状況が悪化しています。ほとんど何も持たずに寒さに直面している人々に冬が近づいています。
パン屋や市場の営業が難しくなる中で、食料不足への懸念が高まっています。特にアレッポでは、病院、パン屋、発電所、水道などの公共サービスや重要施設が中断を強いられており、物資やスタッフ不足で機能していない施設も増えています。

ワールド・ビジョンのシリア対応事業責任者であるエマニュエル・イッシュは次のように述べます。「基本的なサービスへのアクセスが妨げられています。食料、清潔な水、衛生施設へのアクセスなどの重要なサービスが圧迫されており、特に子どもたちへの影響が深刻です」
衛生状態の悪化により水由来の感染症のリスクが懸念されています。資金不足により、アレッポを含む都市で浄水作業が困難な状況です。さらに、暴力が蔓延する中、性的暴力の被害を受けた女性や女の子の支援、子どもの保護、そして、彼女らが経験した暴力を乗り越えるための支援にも資金が必要です。
エマニュエル・イッシュは続けます。「医療サービスの混乱も深刻です。主要病院や一次医療センターを含む多くの医療施設が被害を受けたり閉鎖されたりしています。多くの病院が救急医療の提供に手いっぱいの状態で、医療体制は限界に近づいています。さらに、紛争、避難、基本的な必須サービスの中断によって、多くの人々、特に子どもたちが、大きな心理的ストレスを抱えています」

ワールド・ビジョンは、急速に変化する状況において、子どもたちや人々が何を必要としているかを引き続き見極め、最も影響を受けている人々に支援を届けるために、現地のパートナーと協働して人道支援活動を拡大していきます。

エマニュエル・イッシュは最後に以下のように述べます。「シリアでの最近の状況激化によって影響を受けた人々、特に紛争の中で育った子どもたちを支援するための緊急の資金が必要です。子どもたちを守り、希望のある未来を実現するために、私たちは全力を尽くさなければなりません。ワールド・ビジョンは、すべての当事者に対し、平和を優先し、子どもたちの幸福を第一に考えるよう求めます」

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ワールド・ビジョン・ジャパンとは

キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。

シリア危機へのワールド・ビジョンの対応

シリア紛争が勃発して以来、ワールド・ビジョンは弱い立場にある子どもたちとその家族への支援を開始し、生活を再建するための基本的なニーズに対応しています。ワールド・ビジョンは、シリア、トルコ、ヨルダンで、難民や国内避難民、弱い立場にあるホストコミュニティを支援するために活動しています。

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特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:德永美能里
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