(2024.12.05)
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、シリア北西部における最近の戦闘激化を受け、2024年12月4日、深刻な懸念を表明し、戦闘の停止とすべての民間人、特に子どもたちの保護を緊急に要請しました。
ワールド・ビジョンのシリア対応事業責任者であるエマニュエル・イッシュは次のように述べます。
「ワールド・ビジョンは、この困難な時、シリア北西部の人々とともにあります」 「子どもたちが保護され、人々が喫緊に必要としている支援を確実に受け取るこができるよう、早急な行動が必要です」
砲撃や空爆を含む複数の攻撃が確認されている中、状況は非常に深刻です。これらの戦闘で、国連人道問題調整事務所(UNOCHA)によると、少なくとも十数人の子どもを含む民間人が死亡し、多くの負傷者が出ています。UNOCHAの報告によると、48,500人以上が避難民となっており、その半数近くが子どもです。学校、医療施設、礼拝所、その他の民間インフラへの砲撃や攻撃は、民間人に深刻な影響を与え、人道支援へのアクセスや活動の中断につながっています。アレッポ、イドレブ、ハマなどの地域では戦闘が激化しており、民間人と人道支援機関の職員に深刻な被害がおよんでいます。
弱い立場にある子どもたちとその家族の命を守るために、食料、医療、安全な水やトイレなどの衛生設備へのアクセス、冬の寒さをしのぐための暖かい衣類、毛布、マット、ポータブルヒーターなどの支援が緊急に必要です。避難を強いられている人々は厳しい現状に直面しており、メンタルヘルスと心理社会的支援の必要も高まっています。
※1: シリア北西部の推計人口は500万人で、UNOCHAによると子どもたちの数は249万人と、およそ半数にあたります。『ランセット』誌394号(2019年7月発行)掲載の論文("New WHO prevalence estimates of mental disorders in conflict settings: a systematic review and meta-analysis" Fiona Charlson, PhD et al. "The Lancet" Volume 394, Issue 10194, P240-248)によると、長期的な紛争の影響を受けた集団 (10年以上の軍事占領と紛争に基づく) の有病率を22.1%と推計しており、その推計より算出した値。
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。
シリア紛争が勃発して以来、ワールド・ビジョンは弱い立場にある子どもたちとその家族への支援を開始し、生活を再建するための基本的なニーズに対応しています。ワールド・ビジョンは、シリア、トルコ、ヨルダンで、難民や国内避難民、弱い立場にあるホストコミュニティを支援するために活動しています。
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:德永美能里
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