(2023.12.18)
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、12月13日にドバイで閉幕した国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)で成果文書が採択されたことを受けて、声明を発表しました。また、気候危機の影響を最も受けている子どもたち、その家族、コミュニティを支援するプログラムへのコミットメントをあらためて表明しました。
ワールド・ビジョンのCOP28参画を牽引したモロヴィッチ・ヤマダ・ユキコ スタッフは以下のように述べました。
「2週間にわたる困難な交渉の末に合意された決定には、世界で最も弱い立場にある子どもたちにとって重要な進展が含まれていることは間違いありません。気候変動によって引き起こされる『損失と損害』 のための資金調達に関する主要なコミットメント、気候変動に適応するための取り組みへの資金調達のコミットメントの増加、再生可能エネルギーへの支援を3倍にするというコミットメントなどはすべて重要な成果であり、今こそ、実行されなければなりません」
「また、多くの子どもや若者がCOPに参加し、意思決定者と直接対話ができたことを嬉しく思います」
COPでは初めて、食料安全保障と飢餓に重点が置かれました。ブラジル出身の13歳の先住民族の少女タイサちゃんは、COP28へのワールド・ビジョン代表団の一員であり、世界の指導者たちに彼女の洞察を共有しました。食料安全保障に関するイベントで、タイサちゃんは 「気候変動による飢餓は人々の尊厳を奪っている」 と指摘し、気候変動が食料に与える直接的および間接的な影響に対処するための行動を促ました。
モロヴィッチ・ヤマダ・ユキコは、続けて述べました。
「子どもたちは、国際的な議論にしばしば欠落しがちな危機感をもたらしてくれます。彼らは気候変動の影響を毎日経験しており、行動を何年も待つことはできません。子どもたちは、今すぐ行動がなされることを必要としており、それは、当然のことなのです」
今回のCOPでは、もう一つ史上初なことがありました。それは気候変動に対応する上での信仰と信仰コミュニティの重要性の認識です。ワールド・ビジョンは、史上初の 「COP信仰パビリオン」 でいくつかのイベントに参加し、世界中の信仰グループの代表者がコミュニティレベルで気候危機の影響に対処するための貢献について議論しました。
COP28は、歴史的そして現在の温室効果ガス排出の大部分を占める化石燃料から世界が脱却する必要性に強く焦点を当てて閉幕しました。多くの代表団がより強力な文言を期待していましたが、COPの成果文書で化石燃料からの転換が明記されたことは画期的です
今後への展望として、ワールド・ビジョンは、COP28の成果文書で、子どものエンパワーメントと参加の重要性がより認識されていることを喜ばしく思っています。子どもたちは気候変動の影響を不釣り合いに受けているにもかかわらず、過去の協定では子どもたちの権利に十分な焦点が当てられて来ませんでした。
モロヴィッチ・ヤマダ・ユキコは、述べました。
「私たちは、COP28でのコミットメントが確実に実施され、子どもたちの声が将来の交渉や決定においてより大きな役割を果たすよう、引き続き子どもたちと協力していきます」
キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳しくはこちら
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
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