(2022.03.24)
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、ウクライナ危機の発生から1カ月が経過する今日、子どもたちが家を追われ、命を落とし、人身取引や虐待の危険にさらされているという痛ましい状況について警告します。
【概要】
この紛争は、すでに民間人と公共のインフラに深刻な被害をもたらしましたが、今からでも平和を求め続けることが大切です。ワールド・ビジョンは、敵対的行為の即時停止の呼びかけに呼応して行動をともにします。民間人は、希望する場合、国籍や人種にもとづく差別を受けることなく安全な場所に避難することが保障されなくてはなりません。人道支援機関は、困っている人々がどこにいようとも、彼らにたどり着き、必要な支援を届けなくてはなりません」
悲劇的な死者数に加えて、ウクライナの子どもたちの5人に1人が、危機の発生からひと月と経たないうちに難民となりました。ウクライナの子どもの総人口750万人のうち、150万人が安全を求めて国境を越えたという推計によれば、2月24日に危機が始まって以来、20%の子ども、つまり5人に1人が難民となったことになります。
エレノアは、難民となった子どもの多さは、国境周辺での人身取引のリスク増大を引き起こしているとの懸念を示します。ワールド・ビジョンのスタッフは、ポーランドとウクライナの国境で、同伴者がいない多くの子どもたちを目の当たりにしていると言います。
「子どもの保護を担当する私たちのスタッフは、圧倒的な数の避難民の子どもたちや若者を目撃しています。彼らの中には、心に深い傷を負い、絶望的に空腹で、ウクライナにいる両親や親戚のことを深く心配している子どももいます。1人きりで旅をすることは、人身取引を含む虐待、暴力、搾取のリスクが高まるのです」とエレノアは訴えます。
「安全な場所だと信じて逃げ込んだのに、性的虐待や人身取引の犠牲になってしまう子どもたちのリスクを、私は非常に心配しています。このウクライナの危機は、深刻な危機であることはもとより、さらなる危機を含んでいると言わざるを得ません。
追い立てられる子どもたち、特に同伴者を伴わずに避難を余儀なくされる子どもたち、または避難先で家族と離ればなれになってしまった子どもたちは、暴力、搾取、虐待の大いなるリスクにさらされています。政府と人道支援機関は、人身取引を含む、子どもたちが直面する非常に現実的なリスクを軽減し、彼らの当面および長期のニーズに応えるために、避難してくる子どものうち、最もぜい弱な子どもを特定して登録するシステムを緊急に確立する必要に迫られています」
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、ウクライナにおける紛争の長期化やニーズの増大を受け、より多くの子どもたちや人々に支援を届けるため、「ウクライナ危機緊急支援募金」を受け付けています。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳細はこちら
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
広報担当:市山志保 【電話】03-5334-5356 【Email】shiho_ichiyama@worldvision.or.jp