【エチオピア北部紛争】 緊急支援募金の受付を開始 ―さらなる危機に陥る子どもたちー

(2021.01.20)

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、紛争の影響を受けているエチオピア北部のティグレ州にて支援活動を開始し、世界のドナーに対して1,000万米ドルの追加資金の必要性を訴えるとともに、日本においても募金の受付を開始します。

戦闘で荒らされた学校に入るワールド・ビジョンのスタッフ

戦闘で荒らされた学校に入るワールド・ビジョンのスタッフ


2020年12月9日、ワールド・ビジョンは、1万2,000米ドル相当の医療用衛生用品を同州南部の町のアラマタ病院に届けました。現在、同病院は、重度の栄養不良、マラリア、水に起因する感染症の患者で医療がひっ迫しています。加えて、病院の人員、医薬品が不足し、スタッフの給与すら払えない危機的な状況に陥っており、大半の医療関係者が北の州都メケレに逃れていきました。ワールド・ビジョン・エチオピアの事務局長エドワード・ブラウンは次のように語ります。

「我々はとても悲惨な状況に直面しています。この危機によって、何千人もの子どもたちが、一カ月以上、水、食料、電気がない状態で、劣悪な環境下での生活を強いられています。またワールド・ビジョン・エチオピアのスタッフとその家族も同様の境遇に立たされています」

ワールド・ビジョンは、ティグレ州の安全面でアクセス可能な数少ない地域に入り、すでに、シェルター、水・衛生、保健、人的保護等に関する緊急援助のために150万米ドル規模の支援を実施しています。しかし、その甚大な被害状況から、1,000万米ドル規模の追加支援を決定。現在、支援者やドナー機関に対してさらなる支援を呼びかけています。

昨今の新型コロナウイルスの影響以前にも、長年続く不安定な降雨による局地的な洪水や干ばつ、バッタ等の大量発生に見舞われ、さらに近年は民族間対立による武力衝突で300万を超える人々が故郷を追われる等、既にエチオピアの情勢はひっ迫していました。そこに今回の戦闘が加わったことで、更なる人道危機が起こっています。


2020年12月7日の国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の報告によると、激化した武力紛争、インフラの破壊、数十万人にもおよぶといわれる国内避難民の出現をきっかけに、約5万人近くの人々が難民となって隣国スーダンへ逃れました。

さらにブラウンは「このティグレの危機はすべての問題の中で最大の脅威と言えます。2020年は次々と危機が生じました。私たちの活動目的は、さらなる殺りくを防ぎ、持続可能な平和を公正にもたらすことに貢献することです」と語っています。

エチオピア政府と国連は、11月28日に、エチオピア政府が管理するティグレ州のぜい弱な立場にある人々に対し、人道支援を実施することで合意しました。しかし、不安定な情勢下で多くの問題が続発しているため、その合意の具体的な実現には未だ至っていません。国連児童基金(ユニセフ)は、230万人の子どもたちがエチオピアで人道支援を必要としていると推定しています。

ブラウンは次のように訴えます。
「この危機的な状況下にある子どもたちに寄りそうため、ワールド・ビジョンは、困難を乗り越えるための祈りと支援を必要としています」


エチオピア北部緊急人道支援募金へのご協力をお願いします

気候変動による洪水や干ばつ、新型コロナウイルスの影響等に加えて発生した紛争より、子どもたちや人々の生活は危機的状況にあります。皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

今すぐ募金

ワールド・ビジョンのエチオピアでの活動について

ワールド・ビジョンは、40年以上にわたりエチオピア北部のティグレ州で活動してきました。現在、ワールド・ビジョン・エチオピアは、ティグレ州において、チャイルド・スポンサーシップによる地域支援(AP)を7プログラム、助成金事業を11プログラム実施しています。水・衛生、生計向上、教育、食料安全保障等の総合的支援を行うAPを通じて、19,254人の子どもと、35万人以上のコミュニティの人々を支えています。

ワールド・ビジョンは、1971年に初めてエチオピアでの支援活動を実施し、1975年にエチオピア事務所を開設しました。スタッフ数は現在1,419人にのぼり、エチオピアで最大の支援機関に成長しています。ティグレ州では7つの地方事務所と州都メケレに地域事務所を持ち、83人のスタッフとともに支援対応に適した体制を整えています。

ワールド・ビジョンは、このエチオピア北部における人道危機に対し、被害状況の調査と援助活動を最初に実施した国際NGOの一つです。

ワールド・ビジョンとは

キリスト教精神に基づいて、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録されています。詳しくはこちら

本件に関する報道関係者からのお問合せ先

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:市山志保
【電話】03-5334-5356 【Eメール】shiho_ichiyama@worldvision.or.jp



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