「命の木プロジェクト」報告~アクションと政策提言書を日本政府へ提出~

2014.10.03

36,384件のアクション、本当にありがとうございました

サマースクールで子どもたちが描いたアクション

年間660万人(※)の子どもたちが、5才未満で命を落としている現状を多くの方にお伝えしてアクションをお願いする「命の木プロジェクト」を、6月2日~7月31日に実施し、"子どもたちの命を救いたい"という気持ちを表した絵・言葉・写真によるアクションを募集しました。

多くの方にご賛同、応援いただき、目標の30,000件を大幅に上回る36,384件のアクションをいただくことができました。本当にありがとうございました。

プロジェクト期間中に実施した"みんなで作ろう!「世界の子どもカルタ」" には、796件ものご応募をいただき、45の入選作品による素晴らしいカルタが完成しました。なお、完成品のカルタはキヤノン株式会社のご協力により、11月より皆さまにダウンロード、印刷して利用していただくことが可能になりますので、ご期待ください!

また、イベント「ジュディさんの命の授業」とサマースクール、学校、保育園を訪問して実施した派遣授業を通じても、多くの方に参加していただきました。

(※本年の「命の木プロジェクト」実施時に引用していた数値。2013年UNICEF発表。)

アクションの一部の紹介

数多くのアクションをいただきましたが、ここではその一部を紹介させていただきます。

ホームページに投稿していただいた写真によるアクションの一部
'みんなで作ろう!「世界の子どもカルタ」'入選作品の一部


アクション・提言書の提出① 東京の外務省

アクション・提言を受け取る山谷室長

本プロジェクトにご賛同いただいた皆さまの声を日本政府の政策に反映してもらうため、国連総会開催前に、東京の外務省と、ニューヨークの国連日本政府代表部に対してそれぞれアクション提出と政策提言を行いました。

9月8日に、外務省国際保健政策室の山谷裕幸室長を訪問し、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)からは、アクションをまとめたフォトブック、「世界の子どもカルタ」、政策提言書を提出しました。日本の若者の声を届けるため、300件以上のアクションでご協力くださった玉川聖学院からも8名の高校生が同行し、彼女たちが学校で集めたアクションを紹介するとともに、命の木にこめた自分たちの想いを外務省へ伝えました。また、「世界の子どもカルタ」を使って、外務省と高校生たちでカルタ大会も行いました。

WVJの政策提言では、母子保健、栄養、アカウンタビリティの向上を通して国連ミレニアム開発目標(MDG) 4( 5才未満の乳幼児死亡率を、2015年までに1990年の3分の1に下げる)の達成に向け取り組みを加速していただくように訴えました。高校生からは、「日本は恵まれているが、世界の人の命の重さは同じはず」、「一人ひとりができることをすることが大切」などの意見を伝えました。

こうした意見やアクション提出を受け、山谷室長からは、「命の価値はどこの国でも変わらない。防げる死を防ぐのは人間の使命」、「(日本政府として)母子保健は重要視しており、支払い可能な料金で誰もが保健サービスを受けられる世界を目指してユニバーサル・ヘルス・カバレッジを推進している」、「(高校生に向けて)種を大きな木にするように、今回の取り組みを生かしてください。人の役に立つように、立派な木になってください」というコメントをいただきました。

アクション・政策提言書の提出② 在ニューヨーク 国連大使への提出

ポスト2015に関する提言を提出する柴田スタッフとアレリススタッフ

9月18日に、ニューヨークの国連日本政府代表部の南博大使を訪問しました。WVインターナショナルからアレリス・ベロリー二スタッフも同行しました。
直後に控えた国連総会にて、「ポスト2015開発アジェンダ」が討議されることもあり、WVJからは、「命の木プロジェクト」のアクション・政策提言書の提出に加え、「ポスト2015開発アジェンダ」についても政策提言を行いました。
これらアクション・政策提言を受け取った南大使は、「これらをしっかりと読み、内容について検討する」、とコメントして下さいました。また、「『ポスト2015開発アジェンダ』は私たちの子どもや孫が主役となり、また子どもたちは持続可能性と開発の鍵となる存在であることから、『ポスト2015開発アジェンダ』では子どもたちが好意的に取り上げられなければならないと考えている」、との発言もされました。

「命の木プロジェクト」のアクション提出を通じ、2015年までのMDG4の達成を訴えると同時に、その後も子どもが世界の政策の中心課題となるように訴えることができ、子どもの命が優先される世界の実現に向け一歩前進することができました。


ワールド・ビジョンは引き続き、特にMDG4の達成、また2015年以降の世界の目標の中でも、子どもが大切にされることを目指して、アドボカシー(市民や政府への働きかけ)と支援事業の実施を両輪で走らせていきます。