2013.08.16
世界では、年間690万人の5歳未満の子どもたちが命を落としていて、その45%に栄養不良が影響しています。特にお母さんの胎内にいる時から2歳になるまでの1,000日間は、子どもの成長にとって極めて大切な期間です。この期間に栄養不良に陥ると、生涯におよび深刻な影響を受ける恐れがあります。
インドで暮らすクリシュナ君は、1歳のころ深刻な栄養不良の状態でした。頻繁に病気にかかり、重い下痢のため入院をすることもありました。
2010年、クリシュナ君はワールド・ビジョンによる栄養改善プログラムの支援を受け、その後、少しずつ健康状態が回復しました。
栄養改善プログラムでクリシュナ君のお母さんは、栄養のある食事をとることの大切さを学び、栄養価の高い卵や砂糖、ピーナッツなどのが支援を受けました。特に、ビタミンやミネラルなどの多くの栄養素を含む卵は、高価なため貧しい家庭ではなかなか手に入れることができなかった食材で、その栄養価についても詳しくは知られていませんでした。
支援されたゆで卵とジャガイモを一緒に食べることで効果的に栄養を取ることができ、クリシュナ君が住む地域の子どもたちの栄養状態が大きく改善しました。
さらに、クリシュナ君の家族は、ワールド・ビジョンからプログラムを通じて家庭菜園の提供を受け、そこで栽培された新鮮な野菜をいつでも食べられるようになりました。
また、2匹のヤギも支給されました。ヤギを飼育することで、子どもたちは栄養価の高いヤギのミルクを飲むことができ、さらに子ヤギを販売することで家族の収入向上にもつながっています。
これらの支援により、クリシュナ君だけではなく、同じように栄養不良で苦しんでいた姉や弟の栄養状態も改善されました。
4歳になったクリシュナ君は、以前の姿が想像できないほど元気になり、お父さんの畑で走りまわることができるようになりました。
今は、お姉さんと一緒に学校に通うことをとても楽しみにしています。
深刻な栄養不良の状態にある子どもたちへの食糧支援や子どもたちを取り巻く家族、地域の人々に対して栄養に関する正しい知識を伝えることで、子どもたちの命を救うことができます。
子どもたちが栄養不良に陥る原因は様々であるため、食料や水・衛生、教育、保健など、多くの分野からの支援が必要とされています。少しでも多くの子どもたちの命を救うため、ワールド・ビジョンでは、子どもたちを取り巻く家族やコミュニティーへも積極的に働きかけていきます。
すべての子どもが5歳を越えて生きていけるよう、「命の木プロジェクト」を実施しています。
子どもたちの命を救うため、あなたにできることがあります。ぜひご協力をお願いします!
2013年の命の木プロジェクトは終了いたしました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。