【国連 教育変革サミット】参加報告

• 1：教育を変革するための国内外でのコミットメント
• 2：教育の変革に対する国民の関与と支持の拡大
• 3：事務総長による「教育の変革に関するビジョン声明」の表明

9月16日と17日には、9月19日に開催されるリーダーズデーに向けて「動員の日(Mobilizations Day)」と「解決策の日(Solutions Day)」がそれぞれ開催されました。

• ユースが現在のグローバルな課題に対応して変化を起こす主体である
• 教育の変革に対し、ユースが参加することに意義がある
• 世代、性別、国、文化、信仰などを越えた連帯が必要

• 1：包摂的・公正・安全で健康的な学校
• 2：ライフワークのための学習とスキル
• 3：教員、教育活動、教育職
• 4：デジタル学習とデジタルトランスフォーメーション
• 5：教育資金調達

それぞれについて、各国政府、国連機関、国際機関、NGO、民間企業、ユースなどの様々なステークホルダーにより、50近い分科会が開かれました。

一つひとつの分科会は、政府と国際機関とNGOや、政府と民間企業とユースなど、複数のステークホルダーで開催されました。

最後には、5つのテーマ別主要分野それぞれの振り返りが共有され、議論の成果と次のステップについてのまとめが行われました。

• 1：すべての学習者の成長をサポートする学習環境の確保
• 2：教師が自らを変革し、変化の担い手となることを可能にする
• 3：デジタル革命を公教育のために活用する
• 4：教育への投資をより多く、より公正に、より効率的に行う

特に4の｢教育への投資の増加｣に関しては、教育支出は消費支出ではなく国家的投資であると考え方を転換する必要がある旨説明されました。

各国には教育支出総額の割合を増加することを、拠出国にはODAの15～20%を教育分野に割り当てることをそれぞれ求め、また、国際教育金融ファシリティ(International Finance Facility for Education:IFFEd)の設立を歓迎しています。

最後に、政治指導者、保護者、生徒、教師、そして一般市民が一体となって取り組み、行動することが必要だと締めくくられました。

• 教育が直面する危機の深刻さ
教育変革サミットは第77回国連総会に合わせて開催されましたが、教育をテーマにこれだけ大規模、かつ、ハイレベルな会合が開催されたのは初めてでした。教育変革サミットの様々な本会議や分科会において、教育の重要性が強調された一方で、このままでは2030年までにSDG4教育目標が達成不可能であることは明らかです。だからこそ今、教育の変革が必要ということを突き付けられたように感じました。

• ユース(若者たち)の力
ユースによる関与、ユースとの連携は、国際会議では一般的になりつつありますが、教育変革サミット1日目の動員の日のように、終日のハイレベルな会合のあらゆるレベルでユースが主体となって活躍する会議に同席したのは初めての経験でした。様々な国から集まったユースたちが、議論、連携、提言、発信など、時に新しいツールを活用しながら力強く進めていく様子には大変勇気づけられました。

しかし、2日目に登壇したジェフリー・サックス教授が言及したように、ユース世代の提言に耳を傾けても彼らに力を与えないのであれば、彼らの行動を支援しないのであれば、これ以上残酷な話はありません。

｢現在の世界が直面する地球規模課題の解決のために最も必要なことは教育｣との発言が多くの登壇者によりなされました。そのためにも、教育を変革すること、ユースをはじめとする様々なステークホルダーと連携して変革を担っていくことが重要だと改めて思わされました。