(2018.12.10)
UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)とは、誰もが、どこでも、お金に困ることなく、必要とする保健・医療サービスを受けられる状態をいいます。
2012年12月12日の国連総会で、UHCを国際社会がともに達成を目指す共通の目標とすることが全会一致で議決され、この日を記念する「UHCデー」が始まりました。
持続可能な開発目標(SDGs)においてもゴール3(健康と福祉)の中でUHCの達成が掲げられており*、また、UHCが達成されれば、他の目標達成にも大きく寄与することが期待されます。
*SDG ターゲット3.8:
すべての人々に対する財政保障、質の高い基礎的なヘルスケア・サービスへのアクセス、および安全で効果的、かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンのアクセス提供を含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
UHC達成のためには費用(医療費の負担)、物理的アクセス(医療施設や人材が身近に存在するか)、社会的慣習(必要性の認識、差別の有無等)といった広範囲な課題への取り組みが必要です。このため、国際社会、各国政府、企業、市民社会がともに協力し合って歩みを進めています。
2016年5月、日本で開催されたG7伊勢志摩サミットにて、国際保健の中心的な課題としてUHCが首脳宣言の中で初めて記載されたほか、2017年12月には外務省、財務省、厚生労働省、世界銀行、WHO(世界保健機関)、UNICEF(国連児童基金)、UHC2030、JICA(国際協力機構)が「UHCフォーラム2017」を東京で共催し、各国のUHC推進を確認。NGO等もサイドイベントを開催し、UHC達成を目指した討議を行いました。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、すべての人、とりわけ子どもたちが健康に成長することを目指し、多くのパートナーの皆さまとともに、チャイルド・スポンサーシップ、日本政府の助成(NGO連携無償)や企業のご支援による事業を通して、保健分野での支援活動を実施しています。
また、国際保健分野で活動するNGOと日本政府の対話プラットフォームである「GII/IDIに関する外務省/NGO定期懇談会」(GII/IDI懇談会)に参加し、支援現場を持つNGOだからこそ届けられる声を活かしたアドボカシー(政策提言)を行っています。
来年、2019年は日本で開催されるG20サミット、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に向けて、UHCが重要な議題となることが確実となっていることから、子どもたちの健康が守られる政策形成を目指し、他団体とともに日本政府へのはたらきかけを強めていきます。