皆さまの多くは、一度ならず世界の貧困について心を痛めたことがあるのではないでしょうか。企業や自治体の間でも取り組みが広がっている持続可能な開発目標(SDGs)は、世界が2030年までに取り組むべき17の目標を掲げたものですが、この目標の1つ目は「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」ことです(注1)。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、チャイルド・スポンサーシップを通して、子どもたちが健やかに成長できる持続可能な環境を整えるための活動を行っています。貧困に苦しむ子どもとともに歩み、子どもたちの未来を取り戻す活動に、あなたも参加しませんか。
まずは、この記事で、チャイルド・スポンサーシップの仕組みや支援内容、そしてチャイルド・スポンサーになる醍醐味を知ってください。
チャイルド・スポンサーシップは、地域に根差した開発援助を行うことで、子どもたちの健やかな成長を目指すプログラムです。チャイルド・スポンサーになっていただければ、貧困ゆえに学校に通えず、児童労働を余儀なくされている子どもや、安全な水を飲むことができない子どもたちの未来を、あなたの手で変えることができます。
チャイルド・スポンサーシップは、月々4,500円、1日あたり150円の継続支援です。チャイルド・スポンサーになっていただいた方には、支援地域に住む子ども"チャイルド"をご紹介します。ご支援金はチャイルドやその家族に直接手渡されるものではなく、子どもの人生に変化をもたらすことを目指した様々な長期の支援活動に使われます。
個人だけでなく、ご夫婦やグループ、法人でのご支援も可能です。反対に、一人で複数の子どものチャイルド・スポンサーになることもできます。また、個人の方からのご支援金は寄付金控除の対象となり、確定申告をすることで還付を受けられますので、毎月の実質負担額は3,000円以下になる場合もあります。
チャイルド"は、皆さまと1 対1の関係を育み、支えられていく存在です。支援地域がどのように発展し、チャイルドがそこでどのように成長しているかという支援の成果を、毎年お送りする「プログラム近況報告」とチャイルドの「成長報告」を通じて実感していただけます。
チャイルドからは1年に1度、グリーティングカードが届くほか、自由な頻度でチャイルドと文通をしていただくこともできます。お手紙には、ワールド・ビジョン・ジャパンが翻訳をおつけします。書状として定形郵便で送れる範囲で、プレゼントを同封いただくこともできます。また、年に数回実施する支援地訪問ツアーに参加いただくか、ワールド・ビジョン・ジャパンにご連絡いただいた上で現地を訪問いただくことで、チャイルドと直接会うこともできます。
チャイルド・スポンサーシップは、地域が抱える課題を解決し、子どもたちへ希望ある未来を提供するために、地域の人々とともに考え、計画、実行していく支援プログラムです。
支援する地域の人々が、他からの支援がなくとも自分たちで子どもたちを健康に育て、 学校に通わせ、地域の問題を解決できるようになることを目指して、教育、保健衛生、水資源開発、収入向上など様々な支援活動を、チャイルドの住む地域で長期にわたって行います。支援対象には、生活水準の低い家庭が多く貧困度の高い地域など、ワールド・ビジョンの調査に基づき、最も支援を必要としていると判断された地域が選ばれます。
今あなたにできること、一日あたり150円で子どもたちに希望を。
支援者がチャイルドと家族のようにつながりあい、貧困に苦しむ子どもとともに歩む。これが、チャイルド・スポンサーシップの最大の特徴です。ワールド・ビジョンの創設者であるボブ・ピアスの「すべての人々に"何もかも"はできなくとも、誰かに"何か"はできる」という愛の心から始まったこの活動も、今では、日本国内だけで約5万人のチャイルド・スポンサーの皆さまに支えられています。世界全体では、約290万人の子どもが、約260万人のチャイルド・スポンサーに紹介されています(2018年)。
数字で見るWVJ
活動のインパクト
チャイルド・スポンサーシップを通して、あるチャイルドのスポンサーになるのは1人だけです。チャイルド・スポンサーになると、あなただけのチャイルドの成長を見守りながら、支援を通してその子の人生に変化をもたらすことができます。
ケニアのナンシーさんと、かつて彼女のチャイルド・スポンサーであったオーストラリアのジョージーさんのストーリーは、チャイルド・スポンサーからの励ましが、チャイルドが人生を切り開いていく力になるということを力強く物語っています。
子どもの頃のナンシーさんは、養父から虐待を受けていました。男の子ばかりの学校ではいつも一番の成績でしたが、そのせいで地域の人たちから心無い言葉を浴びせられました。そんなナンシーさんが初めて愛を感じることができたのが、ジョージーさんからの手紙だったといいます。
「この世界には、たしかに、私のことを気にかけてくれる人がいる」ジョージーさんとの交流を通して生まれて初めてそう感じることができたナンシーさんは、自分も誰かを助けたいと思うようになり、現在は、人道支援の仕事に就き、世界で活躍しています。成長したナンシーさんがジョージーさんに向けた「私が一生懸命頑張って、夢をかなえれば、きっと喜んでくださると思っています」という言葉には、ジョージーさんも涙をこらえることができませんでした。
チャイルド・スポンサーシップを通した1つの地域への支援は、通常15年ほどで終了しますが、支援が終わった後も、このようにチャイルド・スポンサーの言葉はチャイルドの心に残り、その人生を支え続けるのです。
夢をかなえたチャイルド~ケニアのナンシーさん
チャイルド・スポンサーシップを通していただいたご支援金は、子どもを取り巻く環境を改善するために、地域の人々の力を引き出しながら行う長期的な開発支援に使われます。支援活動は、学校の建設や教材の提供、教員への研修といった教育支援、農業技術についての研修や貯蓄グループへの支援といった生計向上のための支援など、多岐に渡ります。
地域のプログラムの目標が達成されたと評価された段階で、その地域での支援は終了しますが、それは、子どもたちや地域の人々が力をつけ、自分たちで活動を継続していくことができる準備が整った時でもあります。
2019年に支援終了を迎えた地域からの報告はこちら:
ウガンダ共和国、ナラウェヨ・キシータ地域の支援が終了を迎えました
バングラデシュ、カルマカンダ地域の支援が終了を迎えました
こうした長期的な支援は、「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」、「質の高い教育をみんなに」、「安全な水とトイレを世界中に」といった目標を掲げるSDGsの達成にも貢献するものです(注2)。
チャイルド・スポンサーの皆さまからお寄せいただいた声をご紹介します。多くの方が、チャイルドからの手紙や写真を通してチャイルドの成長を感じられる喜びについて語ってくださっています。
「スポンサーになり初めて写真を見たときは本当に幼くてまた硬い表情でした。今は打って変わりとてもハツラツとして写真に写っています。沢山本を読んでいつかは日本を訪れて欲しいなと願っています。そして私のことを思い出してくれたら嬉しいですね」(支援歴5年 岩手県)
「チャイルドからのお手紙が何よりの喜びです!私の方がたくさん元気をいただいているのではないでしょうか。遠く離れたチャイルドとお互いを想い合い、チャイルドと共に私も成長できる素晴らしい経験をしています」(支援歴9年 北海道)
「支援をすることで自分が幸せになります。支援(行動)は生きている意味や価値になります。チャイルド達が、より良い世界を創造してくれることを願い祈ります。世界の子ども達に笑顔と希望が溢れますように!」(支援歴12年 岐阜県)
「会いに行った時、初め緊張していた彼女が別れ際にオカアサンと呼んで手を握ってくれました。嬉しくて肩を抱きながら『成長を見守り続けたい』と思ったのが忘れられない嬉しい思い出です」(支援歴25年 愛媛県)
全国30人のチャイルド・スポンサーに聞きました
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、チャイルド・スポンサーの皆さまを対象に、チャイルド訪問と支援地域の視察を兼ねた支援地訪問ツアーを年に2~3回実施しています。
ツアーでは、チャイルドたちが踊りやスピーチを披露して歓迎してくれるほか、チャイルドたちと一緒に遊んだり、村を歩いて支援活動を視察したりする時間が設けられています。
ツアーに参加いただいたチャイルド・スポンサーの方からは、「お迎えからお見送りまで、終始心温まること尽くしだった」、「涙なしではいられませんでした。子どもたちの純真な笑顔に心洗われる思いでした」といった感動の声が上がっています。
芸能界やスポーツ界、実業界など、各方面で活躍されている著名なチャイルド・スポンサーの方も大勢いらっしゃいます。
株式会社ZOZOの創業者である前澤友作さんも、その1人です。「僕の夢は世界を平和にすることです」と語る前澤さんは、こんな素敵なメッセージをお寄せくださっています。
「何でもいいから誰かのためになることをしてみる。自分の時間、経験、お金を自分以外の人のために注ぎ、その対価として『ありがとう』の想いが返ってくる。そんな感謝の連鎖が広がっていくことを願っています」
チャイルド・スポンサーであり、ワールド・ビジョン・ジャパンの親善大使を務めてくださっているジュディ・オングさんの心のこもったメッセージは、多くの人の胸を打つのではないでしょうか。
「私が身体を壊した時、たくさんの方の『想い』によって元気を取り戻しました。『想い』は世界をつないでくれます。WVJで支援を始めたのも、そんな中で『何かできないか』と思っていた頃でした。人間というのは、どこまであれば幸せなのか、と思います。『これがあれば幸せ』って、ありますよね。それ以上の幸せを、私は『幸せのボーナス』と呼んでいます。
そのほんの一部を誰かと分かち合いませんか。私たちにとっての一部が、支援となり世界の子どもたちの幸せに変わります。それが、チャイルド・スポンサーシップです。これからも、子どもたちの可能性を開くために、ともに歩んでいきたいと思います」
設立30周年を記念して、メッセージをお寄せいただきました
チャイルド・スポンサーシップには、国内で年間約50,000人の方々にご参加いただいており、2019年は21カ国で45事業を実施しました。
しかし、まだ世界には明日の生活が困難な子どもたちが多く存在します。
・児童労働を強いられる子ども
・学校に通えない子ども
・安全な水が飲めない子ども
私たちはチャイルド・スポンサーシップを通じて、子どもたちの未来を紡ぐ活動を行っています。
ぜひこの機会に、あなたもチャイルド・スポンサーシップにご参加ください。
あなたの力は、未来の希望へつながります。
今あなたにできること、一日あたり150円で子どもたちに希望を。
※1 外務省:我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ
※2 外務省:JAPAN SDGs Action Platform