2011.06.03
6月より、南三陸町(宮城県)内にあるすべての小・中学校で、おかず給食支援が始まっています。6月2日(木)、町内の小学校に給食が到着すると、子どもたちからは「美味しそう!」と歓声が上がり、野菜も残さず、笑顔でほおばっていました。
おかず給食支援にあたり、企画段階から協力してくださった同町給食センター栄養士の高橋さんは、「震災後に入学した1年生には、以前の給食を知らないため、届いたおかずを見て『給食はパンと牛乳だけだと思ってた。ご飯もおかずも出るんだ』と驚いている子もいました。簡易給食では、生徒に偏食の傾向があっても分かりませんが、おかずがあれば気付いて、先生たちも指導できます。
それに、特に中学生では簡易給食では体力がもたず、授業後の部活ができませんでしたが、おかず給食の支援が始まって、中学校で部活も再開できたと聞いています。本当にありがとうございます」と、語ってくださいました。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは今後も、子どもたちが安心して、楽しく学校生活を送れるよう、支援活動を続けていく予定です。
南三陸町では、現在も多くの方々が、避難所生活をを余儀なくされています。避難所生活の長期化を念頭に置き、ワールド・ビジョン・ジャパンでは、宮城県庁及び南三陸町からの要請を受け、被災者の方々が集約されていく5つの拠点避難所のうち4カ所(入谷小学校、歌津中学校、志津川中学校、志津川自然の家)に、コミュニティ・キッチン(食事の用意できる施設)を支援します。それにより、4カ所の避難所で計650食が確保できるようになります。
「避難所で暮らす被災者の方々の食事情は様々ですが、厳しいものであることは共通しています。コミュニティ・キッチンで調理ができるようになり、温かいおかずを食べていただけるようになることで、衛生状態や栄養状態の改善に多少なりともつながり、心も身体も元気になれるよう、少しでもお役に立てればと願っています」と、担当の中川スタッフ。
コミュニティ・キッチンは、6月2日(木)に設置されます。
その後は、南三陸町が雇用した被災者の方々が、これらの4カ所の避難所で、1日2回、食事を調理・提供していく予定です。
東日本大震災によって壊滅的な被害を受けた、南三陸町(宮城県)。町内にあった給食センターも、津波によって流失してしまいました。同町では、5月10日(火)より新学期がスタートしていますが、パンと牛乳、デザートのみの「簡易給食」にせざるを得ず、子どもたちの栄養不足が懸念されています。
そこでワールド・ビジョン・ジャパンでは、宮城県庁、また南三陸町教育委員会からの要請を受け、6月より南三陸町内のすべての小・中学校(生徒数約1,050名、教員数約50名)に、おかず給食を支援することになりました!
支援にあたり、南三陸町給食センターの方々に全面的にご協力いただきました。企画段階から参加いただき、栄養面だけでなく、アレルギーを持つお子さんにも配慮した内容にすることができました。またおかずの製造は、ヤマザキグループの株式会社サンデリカさま、各学校への運搬には、山崎製パン株式会社さまにご協力をいただいています。
※ 水曜日のみ、お弁当形式で提供
※ アレルギーを持つお子さんにも対応しています
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、被災した子どもたちが少しでも安心して学校生活を送り、復興に向けて希望を持って歩めるよう、今後も支援活動を行っていきます。
宮城県南三陸町の伊里前小学校では、東日本大震災によって校舎が全壊してしまった名足(なたり)小学校の生徒さんたちが、校舎の一部を借りて学校を再開しています。しかし同じ校舎で勉強しながらも、両校の生徒さんたちは、あまり交流する機会がありません。そのため5月22日(日)、皆さんが仲良くなるきっかけにしてほしいという思いから、仙台YMCAさん主催、ワールド・ビジョン・ジャパン協力のもと、合同運動会が開催されました。
運動会当日は、両校から91名の生徒さんたちが参加。学校の枠を超えて、同じ学年同士でチームをつくり、玉入れ、綱引き、大玉運びを行いました。それぞれの競技が始まると、生徒さんたちは夢中で取り組み、チームが勝つと歓声が上がり、たくさんの笑顔を見せてくれました。
また、お昼休みには横浜YMCAの皆さんが用意されたカレー、たこ焼き、アメリカンドッグ、パン、野菜スープ、杏仁豆腐などの食事が提供され、生徒さんたちは大喜び。「給食にはパンと牛乳、フルーツなどのデザートが出るけど、今日は温かいいろんな種類の食べ物があって嬉しい」と話してくれる生徒さんもいました。
伊里前小学校の兵藤校長先生は、「校庭の半分には仮設住宅が建っていて、なかなか生徒たちが皆で遊ぶ機会がありませんが、今日は元気に運動できて、いい笑顔を見られました。生徒たちにとって、楽しい1日になったと思います。また、このような機会を作っていきたいです」と、語ってくださいました。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、被災した学校の必要に応じて、学用品や備品の支援も引き続き行うとともに、子どもたちが十分な栄養を摂れるよう、学校給食の支援の準備を進めています。