(2016.04.28)
地震発生から2週間が過ぎましたが、依然として多くの方が避難生活を余儀なくされています。NGOワールド・ビジョン・ジャパンが活動する益城町総合体育館は、約1,000人が避難しており、高齢者も多くいらっしゃいます。
自宅が半壊したという80代の女性は、「膝が悪いので、定期的に体育館の周りを歩いて運動しています。でも雨が降ると運動ができず、狭い場所に座りきりになるので、腰や膝が痛みます」と語ります。
最も広いメインアリーナは、地震で天井が崩落。避難者は、ロビーや通路等の狭いスペースをダンボール等で区切り、生活空間を確保しています。常に人が行き交う狭い場所での避難生活を続けている多くの方々が、心身に感じているストレスは計り知れません。
「ここ数日、子どもたちのストレスが高まっているように感じます」と語るのは、ワールド・ビジョンの子どもの保護専門スタッフの山野真季葉です。益城町総合体育館で避難所の運営を担う熊本YMCAと協働で、子どもたちが安心して遊べる場所「プレイルーム」を運営しています。
「大人でも非日常が続くとストレスが溜まりますし、子どもたちが通常と異なる反応を見せても、それは自然なことです。プレイルームでは、その発散を適切な方法でできるように心がけています」
小中学生の比較的大きい子どもたちのため、屋外でサッカーや縄跳びができるスペースも確保。大きい子どもも小さな子どもも、のびのびと体を動かしています。
【保護者の声】
「産まれたばかりの子がいて手がかかるので、上の子たちだけでも見てもらえるととても有難いです。もう少し時間を長くしてもらえると、なお嬉しいです」(2歳と4歳の子どものお母さん)
「学童や学校が避難所になり、子どもたちの遊び場がなく困っていました。車中泊なのですが、子どものストレスが溜まると夜泣きするんです。夜泣きは親にもストレスになるので、こういう場所で発散できるのは有難いです」(4歳と5歳の子どものおばあちゃん)
「私の子どもは小学生で、ここに来るのが楽しみなようです。一方で、私は高校の教師をしているので、受験を控えた子どもたちのことが心配です。遊ぶ場所だけでなく、勉強できる環境があれば良いと思います」(小学生の子どものお父さん)
4月25日(月)からは、プレイルームの時間を、それまでの11~15時から10~15時に変更。「もっと長く」というリクエストに対応しています。今後も、利用してくださる方の声に耳を傾けつつ、改善を重ねながら活動を継続します。
NGOワールド・ビジョン・ジャパンは、日頃からご支援くださっている企業様と連携し、避難所で生活する皆さまが必要とされるものをお届けしています。東京西川(西川産業株式会社)からは毛布500枚、株式会社ウチヤマホールディングスからは引き続き、下着やタオル1,000枚等の生活用品をご支援いただいています。
熊本地震発生以来、多くの方にご寄付いただいていることを感謝します。
突発的な災害や紛争などの緊急時のために、「緊急人道支援募金」に、ぜひご協力ください。
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