(2024.05.22)
ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)が2014年より約7年間にわたり実施したヨルダンに暮らすシリア難民および受け入れコミュニティのヨルダン人の子どもたちに対する補習授業を通じた教育支援について、上智大学小松太郎教授らとの共同調査などの結果をまとめた論文が国際学術誌「International Journal of Comparative Education and Development」に掲載されました。論文ではシリア難民の子どもたちに対する補習教育プログラムの効果が検証され、以下の成果が示されました。
補習授業を通じたヨルダン人児童との交流により、シリア難民の子どもたちがより安心して学校で過ごせるようになった。また両国籍の子どもたちのコミュニケーションが促進された
また、難民受け入れ国の社会からの理解と協力だけでなく、人道危機の初期段階から人道支援機関が長期的なビジョンを持ち関係各所との連携を図りながら、教育を継続するための環境を整えることが、難民の子どもたちを長期的かつ継続的にサポートしていくための指針となることが示されました。
このようなサポート体制があることで、避難先でさまざまな困難に直面し、教育を受け続けることが難しい難民の子どもたちが、学びを継続し将来に向けてより多くの人生の選択肢をもつことに貢献できる可能性が期待されます。
調査研究の概要、成果について、上智大学からもプレスリリースされています。
上智大学のプレスリリースを見る
調査研究により、支援の成果が客観的に検証され、紛争の影響を受けた難民の子どもたちやその家族、そして受け入れコミュニティにおける効果が示されたことをとても嬉しく思います。また論文を通じて、事業から得られた教訓や学びを、多くの人道支援や教育支援に携わる方々と共有できました。
ここまでたくさんのご助言を頂いた小松太郎先生に心よりお礼を申し上げます。ヨルダンでは現在も外務省のNGO連携無償支援の助成と皆さまからの募金により、教育支援を継続しています。
引き続き、温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
事業担当の一人、岩間スタッフのブログ
協働から生まれる広がり‐難民の子どもたちへの教育支援
ヨルダンにおけるシリア難民支援事業の今 [上智大学×WVJ共同調査](2019.06.05)
シリア危機による学びの中断を経験したルシャドさんを招き、2011年3月のシリア危機前後の生活、また現在に至るまでの経験についてお話をお伺いします。紛争の影響下でどのように学び続け、スキルを身につけて、今に至っているのか、ご本人の実体験を聞ける貴重な機会です。
日時:2024年6月13日(木) 19:00~20:00
内容:紛争下の避難生活、教育についてのインタビュー、およびワールド・ビジョンが実施する危機下の教育支援について。
※特別ゲストとの対談形式。皆さまからのQAタイムも予定しています。
場所:オンライン配信 / ワールド・ビジョンオフィス(先着20名)同時開催
6月20日は「世界難民の日」です。シリア、アフガニスタン、ウクライナ、南スーダン、ミャンマーなど、世界各地で長期化する紛争が増え、難民・国内避難民の数は増加しています。2022年末には初めて1億人を超え、その後も増え続けています。2023年9月末時点で、紛争や迫害で家を追われた難民・国内避難民は、1億1400万人を超えました。そのうち約41%が18歳未満の子どもたちで、帰る場所を失っています。
厳しい環境下で避難生活を強いられている子どもたちを守り、回復を支え、未来を築くために、難民支援募金にご協力ください。
難民・避難民の子どもたちが教育を受けられるように、学びの環境を整え、学校運営や教職員の採用を支援します。
例えば、5000円ではバッグ、ノート、筆記用具などの学用品セットを子ども5人に提供できます。