12月18日(火)、親善大使の酒井美紀さんをお迎えして「ワールド・ビジョン・カフェ スペシャル」を開催しました!

2007.12.20

当日のようす。多くの方々がご参加くださいました
当日のようす。多くの方々がご参加くださいました

12月18日(火)、親善大使の酒井美紀さんを特別ゲストにお迎えして、「ワールド・ビジョン・カフェ スペシャル」を開催しました!当日は年末の忙しい時期にも関わらず、357名の方々がご参加くださり、たいへん盛況でした。

当日は、酒井さんとワールド・ビジョン・ジャパン事務局長の片山との対談形式で進められました。酒井さんのこれまでの人生を振り返りながら、貧困問題に関心をもつようになったきっかけ、チャイルド・スポンサーシップでの支援を通して感じていること、インドのワールド・ビジョンの支援地を訪問した際のエピソードなどをお話しくださいました。

思いを語る酒井さん
思いを語る酒井さん

幼い頃からガールズスカウトに参加し、ボランティア活動を身近に感じていた酒井さん。そんな酒井さんが途上国の貧困問題に関心を抱くようになったのは、フィリピンのある少女との出会いがきっかけでした。

「テレビ番組の取材で、フィリピンのスモーキーマウンテンと呼ばれるゴミ山で働く少女と出会いました。彼女は大人にまじってリサイクルできるゴミを拾ってお金に換え、1日50円以下の収入で家族の生活を支えていました。あまりの過酷さに衝撃を受け、涙がとまらず、気持ちの整理がつかないまま日本に帰国しました。

スマトラ沖地震による津波被害を受けた、スジータちゃんと
スマトラ沖地震による津波被害を受けた、スジータちゃんと

そして帰国してから、自分の生活のなかで、何か自分にできることをやろう!と思い、以前から知っていたチャイルド・スポンサーシップに申し込みました。チャイルド・スポンサーシップは月々4500円の継続支援ですが、普段の生活の中から4500円を捻出するのは、簡単なことではありません。でもどうせ同じお金を使うなら、自分のためにも人のためにもなる、より価値のある使い方をしたいと思ったんです」

こうして、ベトナムの女の子の支援を始めた酒井さん。その後親善大使に就任し、今年5月にインドにあるワールド・ビジョンの支援地を訪問。45℃を超える酷暑のなか、スマトラ沖地震による津波被災地と、チャイルド・スポンサーシップによる支援が行われているマドラス地域を訪れました。

「マドラス地域では、現地事務所や学校、地域の子どもたちが活動している『子どもクラブ』などを訪問しました。

地域の人々から、たくさんの質問を受ける酒井さん
地域の人々から、たくさんの質問を受ける酒井さん

マドラス地域はスラム街なので、地方出身者や日雇い労働で生計を立てている家庭が多く、生活は非常に厳しいはずなのですが、子どもたちがみんなとても明るく、積極的なことに驚きました。
また訪問した『子どもクラブ』では、子どもたち自身が自分たちの地域の問題について話し合っていました。例えば、マドラス地域ではゴミをゴミ箱に捨てる習慣が根付いておらず、道にはゴミが散乱していました。そこで『子どもクラブ』では、ゲームを通して子どもたちにゴミを拾ってもらい、ゴミ箱に捨てる習慣がつくように取り組んでいました」

マドラス地域「子どもクラブ」の子どもたちと
マドラス地域「子どもクラブ」の子どもたちと

ワールド・ビジョンでは、1995年からマドラス地域での支援活動を行っています。活動の中でワールド・ビジョンが大切にしているのは、"子どもたちは単なる支援の裨益者ではない"ということです。支援を通して子どもたちの可能性を広げ、その発想を支援活動のなかにとりこみ、子どもたち自身が支援活動の主体になっていくことで、子どもたちも大きな自信をつけることができます。

最後に、片山事務局長からの「今回のインド訪問で、一番印象に残ったのはどんなことですか?」という質問に、酒井さんは以下のように答えられました。

日本のチャイルド・スポンサーに支援を受ける、ナンディニちゃんを訪問する酒井さん
日本のチャイルド・スポンサーに支援を受ける、ナンディニちゃんを訪問する酒井さん

「子どもたちに"支援を通して何が一番変わった?"と聞いたら、"生きていくことに自信がついた!"と答えたことです。
ワールド・ビジョンの全ての支援を通して子どもたちや人々が自身をつけ、自分のことを信じられるようになれば、きっと地域の生活の向上にもつながっていくと思います」

Q&Aタイムには、参加者の方々から多くの質問が寄せられました。一つひとつの質問に、親善大使という立場を超えて、一人のチャイルド・スポンサーとして、また酒井さん個人としての思いを答えてくださいました。ここでは、ご質問の一部と、酒井さんからの回答をご紹介します。

ベトナムのチャイルドとの交流を通して感じていることはありますか?

支援を開始した時、チャイルドはまだ1歳でした。現在も、成長報告やクリスマスカードを通しての交流が続いていますが、チャイルドの写真を見て、チャイルドがきちんと成長して、厳しい環境のなかでもちゃんと生活できていることが実感できると、純粋に感動します。まだまだ問題は多くありますが、支援を通してチャイルドの住む地域が少しずつ改善されて、チャイルドが生活面でも、また精神的にも安定した生活ができるようになることを願っています。

スマトラ沖地震による津波では、多くの国が日本へ輸出するエビの養殖のためにマングローブを伐採し、被害が拡大しました。現地での支援をする前に、もっと私たち自身の責任を認識する必要があるのではないですか?

以前、テレビ番組の取材でバングラデシュの漁村を訪ねたことがあります。その漁村でも、主にアメリカと日本に輸出するエビを養殖していました。しかし、地域の人々にはエビの病気を治す知識がなく、一つの池のエビが全滅してしまうと、また木を伐採して新しい池をつくり...と繰り返して、結果的に大きな面積の木を伐採してしまいました。
途上国の問題は、国としての貧困、環境など様々な要素がからみあって、現在のように様々な問題が生まれてしまったのだと思います。解決のために私たちにできることはたくさんあると思います。ただ、サッカーがゴールは一つでも様々なポジションがあるように、途上国の問題解決のためには、様々な支援を同時に行わなければならないと思います。そのためには、政府やNGOだけでなく、支援を受ける地域の人々自身の協力が必要です。いろいろな人々が協力することによって、本当に持続可能な支援を届けることができるのだと思います。

アンケートに寄せられた感想の一部をご紹介します。

● 今回は、酒井さんの熱意を強く感じました。親善大使としてふさわしい方だと思いました。
  これからも世界の貧困を、日本の皆さんに伝えていっていただきたいと思います。
● 私はすでにスポンサーをしていますが、今月のお話を聞いて改めて支援の意味を考える機会になり感謝しています。支援が自信につながり、逆境をのりこえる力になること、心にとめて今後も活動に関わっていきたいと思います。
● もう少し貧困に関する実態が知れるとよかった。自分も何かしようと思った。
  何でもいいから自分にできることがあるはず。
● 酒井さんのお話をきっかけに参加者の中から意識の高いいろいろな質問が出て、誠実にわかりやすくお答え下さった事に、WVで支援させていただけて良かったと思いました。


当日お話しくださった酒井さん、ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました!

次回のカフェは、1月24日(木)11:00~12:30に開催する予定です。
詳細は、決定次第ホームページ上でお知らせします。

今回ご参加いただけなかった方も、次回ぜひご参加ください。
たくさんの方のご参加を、お待ちしています!