気候変動と貧困について知っておきたい10の事実【後編】

(2022.09.22)

6:気候変動によって住む場所を追いやられる人々がいます

リアさん(写真中央)の家は台風で吹き飛ばされてしまいました
リアさんの家は台風で吹き飛ばされてしまいました(フィリピン)

水が干上がってしまったり、洪水に見舞われたり、もしくは食糧や生計手段がなくなってしまった時、やむを得ず、住み慣れた家を離れないといけなくなる人々がいます。気候変動によって家を追われたり、移住を迫られる家族が急激に増えています。

世界食糧計画(WFP)によると、異常気象によって2020年に3000万人が家を追われました。この人数は、暴力や紛争によって家を追われた人数の3倍以上にあたります。気象に関連する事象は増加の一途をたどると予測されています。国内避難民モニタリングセンター(IDMC)は国内避難民や難民の数も増え続けるだろうと述べています。家や安全がなければ、子どもたちは虐待、ネグレクト、暴力にさらされるリスクが高まります。


【ワールド・ビジョン(WV)が皆さまのご寄付で行っていること】

2021年、WVは緊急事態の影響を受けた3000万人以上の人々に支援を届けました。
WVはチャイルド・スポンサーシップを通して、世界で最もぜい弱な地域でコミュニティとともに、最長15年間の年月をかけて貧困の根本原因に取り組んでいます。そのため、常日頃築いている信頼関係に基づき、災害が発生したときに緊急援助を提供し、コミュニティの回復と再建を支援し、将来の災害に対する回復力を強化するために協力することができます。

7:気候変動によって学校に通えなくなる子どもがいるかもしれません

WVの支援を受ける学校で学ぶ子どもたち(ブルンジ)
WVの支援を受ける学校で学ぶ子どもたち(ブルンジ)

家族が収入や食糧や水の供給源を失ったり、家を追われた場合、子どもの教育は最後か、低い優先順位になってしまうことがしばしばあります。安定した収入がなければ、親は子どもを学校に通わせる余裕がなく、食糧の栽培や家畜の世話、収入を得るために子どもを学校に行かせず、家に留めておくことが多々見受けられます。水が不足すると、普段から水を集める役割を担っている子どもたちは、水を見つけるためにさらに遠くへ、長い時間をかけて歩く必要があります。

その結果、学校に行くことができなかったり、宿題や遊びの時間が減ってしまいます。この教育機会の喪失は、これらの子どもたちの貧困の連鎖から抜け出せなくするでしょう。


【WVが皆さまのご寄付で行っていること】

皆さまのチャイルド・スポンサーシップを通してのご支援は、気候変動によって家族が受ける影響を軽減するだけではありません。ご支援により、子どもたちが学校に通い続け、質の高い教育を受けるために必要な支援を受けることもできます。

2021年には、410万人のこどもたちに教育支援を届けました。バングラデシュでは、WVの識字プログラムを導入した学校で、子どもたちの読解力が74%向上しました。

8:気候変動に対応すること、回復することには大きな費用が必要です

洪水を受け、仮住まいでクラス親子と、 親子に寄り添うWVスタッフ(南スーダン)
洪水を受け、仮住まいでクラス親子と、
親子に寄り添うWVスタッフ(南スーダン)

所得が低いコミュニティは気候変動によって最も大きな打撃を受けることが多いだけでなく、強力な経済基盤がなければ、気候変動による緊急事態を防ぎ、回復することはより困難になります。ハリケーン、洪水、火災はすべて気象に関連した事象であり、広範囲に被害をもたらします。コミュニティのインフラや家族が住む家、作物、家畜など、長年苦労して得た成果を帳消しにする可能性があります。

資金が限られている家族・コミュニティ・国にとって、自然災害からの回復は骨が折れる程時間がかかり、家族やコミュニティは飢餓やその他の困難に直面するリスクを高めます。そして、貧困から抜け出すことが難しくなる可能性があります。


【WVが皆さまのご寄付で行っていること】
チャイルド・スポンサーシップは、家族とそのコミュニティが直面する最大の問題に取り組み、将来に起きうる課題に対処するための回復力を強化する支援を行っています。個々の世帯が安全な未来を築くために必要な知識と資源を持ち、人々が協力して強固なコミュニティを構築できている場合、みんなで災害に備え、対応する能力が向上します。

9:気候変動は不平等を強めます

WVとWFPが行った食糧支援を受け取る人々。 干ばつによって食糧を得るのが困難になった(ケニア)
WVとWFPが行った支援で食糧を受け取る人々。
干ばつによって食糧を得るのが困難になった(ケニア)

気候変動は貧困層を最も苦しめているだけでなく、貧富の差をさらに拡大させる可能性があります。貯蓄がなく、すでに家計のやりくりが難しい家族は、干ばつ・洪水・嵐によって作物が収穫できなくなったり、家畜が死んだ場合、必要以上に不利な立場に置かれます。

貧困の中にある人々は現金を得るためにわずかな持ち物をただ同然で手放す必要があるかもしれませんが、一方で、財政的に余裕のある人々は危機の際にさえ利益を得ることができる立場にあります。


【WVが皆さまのご寄付で行っていること】
コミュニティが自主的に長期的な視野で課題に取り組むことは、子どもたちとコミュニティが貧困の連鎖を断ち切る力となります。
例えば、安定して食糧を得られるようにすること・災害からの回復力の強化・貯蓄の促進・教育の支援などが挙げられます。そうすることで、気候変動をはじめとした、あらゆる困難に直面しても、家族で立ち向かうことができます。

10:気候変動には、みんなで一丸となって取り組みましょう

WVは子どもたちとコミュニティに寄り添い続けます
WVは子どもたちとコミュニティに寄り添い続けます

気候変動は、今日世界が直面する最大の課題のひとつです。一人の人間・ひとつのコミュニティ・ひとつの国だけで解決できる問題ではありません。

しかし、すべての人・すべてのコミュニティ・すべての国が一緒に取り組むことで、未来をより良くすることができます。


【WVが皆さまのご寄付で行っていること】

今この瞬間も、チャイルド・スポンサーの皆さまをはじめとしたご支援者さま・WVのスタッフ・ボランティアスタッフ・全世界のコミュニティが協力して素晴らしいことを成し遂げようとしています。

2021年には、110万人が災害リスク管理の訓練を受け、家族や隣人の安全を守りました。
330万人が気候変動に配慮した農業を実践し、家族・コミュニティ・国家のための食糧を確保しています。
230万人が、地域の天然資源を管理するために最も必要な技術を学びました。その結果、ニジェールでは過去20年間で500万ヘクタールの土地に新たに木を植えました。

手を取り合い、一緒に歩むことでよりよい未来を築くことができます。
ぜひ、ワールド・ビジョンのチャイルド・スポンサーシップに、ご参加ください。

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