【開催報告】ウクライナ人道支援特別コンサート
「平和への希望 歌声とともに」ウクライナ出身オペラ歌手、オクサーナ・ステパニュックさんを招いて

(2022.06.10)

ウクライナ出身オペラ歌手、オクサーナ・ステパニュックさん

6月8日(水)夜、ウクライナ出身のオペラ歌手オクサーナ・ステパニュックさんをお招きし、ウクライナ人道支援特別コンサートを開催しました。会場のウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会には300人を超える方々にお越しいただき、YouTube同時配信は350人を超える皆さまにご視聴いただきました。

リンク録画動画をご覧になるにはこちら(YouTube)外部リンク


故郷への愛と平和への祈りのこもったオクサーナさんの歌声に耳を傾け、ウクライナを逃れて日本YMCA同盟の支援を受けて来日、日本で避難生活を送るマリアさんのお話を伺い、ウクライナの子どもたちと人々に想いを馳せるひと時を皆さまとご一緒しました。会場で、オンラインでご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

コンサート概要

  • 期間:2022年6月8日(水)19:00~20:00
  • 会場:ウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会 インマヌエル礼拝堂
  • 出演:オクサーナ・ステパニュック(ソプラノ)、比留間千里(ピアノ)
  • 主催:特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
  • 協力:玉の肌石鹸株式会社、ウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会、公益財団法人 日本YMCA同盟
第一部
1.ひまわり  ヘンリー・マンシーニ 作曲
2.アヴェ・マリア  シューベルト 作曲
3.カッチーニのアヴェ・マリア  ヴァヴィロフ 作曲
4.金色の花  ヴェルメニチ 作曲

第二部
マリア・ホミャークさんを迎えて(協力:公益財団法人日本YMCA同盟)
ワールド・ビジョンのウクライナ人道支援について

第三部
1.浜辺の歌  林古渓 作詞 成田為三 作曲
2.見上げてごらん夜の星を  永六輔 作詞 いずみたく 作曲
3.オペラ「ノルマ」より"清らかな女神よ"  ベッリーニ 作曲
4.ヴェネツィアの謝肉祭  ベネディクト 作曲
オクサーナ・ステパニュックさん
比留間千里さん

オクサーナさん 平和への希望 歌声とともに

第1部、第3部はコンサート形式で行い、オクサーナさんの歌と比留間さんのピアノの素晴らしい音色に会場は感動に包まれました。

第1部では平和への祈りをこめて2曲のアヴェ・マリアを、また、ウクライナに咲くマリーゴールドの歌曲に、故郷とそこに今も暮らすお母さまやご家族への想いをこめて演奏いただきました。

第3部では日本の歌曲もご披露いただきました。「見上げてごらん夜の星を」では、「2人なら苦しくなんかないさ」の歌詞に、ウクライナと日本に住む人々が、手を取り合えば何かが変わるという希望を重ねて歌ってくださいました。

つづく2曲のアリアでは、オクサーナさんの天性のコロラトゥーラ・ソプラノの歌声が会場に響き渡りました。「私は音楽と慈善活動で世界を美しい場所にしていきたい」というオクサーナさんのメッセージと素晴らしい演奏に、拍手がいつまでも鳴りやみませんでした。

平和への祈りをこめて歌うオクサーナさん
平和への祈りをこめて歌うオクサーナさん
美しい歌声が会場に響き渡りました
美しい歌声が会場に響き渡りました
鳴りやない拍手に笑顔を向けてくださったオクサーナさん
鳴りやない拍手に笑顔を向けてくださったオクサーナさん

マリア・ホミャークさんを迎えて

日本YMCA同盟の支援を受けて4月に娘さんと来日、日本で避難生活をおくるマリアさんにご登壇いただき、事務局長の木内真理子が聞き手となってお話を伺いました。

「ウクライナのことを想い、このような機会をありがとうございます。ウクライナの状況は本当にひどいものがあります。最も困難だったことはウクライナを脱出すること、中でもポーランド国境までの長い距離を、これから向かう町がどうなっているかわからない状態で電車を乗り継ぎ移動したことが一番大変でした」

「日本に到着した時は正直なところ、疲れ果ててただ眠りたかった。新型コロナの検査などを終えてホテルについてから、様々な感情がこみ上げてきました」

カメラマンとして活躍していたマリアさん。避難する中で撮影した写真をご紹介くださりその時の想いもお話しくださいました。そのうち1枚は、ウクライナからポーランドに向かう車内で娘さんの横顔を撮影したものでした。

「車内はとても混み合っていて、恐怖と緊張で満ちていました。緊迫した中で、この後何が起こるかもわからない中、私も娘も一睡もできずに夜を明かしました」

ウクライナ危機が勃発する前のウクライナについてもお聞かせいただきました。

「ウクライナは素晴らしい国です。誇るところがたくさんありますが、なによりも誇るべきはウクライナの人々です。才能豊かな人々がたくさんいて、世界のために貢献してきました。どうか、皆さん、力を貸してください。ウクライナの人々を助けてください

参加くださった皆さまからのコメント

YouTubeライブをご覧くださった方からのコメントをご紹介します。

  • オクサーナさんのすばらしい歌声と、マリアさんの体験、心にしみました。すてきな時間をありがとうございました
  • 遠くの祖国を思いながら歌ってくださったのでしょう。浜辺の歌、亡き母が時折歌っていたので、私の大好きな曲です。ありがとうございます
  • 感動する歌声とピアノの響きでした。支援金はこれまでも少しですがさせて頂いておりますが、これからもっともっと支援が必要なのだと改めて感じています。多くの支援が広がりますように

ウクライナ危機に対するワールド・ビジョンの対応

ワールド・ビジョンは、危機発生直後からルーマニアを拠点に活動を開始し、現在はルーマニアをはじめモルドバ、ジョージア、ウクライナ国内において紛争の破壊的な影響に対応しています。5月14日までに子ども53,370人を含む、129,116人支援を届けてまいりました。

【活動の3本柱】
① 基本的なニーズへの対応
食料、住居、衛生環境のニーズを満たすため、現物支給と現金支給を実施

② リスクからの保護 
子どもの保護、ジェンダーに基づく暴力の防止、心理社会的支援サービスの提供等、主に子どもと女性を対象にした性的搾取や虐待からの保護

③ 各種サービスへのアクセス確保 
情報、教育、医療、社会的保護等、あらゆる基本的サービスを受けられるよう支援

支援物資を届けるワールド・ビジョンのスタッフ
支援物資を届けるワールド・ビジョンのスタッフ

【各国での支援の概要】

  • ルーマニア:43,277人
    子どもたちが安心・安全に過ごせる「チャイルド・フレンドリー・スペース」に加え、教育・メンタルヘルス・心理社会的支援・子どもの保護活動を統合した「ハッピー・バブル・センター」を2カ所に開設。そのほかに、首都ブカレストの避難所への食料支援、一時避難所滞在者への光熱費支援を行っています。
  • ウクライナ:70,938人
    リウネ州で18,000パックの種子、ウクライナ国内で76.58トンの食料を配布。ヴィーン二ツァにてニーズ調査や提携団体向け心理的応急措置研修を実施しました。
ウクライナからルーマニアに逃れた子どもと一緒に遊ぶワールド・ビジョンのスタッフ
  • モルドバ:13,477人
    提携団体向け心理的応急措置研修の実施。難民宿泊センターへの食料支援と子どもの保護活動を実施。国連世界食糧計画(WFP)と連携して、3,099世帯に対して現金を給付を行いました。
  • ジョージア:1,424人
    現地提携団体・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との協力のもと、ウクライナの女性や子どもたちを対象に、ジェンダーに基づく暴力についての説明会を実施しました。



募金を受け付けています

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、ウクライナ危機など、紛争下の子どもたちの未来を築くために1000人のサポーターを募集しています。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

ウクライナの子どもたちを救ってください。