(2022.06.01)
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、世界各地で極度の飢餓が劇的に増加していることを受け、世界規模の飢餓支援活動を実施します。現在、4,500万人の人々が緊急に命を守るための支援のすべを持たないまま、飢餓に直面しています。
ワールド・ビジョンの総裁/最高責任者、アンドリュー・モーリーは次のように述べます。
「数百万人もの子どもたちが 紛争、気候変動、新型コロナウイルス感染症の致命的かつ複合的な要因によって引き起こされるこの悲痛な飢餓の危機に耐え忍んでいます」
ウクライナでの紛争は、様々な大惨事を引き起こしています。同紛争により生じた港湾閉鎖、制裁および貿易制限は、燃料、肥料、小麦価格の高騰を激化させています。これにより飢餓の危機は加速し、世界の複数の国にある飢餓のホットスポットで、さらに多くの飢餓が生まれる可能性を作り出しているのです。
ワールド・ビジョンの18カ月にわたる世界規模の飢餓支援活動は、飢餓の一歩手前にある、あるいは飢餓に直面している子どもたちが暮らす、世界中の飢餓のホットスポットに焦点を当てています。広範な飢餓と栄養不良に対処するための支援を通じて、すでに1,150万人に支援が届いていますが、悪化する状況に対応すべく支援の拡大が必要とされています。ワールド・ビジョンは巨大な運営規模を有しており、現金、食糧、栄養プログラムにおける専門知識とリーダーシップがあります。そして国連世界食糧計画(WFP)の食料支援活動における最大のパートナーであることから、支援活動を進めるにあたり独自の立場にあります。
アンドリューはケニアを訪れた際、飢餓の深刻な影響を受けている家族に出会い、衝撃を受けたと話します。
「私は最近、東アフリカで幼い子どもを育てるお母さん、アカルさんとその家族に会いました。彼女は、栄養不良の子どもたちがちゃんと生きているかどうかを夜中確認しなければなりません。飢餓の危機は、干ばつ、イナゴの大発生、そして新型コロナウイルス感染症の影響によってすでに苦しんでいる人々の生活のあらゆる側面を引き裂いています」
アフガニスタンでは、飢餓が家族に悲痛な決断を迫っています。ワールド・ビジョン・アフガニスタンの事務局長、アスンタ・チャールズは言います。
「私は、家族が他の家族を養うために自分の子どもですら売ることをいとわない様子を見て、心が張り裂けそうになります。アフガニスタンでは日々状況が悪化しており、とりわけ子どもたちが犠牲になっています」
ワールド・ビジョンは国際社会に対し、今この瞬間にも飢餓で死に瀕している数百万人の子どもたちの命を優先するように呼びかけています。支援ニーズの規模は非常に大きく、ワールド・ビジョンがこのような世界規模の対応を開始したのは、新型コロナウイルス感染症への緊急対応に次いで、史上2度目になります。
ワールド・ビジョンは、今回の飢餓対策のための対応には、新型コロナウイルス感染症の緊急対応よりも、さらに多くの活動資金を要すると警告します。アンドリューは次のように述べます。
「私たちのスタッフは、すでに彼らが活動する地域コミュニティに住んでおり、飢餓の危機の影響を最も受ける人々を助けるために全力を尽くしています。しかし、私たちは、命を救うための支援活動を拡大するために、さらなるサポートを緊急に必要としています。支援要請に対する誓約と約束だけでは十分ではありません。緊急の資金提供が直ちに求められます。命を救うため、いま、真の行動が必要とされています。すべての子どもたちが神様から与えられた可能性を開花させて豊かないのちを生きることができるように、私たちはみな、そのための一歩を踏み出さなければなりません」