(2022.05.12)
ルーマニアでワールド・ビジョンのチャイルド・スポンサーシップによる支援を受けていたアンドレアさん(21歳)は、今、ウクライナ危機に対応するワールド・ビジョンのボランティアとして、難民の子どもたちの支援に携わっています。
アンドレアさんの故郷は、ルーマニアの農村地帯にある小さな町。彼女が幼い頃、多くの子どもたちは学校に通っていませんでした。家に学用品を買うお金がなかったからです。子どもたちは、畑で家畜の世話をして過ごしていました。しかし、アンドレアさんが小学6年生の時、ワールド・ビジョンが彼女のコミュニティで活動を開始し、そこからアンドレアさんと多くの子どもたちを取り巻くすべてが変わりました。
チャイルド・スポンサーシップでは、ぜい弱な環境にある子どもたちとチャイルド・スポンサーとをつなぎ、その子どもたちが住む地域全体を長期にわたり支援します。アンドレアさんはチャイルド・スポンサーとのつながりはありませんでしたが、チャイルド・スポンサーシップの活動の一環である、地域の子どもたち全員に開かれた教育プログラムには参加していました。このプログラムを通じて、子どもたちは自尊心を持つことを学び、人前で話す力を身につけ、高等教育を受けることを奨励されました。
「教育が鍵です」アンドレアさんが参加したプログラムでコーディネーターを務めたニコレタ・ポプラは、こう言います。「私はいつも子どもたちに、今の状況を乗り越えてより良い生活を送ることができるということを語りかけていました。子どもたちは、信じている以上のことを本当にできるのです。それまで暮らしてたコミュニティでは、そのような経験をしていなかっただけです」
アンドレアさんにとって、このプログラムとニコレタの導きは、人生を変えるものでした。彼女は7年生と8年生の時に生徒会に入り、大勢の前へ出ることへの恐怖を克服するという経験をしました。
「ワールド・ビジョンのすべての活動が、私を大いに助けてくれました。学校でも、その後入学した大学でも、もう私は恥ずかしがりやではありません。人前で話す勇気があります」
アンドレアさんは、チャイルド・スポンサーシップのプログラムを通じて、ヤシという街にある大学のキャンパスを見学する機会にも恵まれました。今はその大学に通い、ソーシャルワークを学んでいます。
今回のウクライナ危機で難民がルーマニアにやってきた時、アンドレアさんは、何か彼らの力になりたいと思い、ニコレタに連絡をとりました。そして、彼女が国境の街シレットで難民支援にあたっていることを知りました。アンドレアさんは、ワールド・ビジョンの活動にボランティアとして参加することを決め、もう一つの活動拠点であったフシという街に行き、難民支援の活動に加わりました。
「私は1人の女の子に出会い、一緒に絵を描いたりして遊びました。彼女は少しだけ英語が話せました。両親と兄弟とともに避難してきていて、私たちはできる限りのことをしました。女の子とそのご家族は、とても怖がっていました」
このボランティアの経験と、子ども時代に参加したプログラムでの経験が、アンドレアさんの今後のキャリアに影響を与えています。彼女は、困っている人々を助け、かつての自分のような子どもたちに変化を生み出すことを夢見ています。
「子どもは変われるということを、私は知っています。特に、助けられた経験を持つ子どもたちは、他の人も助けられるようになります」とアンドレアさんは言います。「ワールド・ビジョンは、これまでも、そしてこれからも、私の心のより所となる存在です。ワールド・ビジョンは、難民だけでなく、普通のルーマニア人でさえ助けます。すべての子どもたちがワールド・ビジョンのプログラムに参加し、私がそうだったように、そのプログラムから恩恵を受けることを願っています」
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、ウクライナ危機に対応するために、新たに1000人のサポーターを募集するキャンペーンを実施しています。サポーターとして、紛争下の子どもたちの未来を築く活動を応援してください。